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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第12回
「詐欺行為」と断定

「百条委員会でも作ってよ」という朝木の筋違いの主張を聞いたあと、市側も落ち着いたのか、入浴料に関する朝木に主張に対して、所管はこう答弁した。

健康福祉部長  入浴料そのものは単なる親睦会等の会員同士の親睦を目的とした行事に関わる支出で、補助対象外経費として最初から扱っておりますので、ヒアリングの中では聴取しておりません。以上です。

 市としては、補助金の対象ではないから市が関知する部分ではなく、寿会内部の問題ということである。だから、市は関知しないものについて調査する必要はないし、答弁する立場にもないということだった。

 それでも朝木はさらに語気を強めて、次のように追及した。

朝木  補助対象経費として計上されてたでしょう。それが嘘だったわけですよ。詐欺行為っていうんですよ、こういうの。あたかも支出されたと見せかけて、1万円を計上して、市に報告書を上げた。……それなのにずいぶんのんきな話だなというふうにいってるんですよ。

 朝木からすれば、入浴料の問題について所管が一任意団体内の問題として片づけようとしているとみえたのだろうか。語気だけでなく、山川が入浴料として1万円を計上していたことについて今度は「詐欺行為」とまで断定したのである。

 朝木の口から「詐欺」という言葉を聞くと、平成27年に朝木らが発行する『東村山市民新聞』で山川に対して「詐欺事件に関与した」と記載して50万円の支払いを命じられたことを思い出すが、今回の場合は「詐欺に関与」ではなく、山川が「詐欺」行為を行ったと断定していた。朝木としては、『東村山市民新聞』の記事で山川に敗訴し、プライドをへし折られた思いが心中深くにくすぶっていたのではあるまいか。

「詐欺に関与」の記事では確かな根拠を示すことができなかった。しかしこの「入浴料」に関しては、施設からもらったという「入浴止め」と書かれた確かな「証拠」がある。今度は間違いないという自信が、「詐欺行為っていうんですよ、こういうの」という強気の発言につながったのかもしれない。

しかし朝木はこの質問にあたり、「寿会の現役員が調査に行ったら」と前置きしているとおり、自分では調査を行っていないことが明らかだった。「詐欺に関与」の記事の根拠が伝聞だったように、今回の「入浴料」についても、「入浴止め」のコピーをもらった施設側の説明は伝聞にすぎない。

一般に議員の議会質問の自由は尊重されなければならないとはいえ、朝木の上記の発言は一般市民を犯罪者と断定するものにほかならない。仮に「入浴の事実はない」とする朝木の主張が十分な根拠に基づくものではなく、事実に反するものだった場合、そのような発言まで議会での発言として尊重されるべきだろうか。

「山川の懐に行っている」と断定した傍聴者

 さて、朝木は「入浴料」について「詐欺行為」と断定したあと、補助金の返還額がどうなったかを聞いた。健康福祉部が再調査を行った結果、修正された返還額は以下のとおりだった。



(健康福祉部が再調査の結果、確定させた返還額)

平成24年度 16万8566円
平成25年度 4万766円
平成26年度 12万1954円
平成27年度 12万1643円

返還額合計  49万768円



 健康福祉部長が上記の返還額を答弁すると、すかさず傍聴席から声が上がった。

「彼女から返してもらえばいいのよ。みんな山川さんの懐に行ってるから、全部返してもらえばいい」

 さきほど「横領の証拠を全市に配れ」といった傍聴者と同じ声だった。周囲に固まって座っていた3、4名の傍聴者が「そうですね」と同意の声を上げた。「山川さん」と名指ししたこと、固まって座っている傍聴者の中でもリーダー的存在であるようにみえることなどから察するに、最初に声を上げたこの人物は寿会の現会長であると推測できた。

 この人物は、「横領の証拠を全市に配れ」といい、東村山市が算定した返還額のすべてが「山川の懐に行っている」すなわち、「山川が横領した」と主張していたことになる。よく通る声だから、傍聴席はもちろん傍聴者の前に座っている東村山市職員全員の耳に届いたことは間違いなかった。しかし、そういうことならなぜこの寿会会長は、健康福祉部が実績報告等の再提出を求めても応じなかったのか。

また、朝木の説明によれば、平成28年7月の時点で山川は不適切な会計処理があったとして寿会に対して42万4500円を返金している(横領を認めたわけではない)。寿会会長は、その42万5000円とは無関係に、市が確定させた返還額49万768円のすべてを「山川が払えばいい」といっているのだろうか。

明らかになった最終目的

 返還額を確認した朝木は、さらに次のように聞いた。

朝木  そうすると、不適正計上の中には、いわゆる不正計上ね、さっきいったように実際には支出されていないのに、たとえば領収書を偽造したりとか、実際に支出していないものを支出したとみせかけて計上したもの、それからお酒とかね、実際にはお祝い金とか補助対象経費ではないものを乗せてしまった、その2種類あると思うんです。
 で、不正計上については当然、お金がなくなっているわけですから、その部分は間違いなく横領なんですよね。で、市に、この点について刑事訴訟法の239条の第2項、……これについてはどういうふうに考えようと思ってますか?

 朝木がここでいう「領収書を偽造したりとか、実際に支出していないものを支出したとみせかけて計上したもの」のうち、「領収書の偽造」については初めて出てきた事実だった。根拠は明らかではないものの、朝木は「山川は『領収書の偽造』までしていた」と主張していた。「偽造された領収書」があるというのならそれもこの場で公開すればよかったと思うが、この日の質問で公開したのは「入浴止め」と記載された入浴施設のコピーだけだった。

 その上で、朝木が持ち出したのが刑事訴訟法239条の第2項(筆者注=「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とする規定)だった。要するに、「東村山市は山川の横領を告発すべきだ」とする主張にほかならない。市に告発させることが朝木の最終目的だったということのようだった。

(つづく)
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