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多摩湖寿会事件 第5回
「横領」を前提とした質問

 平成28年9月議会で市に対して「多摩湖寿会の会計問題」を再調査するよう求めたにもかかわらず、矢野穂積と朝木直子はその結果を待たず、彼らの政治広報紙である『東村山市民新聞』第188号で「山川元市議が多摩湖寿会の金を横領した」と断定する記事を掲載した。東村山市健康福祉部が9月議会での答弁に基づいて、朝木に対する答弁を行ったのは平成28年11月30日に行われた平成28年12月議会の朝木の一般質問のときだった。

 それに先立ち、朝木と矢野は平成28年11月22日、次のような一般質問通告書を議長宛提出していた。その見出しは朝木が「1 社協の監査は適正に行われているか」、「2 元市議による多摩湖寿会での横領をいつまで隠ぺいするのか」の2本、矢野が「1 パワハラと市長らの責任」と「2 多摩湖寿会で発生した横領事件の責任」の2本である。朝木の質問の2項目を見れば、それらがいずれも『東村山市民新聞』第188号で取り上げたテーマそのものであることがわかる。

 朝木の通告書のうち、「1 社協の監査は適正に行われているか」ついては政治広報紙ですでに矢野が〈山川・元公明市議の横領に見て見ぬふりをした職員がいるのではないかとの疑惑が出ている〉と記載し、「読者の声」として〈なぜ元市議が担当した(不正な)会計が社協の監査を通ったのか〉と記載していた。しかし朝木の質問通告書には「社協の職員が横領を見て見ぬふりをした」とする趣旨の記載はなかった。朝木は質問通告書で、老人クラブの監査における社協の役割や責任など一般論的な質問の他に、〈(6)「監査」により不適正な会計は過去5年間に何件あったか、またその内容を伺う。〉〈(7)老人クラブ会計の「監査」が適正に行われていなかった場合、その責任の所在は。〉という具体的に踏み込んだ質問を記載していた。

 ここまではまだ少しは冷静さが保たれていたようにみえる。しかし、「2 元市議による多摩湖寿会での横領事件をいつまで隠ぺいするのか」に至っては、所管の答弁を待つ以前に「横領事件があった」と決め付けていて、なにかこの一般質問通告書の内容そのものによって市民に対し、彼らの主張を伝えようとしているような印象も受ける。この一般質問通告書は、一般質問よりも前に市議会のホームページで公開され、一般質問当日には傍聴者に貸し出されるのである。

 朝木が提出した一般質問通告書の「2 元市議による多摩湖寿会での横領事件をいつまで隠ぺいするのか」には3つの質問事項があった。

〈1.9月議会で指摘した元市議による多摩湖寿会で発覚した横領について、社協の対応はどのようであったか。〉

〈2.9月の決算委員会で、健康福祉部長は多摩湖寿会不正会計について「調査する」と答弁した。その後どのような調査をしたか。〉

〈3.今回のような横領事件を二度と起こさないための再発防止について伺う。〉

 の3項目である。これらの質問もまた「横領」の存在を前提とするものであることがわかろう。これを読んだ市民が、「多摩湖寿会では本当に『横領事件』があったのか」と受け取ったとしても不思議はない。さらに朝木は、上記〈3.今回のような横領事件を二度と起こさないための再発防止について伺う。〉の中で「横領」を前提とした次のような質問を通告していた。

〈(5)市に提出された平成24年度から平成27年度の「収支報告書」は虚偽であったことが明らかとなった。過失ではなく故意(悪意)であることも内容から明らかであるが、この事実について、市はどう対処するのか。〉

〈(6)虚偽の収支報告書を提出し、補助金(公金)を着服した元市議に対し、今後どのような措置を考えているか。刑事訴訟法第239条第2項もふまえ、市の見解を伺う。〉

 上記の「刑事訴訟法第239条第2項」とは、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」という規定である。朝木は平成28年9月議会で市に対して「再調査」を求めた上で、「これは横領の可能性が非常に高いですから、横領であった場合には、きちんと告発をしていただきたい」と主張していた。しかし、12月議会に向けた一般質問通告書では、市側の「再調査」の結果を待つことなく、「横領」を前提として市の対応を質していることがわかる。実質的には「告発すべき」という主張にほかならなかった。

「再調査」の結果、市が「横領」の事実を認定した時点で「告発すべき」と主張しても遅くはないと思うが、朝木にはそのような選択肢はないようだった。上記(5)と(6)の質問通告書の記載は市側に対する強い牽制でもあったのだろうか。

蜂屋議員が「解説」していた市民

「横領」を前提とした質問を通告していた朝木の一般質問が始まったのは平成28年11月30日午後2時ごろだった。東村山市議会の本会議場は改修工事に入っていて、その日は委員会室で行われていた。委員会室は扇形の本会議場と異なり、大きな会議室を2つつなげたほどの広さの長方形の部屋で、傍聴席から見て奥側に議員がこちら側を向いて座り、議員に向き合うかたちで答弁側の市長、副市長をはじめとする市の担当者が座っていた。議長席はちょうどテニスの審判のように、右に市側、左に議員側を見渡せる位置に設置してあった。

 傍聴席は市職員の背中側に座るかたちとなる。午後の休憩を挟み、私は傍聴席の最前列、一番奥の位置に座った。するとその直後、4、5名の女性たちが入ってきて、傍聴席のほぼ中央部の最前列と2列目に固まって座った。

 その中のリーダー的人物が、9月議会で朝木が一般質問を行った際にも数人で傍聴に来ていた市民のうちの1人であることがわかった。9月議会の際、彼らは朝木の質問が終わるとすぐに議場を出ていったが、まだ本会議中だというのに、自民党の蜂屋健次がわざわざ議場を抜け出して彼らのところにやってきて、「(多摩湖寿会の問題は)今後は市がどう対応するかですね」などと市議会議員らしく「解説」していたという。

 蜂屋の地盤が多摩湖町であること、市議会議員の蜂屋が本会議中にもかかわらず議場から出てきて今後の見通しを話していたこと、蜂屋の発言から彼らが朝木の質問に強い関心を持っていたとみられること等からすると、彼らはたんに朝木の質問に関心を持っていただけでなく、多摩湖寿会の関係者、それもかなり重要な立場にある人たちなのではないかと推測された。もちろん多摩湖寿会の関係者なら当事者だから、朝木の質問に関心を持つのは当然である。

 平成28年11月30日午後、傍聴席の中央付近に固まって座ったのも9月議会のときと同じ市民たちだった。

(つづく)
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