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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第26回
一方的に「着服」と主張

 平成29年3月議会で朝木が次に質問したのが、朝木らが「山川の横領の根拠」と考えているらしい事実についてだった。同年2月27日付答弁書で〈事実関係、証拠資料を確認・精査したうえ〉と記載しているとおり、その質問によって「事実関係」の裏付けを取ろうとしたものとみえた。

 もちろん、これから質問しようとしているにもかかわらず、質問通告書に〈多摩湖寿会で発生した元市議による横領事件について〉と、「横領」の事実を断定していることは質問内容と矛盾する。朝木の内心では、答弁のいかんにかかわらず、「横領した」という結論に変わりはないのだろう。

 まず聞いたのは、東村山市健康福祉部のヒアリングで、山川が「市に実績報告を提出する期限が迫る中、各サークルから領収書が提出されて来ず、やむなく他の領収書を使用してしまった」と話している点についてである。山川はヒアリングでさらに、「他の領収書で一時的に代替えして、後日差し替えようとした、その後適切な領収書への差し替えや、実績報告書の訂正などの対応ができなかったため、結果として二重に計上された経費として残ってしまった」と説明している。

この点について朝木は、「意識的に虚偽の報告をした」ということであり、「別の領収書を貼って出すこと自体が不正行為なのではないか」と主張した。これについて山川は「不適切な会計処理」だったことを認めている。しかし、朝木は次のように主張した。

朝木 「不適切」じゃなくて「不正」っていうんですよ、そういうのは。で、結果的に、結果的にね、その領収書を、別の領収書を、支出していない領収書を貼ったことによって、その分のお金は浮いたわけでしょ。で、その浮いたお金をずっと持ってたわけじゃないですか。言われるまで持ってたわけでしょ。こういうのを着服っていうんですよ、社会では。

「別のサークルの領収書」を正規の領収書として貼ったとしても、それは正規の領収書の代替なのだから「お金が浮く」ということにはならない。朝木は山川が「その浮いたお金をずっと持ってた」と主張するが、朝木はその証拠を提示できるのだろうか。

議会では提示する必要がなくても、法廷ではその証拠の提出を求められることになろう。当然、提出できない場合には、朝木は相応の責任を取らねばならない。

 その他、朝木は「二重計上のうち、レシートと領収書両方もらって、全く別の経費として二重計上していた件、また幟旗を前年度の控えを用いて購入していない幟旗を購入した件、また飲食費のレシートを文房具セットとして計上した件」(朝木の発言)について質問したが、いずれも「着服の根拠」といえるような答弁を得ることはできなかった。「着服」と断定し、またそのような答弁をさせたいのなら、自らその根拠を示して質問すべきなのではあるまいか。

 ここまでの質問で、朝木が答弁書に記載した〈事実関係、証拠資料を確認・精査〉する目的を果たすことができなかったのは確かなように思われた。ただ、ここまでの質問は平成28年に行った質問の蒸し返しのようなものであり、朝木とすれば、この日の市側の答弁もある程度は想定していたのではあるまいか。また質問される側としても、事前に質問通告がなされていたこともあって、それほど答弁に困るようなものではなかったようにみえた。

 しかし、この日の朝木の本当の目的はこれから行う質問にあったようにみえる。山川から提訴された裁判に直接関わる内容であるのみならず、健康福祉部を少なからず動揺させるものだったのである。

「裁判の証拠」を問題視

 その質問は一般質問通告書には一言も記載されていなかった。朝木はあえて、この質問をいきなりぶつけることで自分たちに有利な答弁を引き出そうとしたものとみえた。朝木は1枚のファックスを示してこう聞いた。

朝木  では伺います。部長、私も大変驚きましたけれども、このファックスのことはご存知ですか? ここにあるのは平成、昨年の12月7日付で東村山市保健福祉部から元会計担当者へ送信されたファックスの写しです。送信元、東村山市保健福祉部、送信者は担当係長、時間は勤務時間である16時21分。件名「領収書の写しの送付」、送付書には、「平素大変お世話になっております。さて、平成25年度日帰り研修入浴料の領収書が貼ってあったと想定される部分の写しを送付いたします。白紙の部分は提出された状況から白紙でした。こちらでは加工しておりません」。こういうコメント付きで、2枚目、2枚目は領収書の写しのコピー、これは誰の決裁でこういうことをしたんですか? 冗談じゃないですよ。

 少なくともこの発言からは、健康福祉部から山川に対してこのファックスが送られたことに朝木がたいそう怒っていることが伝わってくる。そのファックスを朝木がなぜ持っているのかというと、山川が提訴の際に「横領はしていない」ことを証明する証拠として提出していたからである。

 朝木は平成28年12月議会における一般質問で、施設側から入手した「入浴止め」と書かれた記録のコピーを掲げ、「この日に、施設の風呂は工事中で入浴することは不可能だった。山川は入浴した事実がないにもかかわらず1万円を計上して、着服した。もちろん領収書もない」と、この件を山川が「多摩湖寿会の金を横領したこと」の根拠の1つとして主張していた。朝木の質問に驚いた山川は「入浴の事実はあり、領収書ももらったはず」として、事実を確認するために、健康福祉部に対して領収書綴りの領収書が貼ってあったと思われるページをファックスで送ってくれるよう要請したのだった。

その領収書綴りは、再調査を求めていた寿会会長が東村山市に提出していたものである(コピーだが)。入浴料の領収書が「貼ってあった」と山川が主張する箇所には「№44」の数字があり、「貼ってあった領収書がなくなった」ようにみえる空白(スペース)があった。しかも、市の担当者は「こちらでは加工しておりません」と記載していた。

山川は訴状で、領収書綴りのこのページは確かに「入浴料の領収書が貼ってあった証拠」であり、加工したのが何者かはわからないが、多摩湖寿会会長の清水は会計帳簿類を原状のまま保管する義務を怠ったと主張していた。朝木にとっては不利な証拠であることは確かだった。

朝木は一般質問の最初の方で、「入浴料は補助対象外経費で、市が関知するものではない」とする答弁を引き出していた。朝木とすれば、言質を取ったつもりなのだろう。すると、朝木の理屈の中では、担当者が「入浴料」に関する資料を山川に送った行為は私的な行為となり、違法だといいたかったのだろう。

「勤務時間内に送った」といっているのも、「勤務時間内であるにもかかわらず私的なファックスを市の予算で送信した」違法な行為であるとする含みのようだった。その上で、朝木は「これは誰の決済なのか」と詰め寄ったのである。

この件については質問通告書には一言も記載されておらず、担当者が山川にファックスを送っていたこと自体を健康福祉部長は初耳だったようにみえた。健康福祉部長がすぐには答弁できそうになかったため、議長は休憩を告げた。

傍聴席には多摩湖寿会会長の清水澄江をはじめ、清水の主張に疑いを抱いていないとみえる多くの高齢者が訪れていた。くわしい事情がわからない市民には、朝木に追及された所管が、あたかも誠実な仕事をしなかったために答弁に窮し、立ち往生している状況のようにみえていたのかもしれなかった。

(つづく)
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