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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第18回
納得しなかった朝木

 市長が「告発の考えはない」と答弁したことで、朝木の質問はがぜん「市は公金が盗まれている状態を見逃す方針である」とする主張を前提とした、より独断的なものとなった。「公金が盗まれた」とする朝木の主張に対し、市長は「告発はしない」との判断に至った経緯について改めて次のように詳細な説明を行った。朝木を納得させるには、たんに「告発はしない」という結論を述べるだけでは不十分と判断したものと思われた。

市長  二重計上はあってですね、それからあと補助対象経費とすべき(でない?)経費が混在した会計処理があったことは確認をさせていただいて、さきほど部長から答弁をさせていただいたように、補助対象経費以外のところに支出されていた公金については、今後返還をお願いせざるを得ないという判断をいたしているところでございます。

 でまた、そのことが、前会計さんが犯罪を構成するのかどうか、ここは確かにさきほど刑事訴訟法の第239条2項、これについてもいろいろ庁内で議論をし、ただ学説的にはいろんな見解があってですね、なんともいえないところがありますので、しかしながら、われわれとしては、もし、元議員といえ、一般の市民を訴えるということについてはかなり慎重を期さなければならないというふうに考えております。

 われわれがこれまで明確な公金横領として刑事告発したケースは、本人が横領を認めたケースだけでありますので、それに照らしても、ご本人の証言からは明確な横領、詐欺があったとまで断言は現時点ではできないと、そのように考えております。

 市長の答弁に対して、朝木は「本人は『積み立てていた』といってるけれども、健康福祉部長は『不正な手段で盗ったお金を積立金としては認めない』っていってるじゃないですか」と食い下がった。健康福祉部長が「山川は『不正な手段で(寿会の金を)盗った』」と答弁したとした上で朝木は、「明確な横領とまでは断定できない」とした市長の答弁は健康福祉部長の答弁と整合しないと主張したのである。

 健康福祉部長は「簿外の積立金は認められない」と当然の一般論を述べたにすぎず、「山川は『不正な手段で(寿会の金を)盗った』などと答弁した事実はない。したがって、健康福祉部長の答弁内容と市長の答弁はまったく別の論旨であって、異なる論旨のものを整合させようとする方が無理があろう。朝木はとにかく、「告発はしない」とした市長の答弁が容認できなかったということだろう。

 簿外の積立金などというものが、いわゆる会計行為として認められるものでないのは当然だろう。不適切な会計行為であることは間違いない。そのことは山川も認めていて反省もしている。ただし、「着服する意図があったのではない」と山川は説明している。

 着服、横領とは、いずれも他人の金を自分のものにすることである。すると、「山川は寿会の金を横領した」と主張するのであれば、朝木は「簿外の積立金は認められない」と主張するだけではなく、それを山川が「自分のものにした」ことを具体的に主張しなければならないのではあるまいか。それをしないのであれば、朝木はことさらに、山川が「不適切な会計処理をした」と主張しているにすぎないということにならないだろうか。

 健康福祉部長の答弁との整合性を質された市長は、「告発はしない」とする結論に至った経緯を改めて説明した。するとこれに対して朝木はこう発言した。

朝木  市長の仲のいい方ですもんね。以上。

 最後の一言をあえて解読すれば、「市長は山川と仲がいいから告発しないのだ」という趣旨ということになろうか。しかしもちろんこれは茶飲み話、それも低レベルの茶飲み話の部類の話にすぎず、とうてい議会で発言すべきものとはいえない。言い換えれば、「告発しない」とする市長の考えを変えさせるだけの確かな根拠を示せないことに対する苛立ちでもあったのだろうか。

 いずれにしても、上記の捨てぜりふによって、休憩を含めて3時間にも及ぼうとする朝木の一般質問はようやく終わったのである。

立ちふさがった朝木

 ところが、朝木の一般質問における追及は終わったが、市長に対する追及にはまだ続きがあったこれから先は東村山市議会の議事録には出ていない。

 朝木の発言時間が終了し、議長はただちに30分間の休憩を告げた。議員や市の職員たちはすぐに席を立って、委員会室を出て行った。市長も最後に委員会室後方の傍聴者入り口の方へ向かった。そのときだった。委員会室前部の議員出入り口から外に出ていた朝木が後方の入り口から入ってきて、すっと市長の前に立ちふさがった。

 朝木は市長に「告発すべきだ」と詰め寄っていた。こんな会話が聞こえてきた。

市長  (「なぜ告発しないんですか」という朝木の抗議に対して)横領しましたとはいっていないんですよ、だって。

朝木
  だからね、それをいってんの、積立金だって……。

 ここで朝木が市長に対して主張したのは、山川が簿外で積み立てていたというのは虚偽で、それは横領されたものだということのようだった。

 朝木は、山川が積み立てだと説明していること自体は認めているということである。簿外の積み立てが不適切な行為であることは否定できない。しかし、それがただちに横領であると断定し公言するのであれば、朝木は山川がその積み立て金分の金を私的に使い込んだことを具体的に立証する必要があるのではあるまいか。

(つづく)
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