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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第2回
事情聴取の日にビラを発行

「山川が詐欺事件に関与した」とする記事を提訴した裁判の控訴審は平成28年10月17日に結審した。1回で結審したその口頭弁論の状況をみるかぎり、山川にとって最悪でも一審判決が維持されるのではないかと予想された(実際には、山川の付帯控訴が認容され、矢野と朝木に対して一審よりも35万円の増額となる50万円の支払いが命じられた)。

 矢野と朝木はこの状況をどうみていたのだろうか。控訴状を提出した直後ならまだしも、その主張を山川から証拠をもって否定され、たった1回の口頭弁論で終結となった時点ではもう、逆転判決は難しいだろうというのが本音だったのではあるまいか。

 控訴審終了後に朝木が山川に対して「福祉の金を奪って大泥棒」などの暴言を浴びせた事実、また平成28年9月以降、多摩湖寿会における会計問題を追及している事実からみると、矢野と朝木は逆転判決に期待するというよりはむしろ、新たな材料によって山川に仕返しをする方向に切り替えていたとみるのが自然だったのかもしれない。実際に、山川が提訴して以後、矢野らがビラで「詐欺事件」に触れたことは1度もなかった。

結審の日から2週間後、矢野と朝木は自ら、新たな材料によって山川を攻撃する方針であることを明らかにした。矢野らは平成28年10月31日付で彼らの政治広報紙『東村山市民新聞』188号を発行したが、その紙面は大半が多摩湖寿会関連の記事で埋められており、「山川が多摩湖寿会の金を横領した」と断定していたのである。

結論の前にビラをまいた事情

 折しもこの平成28年10月31日は、平成28年9月議会で朝木が多摩湖寿会の会計問題について「再調査」を求めたことに基づき、東村山市が多摩湖寿会前会長と前会計の山川、それに現会長に対してヒアリングを行った日だった。9月議会で朝木に対して「再調査をする」と答弁した市は、12月議会で改めて答弁するために、約束どおり再調査をしようとしていたことがわかる。

 いうまでもなく、ヒアリングとは事情聴取のことであり、市が当事者に対してなんらかの結論を伝える場ではない。市は当事者、関係者から事情を聞いた上でなんらかの結論を出そうとしていた。つまり10月31日の時点で、市は朝木が求めた「再調査」を始めたばかりの段階であり、結論を出しているはずがなかった。ところが、「再調査」を求めたにもかかわらず、朝木も矢野も市の調査を無視し、自らの政治広報紙で「山川は多摩湖寿会の金を横領した」と断定したということだった。

 朝木も矢野もなぜ市の結論を待てなかったのだろう。1つには、市が結論を明らかにするとみられるのは12月議会における朝木の一般質問の日であり、その日程は11月下旬以降になる可能性があった。山川を「詐欺に関与」と断定した裁判の控訴審判決は12月7日である。「山川が横領した」とする記事によって控訴審判決の印象を薄め世間の目をそらすには判決より前に市内にばらまく必要があるが、12月議会を待っていたのでは間に合わない。

 朝木が市の結論を待たなかったのには、もっと大きな理由があったのではないかと思う。詳細は後述するが、実は朝木がこの「問題」を議会で取り上げる数カ月前、市側は現会長に対して「何の問題もない」とする見解を示しており、そのことを朝木が知らなかったわけではない。9月議会で朝木が取り上げた際にも市側の見解に変化はなかった。だから、朝木は市の「再調査」の結果について彼らの主張に沿うものとなることを期待しておらず、最初から12月議会を待つつもりはなかったとみるのが妥当なのかもしれない。

顔写真付きで「横領」と断定

 いずれにしても、9月議会における朝木の質問に対する市側の結論が示されていない段階で発行された『東村山市民新聞』第188号1面トップ記事の見出しは次のようなものだった。



(『東村山市民新聞』第188号1面トップ記事の見出し)

〈元公明市議が横領! 老人クラブから〉

〈市議四期、市議会副議長、市監査委員を担当した人物が〉

〈創価・元市議が4年間にわたり〉

〈一部返金するも「これは横領ではなく積立金だ」と開き直り〉



〈元公明市議が横領! 老人クラブから〉の見出しの真下には山川の顔写真が配置され、そのすぐ右隣から始まる本文の冒頭には〈市内多摩湖町に住む山川昌子・元公明市議〉とあるから、読者は見出しの「元公明市議」が山川を指していることを容易に知ることができる。つまり記事は、誰が読んでも、朝木らが「横領」したと主張する人物が誰なのかがすぐにわかるように、見出しと写真、本文冒頭部分の位置関係がうまく計算されたものである。

 しかも記事で使用した写真は、前回の記事では東村山創価文化会館だったのに対し、今回はモロに山川の顔写真を(無断)で使用しているところに、朝木と矢野の山川に対する怨念が前回にも増して深くなっていることをうかがわせた。山川の写真の下には〈元市議が老人クラブ会計から横領〉とのキャプションが付けられている。

前回の記事では山川はまだ「関与」にとどまっており、直接的な犯罪者としてまでは描かれていなかった。もちろん「関与」であっても十分に山川の社会的評価を低下させるものなのだが、今回、山川は「関与」ではなく「横領」をした当事者と断定されている。

「詐欺に関与」と書いた記事では、提訴された矢野らはほとんど一方的に敗色濃厚な状況にあった。その山川に対する怨念の深さと前回との位置付けの違いが写真の使い方にも表れているように思えた。

 朝木による2回の議会での質問に続き、矢野と朝木は彼らの主張を思いのままに発信する政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』で「山川が横領した」と断定するに至った。この経過をみるかぎり、矢野と朝木が新たな材料によって本格的に山川攻撃を再開させたとみるのが自然のようだった。

(つづく)
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