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多摩湖寿会事件 第9回
原本ではなくコピーを提出

 平成28年12月議会の一般質問で朝木が次に聞いたのは、同年9月議会で健康福祉部長が多摩湖寿会の会計問題を「再調査する」と答弁したことに対し、どのような調査をしたのかという点だった。健康福祉部長の答弁によれば、その後の「再調査」の経過は以下のとおりである。



(「再調査」の経過=健康福祉部長による)

平成28年9月30日……市老連より多摩湖寿会に対し、文書で、平成24年度から平成27年度の会計帳簿類の提出を依頼。
10月7日……多摩湖寿会が会計帳簿類を提出。ただし、これらは原本ではなくすべてコピーだった。
10月31日……市老連と社協が、現役員(寿会会長ら)および旧役員(山川および寿会前会長)に対するヒアリングを実施。市は寿会会長に対して、過去の会計に不適切な項目があると認識するのであれば、実績の修正報告をするように指示。提出の締め切りを同年11月7日とした。
11月7日……寿会会長より市老連に対し、「補助金実績報告等の再提出は行わない」との連絡。
11月8日……市老連、社協が、会計状況の確認作業の過程で二重に計上されている経費と推測された項目について旧会計(山川)から再度ヒアリングを実施。
11月10日……寿会会長が市老連に対し、修正報告を行わない理由を示した書面と、会員の証言等の資料を提出。



 上記の経過の中で寿会会長が行った対応の中で、通常では考えにくいと思われる対応が2つあった。1つは、市老連が会計帳簿類の提出を依頼したのに対して寿会会長が提出したのが原本ではなくコピーだったこと。もう1点は、寿会会長が「過去の会計に不適切な項目がある」と指摘したため、市が実績の修正報告をするよう指示したのに対して、寿会会長が「修正報告はしない」と回答したことである。

 この「再調査」は9月議会における朝木の質問がきっかけで行われることにとなったものである。朝木は寿会会長から入手した会計帳簿類の資料と寿会会長からのものと思われる情報に基づいて質問したことが明らかだった。朝木の一般質問での主張は、すべてではないにしてもおおむね寿会会長の考えと一致しているものと推測できた。この「再調査」にしても、朝木と同様に、寿会会長も望んでいたのではあるまいか。

「再調査」にあたり、市が寿会会長に対して会計帳簿の提出を依頼したのは当然である。会計帳簿を再調査しなければ「再調査」とはならない。「再調査」の結果、市がいかなる結論を出すにせよ、会計帳簿はその根拠となる最も重要な書類である。その重要な書類を、寿会会長が提出したのが原本ではなく、なぜコピーだったのか、その点がまず不可解だった。

 寿会会長が提出した会計帳簿がコピーだからといってただちに真正性に疑義が生じるといっているのではない。しかし、市が原本の提出を求めたにもかかわらず、寿会会長はなぜコピーしか提出しなかったのだろうか。

修正報告の提出を拒否

 もう1つの、市が実績の修正報告をするよう指示したが、寿会会長が「修正報告はしない」と回答したことについては、朝木が次のような質問をして、市が寿会会長に対して修正報告をするよう指示したことを批判している。

朝木  ……(筆者注=寿会会長に修正報告を)再提出を求める理由として、「ヒアリングにおいて二重計上等の不適切な会計処理がなされていることが聴取できたため」とあるんですよ。……調査の結果、その提出した側(筆者注=寿会会長)に再提出を求めるんであれば、こことここと、この部分が不適正、二重計上であるので、……修正の再提出をしてくださいというのが通常のやり方ではないですか。……これでは再提出をしろといっても、どの部分が不適切であったのかが何も示されていないので、これでは出しようがないという(筆者注=寿会会長の)話だったんですよ。

「市はすでに調査した結果として再提出を求めているのだから、修正箇所を指摘すべきだが、それを指摘しないので提出できない」というのが寿会会長の主張だという。それが事実だとすれば、そのように市側に伝えればいいと思うが、健康福祉部長の経過説明の中には、寿会会長から「補助金実績報告等の再提出は行わない」との連絡があったとあるのみで、寿会会長からなんらかの相談があったとの報告はない。少なくとも、寿会会長が市に対して補助金実績報告等の再提出をしない理由について、健康福祉部長が答弁した内容と、寿会会長の話として朝木が主張した内容には齟齬があるように思える。

 その事実関係はともかく、朝木の上記質問に対して健康福祉部長は次のように答弁した。

健康福祉部長  ……現役員さんから過去の会計処理についてご相談をいただき、一定、現役員さんのサイドで会計処理について不適切な部分があるということで項目を挙げてのご指摘をいただいております。それにつきまして、すべての書類を提出いただいた中で、事務局として確認作業をしていただき、実際に補助対象として不適切と思われるものが発見をされるという中で、再度ご提出をいただく中で返還額の確定をさせていただければというのが事務局の考え方でございます。ただし、……裏付けの足りない部分等に関して完全に整合が取りきれない部分があったので、逆に再度提出していただくことで、そのへんの確定作業ができればというふうに考えていたわけですが、……結果として、(筆者注=お出しいただいた会計帳簿類のコピーに基づき)今回の最終的な判断をさせていただいたところです。

 所管としては、寿会から再度修正報告を出してもらって、返還額の確定をしようとしていたということで、所管の対応がそれほどおかしいとは思えない。所管は寿会会長が「補助金実績報告等の再提出は行わない」という回答をしてきたため、所管の側で返還額の「最終的な判断をした」ということのようだった。この対応もまた、特段不自然なものであるとは思えない。

 健康福祉部長の答弁からは、寿会会長が「補助金実績報告等の再提出は行わない」と回答したのに対して所管が具体的にどのような対応、あるいは提案をしたのかはわからない。しかし、寿会会長の側で市側の方針に歩み寄る意思があれば、あえて再提出を拒むほどの理由が市側にあったとは思えなかった。むしろ、寿会会長が市側の指示に従って補助金実績報告等を再提出すれば、ことはよりスムーズに運んだのではないかという気がしてならなかった。

(つづく)
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