ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

元市議名誉毀損事件 第39回
写真が見出しを補完

「記事1」には見出し以外にも、読者に対して記事全体の意味を「山川が詐欺事件に関与した」と理解させる重要な要素があった。〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉とする横書きの見出しの真下に配置された写真である。写真は東村山市内にある創価文化会館で、写真の下には〈一般市民から2140万円も借りて〉とするキャプションが付けられている。

 この写真とキャプションを見せられた一般読者は、やはり「一般市民から2140万円も借りたのは創価学会関係者なのだ」と理解するのではあるまいか。公明党市議が創価学会の会員であることは周知の事実である。したがって、一般読者がその後あらためて写真の真上にある〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉とする見出しを読めば、「記事1」が「元公明市議が1860万円の詐欺事件に関与した」という記事であるという確信をより深める――〈1860万円詐欺、元公明市議らが関与〉とする見出しとその真下に配置された創価文化会館の写真およびキャプションは、そんな相互に補完し合う関係にある。

 これは偶然ではあるまい。露骨に「山川は詐欺事件に関与した」と断定するものではないが、少なくとも「創価学会関係者が詐欺事件を起こし、元公明市議が関与した」と読者に印象付けようと可能な限りの手段を尽くそうとしているように思える。

 山川は記事とは無関係の創価文化会館の写真と思わせぶりなキャプションが掲載されている点について次のように主張している。

〈本件写真及び写真説明は本件見出し1(筆者注=「記事1」の見出し)の印象をより強める効果をもたらし、本件見出し1を読んだ一般読者はより一層、「借金をして1860万円を返さないという詐欺事件に元公明市議が仲介という形で関与した」と理解することは明らかである。〉

 それでもなお、一審は見出しについて一言も触れなかったということになる。これは妥当な判断といえるのだろうか。

「記事1」に対する「一般読者の読み方」

 では、本文を読んで一般読者はどう理解すると山川は主張しているのか。「記事1」において直接的に「山川の関与」を説明しているのは、〈山川元公明市議は口では被害者女性の味方になってお金を取り戻すそぶりをしていたが、結局はお金を巻き上げる連中の口ききでしかなかった。〉とする記載である。

 この部分について山川は次のように主張している。

〈上記記載は「山川は詐欺グループの口ききである」と断定するものであり、本件見出し1(同)を「借金をして1860万円を返さないという詐欺事件に元公明市議が仲介という形で関与した」と理解していた一般読者は、本件記事1について「山川は仲介というかたちで詐欺に関与したのだ」と確信をもって理解するものである。〉

 見出しと本文の記載から記事の趣旨を総合的に判断すれば、やはり記事1について一般読者は「山川は詐欺事件に関与した」と読むものとみるべきではあるまいか。

 一審が認定した「一般読者の読み方」の中には、〈上記貸金が返済されないことについて、(山川は=筆者)知らん顔をしているあきれた人だ〉とする箇所がある。しかし記事1には「知らん顔をしているあきれた人だ」などとの文言は記載されていない。したがって、〈一般読者が本件記事1を原判決のように読むことはあり得ない。〉と山川は主張し、「一般読者の読み方」および名誉毀損の認定内容について見直しを求めている。

 記事1を読んだ読者が記事2を続けて読むという保証もない。この点からも、一審の認定は判断を誤っているといえるのではあるまいか。記事1と記事2を一括して判断しようとしたところにそもそもの間違いがあるように思えてならない。

「記事2」に対する「一般読者の読み方」

「記事2」には〈勝手は許さない〉、〈本山破門「ご本尊」放棄の政治集団化の先は、「詐師集団?」〉、〈新興宗教の衣を脱ぎ捨てた集団〉との見出しが付いている。これらの見出しについて山川は〈一般読者は、本件記事2の内容が「勝手な行為を繰り返している新興宗教の衣を脱ぎ捨てた『詐欺師集団』について」であると理解する。〉と主張している。

「記事2」の本文には、冒頭に、

〈1面に、公明党元市議らが仲介した創価学会信者らが、高額のお金を借り、そのまま返さないという詐欺まがいの行為を繰り返している事件を紹介しました……〉

 と記載しているから、一般読者は見出しの「詐欺師集団」が創価学会を指していることをすぐに理解することは明らかである。

 山川はその点を指摘した上で、一般読者は本文で山川について〈「塩田らが一般市民から1860万円を借りて返さないという詐欺まがいの行為について仲介のような役割を果たした山川元公明市議は、上記貸金が返済されないことについて、知らん顔をしているあきれた人物」と理解する。〉と、ここまでは一審の認定内容を認めている。しかし、「記事2」の本文だけを読めばそう読めるとしても、見出しの文言を考慮すると、読者は「記事2」どう読むのか。山川は次のように主張している。

〈本件見出し2(筆者注=「記事2」の見出し)〈勝手は許さない〉や〈詐欺師集団〉との文言、及び本件記事1の見出し1(筆者注=「記事1」の見出し)と写真から、本件記事2についてさらに「やはり山川は『詐欺師集団』の一員で詐欺まがいの行為を仲介したから、返済されなくても『知らん顔』をしているのだ」と理解する。あるいは、少なくともそのような疑いを持つことは明らかである。〉

 一般読者は1面から目を通すのが通常で、「記事2」を読んだ時点ですでに「記事1」を読んでいる可能性が高い。「記事1」を読んだ後に「記事2」を読んだ読者は、「記事1」の印象から逃れることは困難なのではあるまいか。山川は「記事2」についても、「一般読者の読み方」および名誉毀損の認定内容の見直しを求めている。

あり得ない事実誤認

 このほか、一審は「公共性・公益性」の判断において、「山川が本件新聞発行時において市議会議員だった」とする明らかな事実誤認を犯しており、その誤認に基づいて「公共性・公益性」を認定していた。よって山川は、一審の公共性と公益性があるとした判断は誤りであると主張している。

 附帯控訴状における山川の主張は以上だった。なお、附帯控訴において山川は損害賠償請求額を減縮し、慰謝料として50万円を請求している。

(つづく)
関連記事

TOP