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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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元市議名誉毀損事件 第34回
当初は存在しなかった主張

「山川は被害者に松田を紹介したか否か」に続いて山川が論点としたのは、矢野らが「山川が松田に対して、被害者が一人暮らしになったことを話したことが本件詐欺事件につながった」と主張している点についてだった。

 被害者も今回提出した新しい陳述書で〈「あなたが松田さんに私のことを話したからこんなことになった」と何度か責めたことがありました。〉と述べ、被害者の上記発言に対して山川は、「あなたと塩田さんのお金の貸し借りなのだから、私は関係ない」と言うように(なった)〉と山川を非難している。山川は「そんなことはいっていない」と主張しているが、矢野らは、この被害者の供述を〈(山川は詐欺事件の)仲介のような役割を果たしており、上記貸金が返済されないことについて、知らん顔をしているあきれた人だ〉とする東京地裁が認定した「読み方」の根拠であると主張していた。

 矢野と朝木はともかく、被害者は本当に「山川が松田に対して、被害者が一人暮らしになったことを話したことが本件詐欺事件につながった」と考えているのだろうか。少なくとも被害者は塩田に対して返済を求めて提訴した際の陳述書、あるいは松田を含めて告訴(受理されず)した際の告訴状では、山川を非難するような主張はいっさいしていなかった。それどころか、被害者が塩田を提訴した際の陳述書には次のような記載があった。

〈(塩田による)そのような借金の申し入れは断れば良かったのですが、松田さんの紹介であったことや……被告塩田や松田さんらに色々とお世話になっていたこともあり、断り切れず(に多額の金を貸してしまった)〉

 被害者は最初の陳述書でこう述べるとともに、塩田に貸金を重ねた具体的な状況を詳細に記載していた。その経過において、山川はいっさい登場していない。山川はその点を指摘した上で、被害者が今回提出した新しい陳述書に対して次のように反論している。

〈○○(筆者注=被害者)は「一人暮らしだから」塩田らの借金の申し入れを断りきれなかったとは考えていなかったのである。被控訴人が松田に「○○(同)が一人暮らしになった」と話したことが詐欺につながったという○○(同)の主張は、自分を直視できなくなった者の八つ当たりというほかない。〉

矢野の記載を追認

 被害者は新たな陳述書で、さらに山川を次のように非難している。

〈(私を突き放すような)このような山川さんたちの態度を見て、刑事告訴の段階まで山川さんが協力してくれたのは、私のためではなく、ご自分の立場を守るために協力していただけで、今は松田さんの側に立って行動しているのではないかと思うようになりました。〉

「今は松田さんの側に立って行動している」とは、まさに本件記事の〈結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。〉との記載に同意する供述である。またこれは、「貸金が返金されないことについて、知らん顔をしているあきれた人」という一審が認定した一般読者の「読み方」を肯定するものでもあろう。

 松田とは、矢野らが「詐欺グループの一員」と断定する人物である。かつて被害者から相談を受け、弁護士を紹介し、告訴にあたっては陳述書の提出を協力するなど支援した山川に対し、被害者が「松田の側の人間」とまで非難するなど、通常は考えられない。しかし現実に、被害者は山川について「松田の側の人間」だと供述しているのだった。この点について山川は次のように反論した。

〈(筆者注=山川が民事裁判から刑事告訴後まで被害者を支援してきた具体的な状況を挙げ)ここまで支援してきた被控訴人(筆者注=山川)対し、塩田らの返済が滞ったからといって、今度は被控訴人が自分を突き放したなどと非難するとは思い違いもはなはだしく、○○(同)は本来非難すべき相手を見失っているというべきである。まして「被控訴人は松田さんの側に立って行動しているのではないか」などと邪推するに至っては、もはや常軌を逸していると言わざるを得ない。〉

被害者の「豹変」 

〈(山川さんたち)は突き放す態度に豹変しました〉と被害者は陳述書で供述している。しかし現実には、「豹変」したのはむしろ被害者の方ではないかと思える。

 本件記事が掲載された『東村山市民新聞』第186号が東村山市内に配布された直後、山川とともに被害者を支援した人物が被害者に電話し、記事内容について事情を尋ねた。被害者は当初「記事は読んでいない」などと口を濁したが、「山川さんには何の恨みもないんだけど、松田が許せなくて」と答えている(その陳述書は裁判所に提出されている)。ところが被害者は陳述書で、

〈山川さんは……今は松田さんの側に立って行動しているのではないかと思うようになりました。〉

 と供述している。陳述書でいう「今」とは、まさにこの陳述書が作成された平成28年9月7日を指している。つまり平成27年8月の時点で、かつて支援してもらった知人に対して「(松田は許せないが)山川さんには恨みはない」といっていたにもかかわらず、その1年後には「山川も(許せない)松田の側に立っている」と、山川に対する認識を180度変えていた。

 被害者は、いったいどんな事情があって、山川が被害者の味方ではなく、詐欺グループの一員であると矢野らが主張する人物の側に立っているなどと考えるようになったのか。 うまい話に断りきれずに2140万円を貸し、1860万円が返済されない状況になってしまった被害者の内心をうかがい知ることはできない。

 しかしそれにしても、塩田や松田に対する恨みや貸金を断りきれなかった自分に対する悔恨の気持ちを募らせることは十分に理解できても、かつて支援してもらった山川に対して「松田の側に立っている」とまで非難の矛先を向けるとは、やはりにわかに信じられることではなかった。何か心境の変化をもたらす出来事でも起きていたのだろうか。

(つづく)
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