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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第7回
「横領」を前提とした質問

 平成28年11月30日に行われた朝木直子の一般質問は、朝木が「社会福祉協議会は虚偽の報告をしています」と一方的に主張したあと、次の質問に移った。その冒頭、朝木は質問のテーマについてこう述べた。

朝木  本題に入りますけれども、「元市議による多摩湖寿会での横領をいつまで隠蔽するのか」というようなことで伺います。

 すでに「元市議が多摩湖寿会で横領という犯罪を犯した」とする事実が存在することを前提にした質問であることがわかる。それを市が隠蔽したとすれば、市もまた共犯ということになるが、何を「伺う」というのか。朝木はまずこう聞いた。

朝木  9月議会で指摘した元市議による多摩湖寿会で発覚した横領について、社協の対応はどのようであったのか、(1)8月17日(筆者注=平成28年)に社協で多摩湖寿会の前年度役員、現年度役員及び市老連、高齢介護課職員、第三者の立会人にて協議した内容を伺います。また元会計から返金された42万4500円についてはどのように処理をするのか伺います。

 朝木が「元市議による多摩湖寿会で発覚した横領」と主張する出来事について、朝木が平成28年9月議会の一般質問で説明した「事件の概要」をあらためて紹介しておこう。



(朝木が説明した「事件の概要」)

 今年の6月17日、当市の補助対象団体であります、補助金の交付対象団体であります老人クラブ、多摩湖寿会にて2012年(平成24年)度から2015年(平成27年)度会計における不正処理が発覚。今年度の会長をはじめとする役員による調査の結果、経費の二重計上、会費、祝い金等の未納入などにより、4年間で合計42万4500円の不足金があることがわかった。

 平成24年度から27年度は、通常2人で受け持つ会計業務を1人の人物が受け持っていたため、その前会計に連絡をし、7月1日に多摩湖ふれあいセンターにて役員が問い質したところ、寿会の会計から上記方法により42万4500円を抜き取ったことを認め、同日にこの42万4500円を返金した。



 このうち、「経費の二重計上、会費、祝い金等の未納入」があり寿会の会計帳簿に収入として記載されていなかったこと、つまり本来は寿会の会計帳簿に計上されるべきであるにもかかわらず計上されていない金があり、前会計の山川は寿会会長に対し42万4500円を返金した――上記の朝木による経過説明のうち、ここまでは事実である。ただし、朝木が続く説明の中で〈この前会計は、「私は今年(筆者注=平成28年)の寿会50周年記念事業のためにお金を積み立ててあげていただけで、横領ではない」と言い張り〉と説明しているとおり、山川はその42万4500円について「抜き取った」(=「盗んだ」、あるいは「横領した」)ものではないと主張している。

 すると、山川の主張を前提とすれば、「山川は寿会50周年記念事業のために簿外で積み立てていた42万4500円を会長に返金した」ということになる。会計担当として、簿外で積み立てたという行為が不適切な行為であることは間違いない。しかし、朝木の主張するようにこの行為を「横領」とまで断定していいのかどうか。

「金銭的解決」を意味する誓約書

 さて、山川が寿会会長に42万4500円を返金したあとの経過は、朝木の説明によれば、以下のとおりだった。



(「返金」後の行政の見解=朝木の説明)

 多摩湖寿会は、平成24年度から27年度の会計において不正があったこと、及び返金されたこの42万4500円の処理について市老連に相談をしたところ、市老連は……返金された42万4500円については、行政に返金があり得るので、手をつけないでほしい」と、現寿会会長に伝えた。その際、過年度の会計について、……行政も社協もなんら問題なしとの認識を持っており、元会計についても……お咎めはなしという趣旨のことも、寿会会長に伝えた。

筆者注=平成28年8月17日になり、市老連の見解は)「寿会と前会計で話し合い、示談書を作成し、示談してほしい」とのことであった。……(筆者注=同日、寿会会長と山川は)誓約書を作成し、本人も署名、押印した。



 この「誓約書」とは「示談書」と題された文書ではないものの、「誓約書」には「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言が入っている。したがって、内容的には示談書と同等のものと理解していいのではあるまいか。

刑事告訴の可能性

 しかし、この経過説明の終わりに朝木は次のように説明した。

〈8月の25日に、寿会は前会計を呼び、正式な示談について話し合いを持ったが、この前会計は、「私は今年の寿会50周年記念事業のためにお金を積み立ててあげていただけで、横領ではない」と言い張り、「横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない」という示談は成立しなかった〉

 その前に、山川は42万4500円を寿会会長に返金し、寿会会長との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との「誓約書」を交わしている。朝木はそのことを認めた上で、「(その後に)正式な示談について話し合いを持ったが、……『横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない』という示談は成立しなかった」と述べているのである。

 難解な話だが、朝木は「誓約書」を交わしたことは認めるが、その上でさらに山川は寿会会長との間で「『横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない』という示談をすべきだと主張しているようだった。寿会会長も当然、同じ考えなのだろう。山川に「横領」を認めさせたいということなのだろうか。

「横領」とは「他人から委託されて預かっているものを自己の利益のために使ってしまう(処分する)こと」である。したがって、山川がした行為を「横領」といえば、「山川は寿会会員から預かっている金銭を自己利益のために使ってしまった」という意味であることになる。すると、「誓約書」を交わした後に「山川が横領した」と主張することは、「誓約書」にある「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言に反することになるのではあるまいか。

 朝木は、「『横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない』という示談は成立していない」という。しかし、そもそも「誓約書」を交わした上で、「横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない」という示談があり得るのだろうかという疑問もある。いずれにしても朝木が平成28年9月以降、寿会会長と山川が「誓約書」を交わした事実およびその内容を知った上でなお、「山川は寿会の金を横領した」と主張していることだけは確かだった。

 なお朝木は、「横領を認め、謝罪すれば刑事告訴はしない」という示談は成立していないというのだが、現在のところ、寿会会長や朝木が山川を告訴・告発したという情報は届いていない。

(つづく)
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