ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

多摩湖寿会事件 第27回
自信満々の反論

 多摩湖寿会会長が東村山市に対して再調査のために提出した会計帳簿類の一部である領収書綴りの1ページが担当者から山川にファックスで送付されたことを、朝木は山川が裁判所に証拠として提出したことによって知り、担当者はいかなる正当な理由があってこの文書を山川に送ったのかを質した。健康福祉部長はその事情を知らなかったため、担当者に確認を求めたようだった。

 かなりの時間が経過したのち、ようやく議会は再開となった。担当者に事情を確認した健康福祉部長は次のように答弁した。

健康福祉部長  元会計の方から平成25年度の日帰り研修入浴料の領収書について、当方に提出された領収書、帳簿類の内容を確認したいとの申し出があって、当方としては、返還金についての説明会に出席していただきたいとの思いがあったことから、ファックスにて送付したものでございます。

 本会議場で「入浴した事実がないにもかかわらず1万円を支出したことにして着服した」といわれた本人が、帳簿類を確認したいと担当者に申し出たこと、担当者がそれに応じたことに何の問題があると朝木はいうのだろうか。そもそも、「入浴した事実がないにもかかわらず1万円を支出したことにして着服した」と議場で発言したのは朝木であり、朝木がそのような主張をしなければ、山川が帳簿類の確認を要請することもなかったのである。

 しかし朝木は、健康福祉部長の答弁に対してかなり自信たっぷりにこう反論したのである。

朝木  この領収書の綴りについてですが、おそらくこの元会計かその関係者だと思われますけれども、先日、情報公開請求がありました。それに対して多摩湖寿会の会計帳簿関連文書は非公開の決定がされてます、市の方で。非公開文書です、これは。で、こういう非公開文書の写しがなぜファックスで元会計担当者に送付されているのか。

 また送付書での「領収書が貼ってあったと想定される」というコメントについて、これは初めから領収書が貼付されていなかったことを契機にしてこの問題が発覚したわけであるのに、なぜ貼ってあったと想定したのか、そして「こちらでは加工しておりません」というコメントはどういう意味なのか。

 入浴料は補助金事業対象外、ヒアリングの対象外であるということでありますから、このやり取りは完全なわたくし的、私的やり取りであり、職務外であるのは明らかでありますが、この係長は勤務時間中に役所のファックスを使って元会計担当者にアングラでこのような非公開文書を漏洩していたわけです。で、この元会計担当者とどのようなやり取りをしていたのかご説明いただきたい。またこの領収書綴りの写しにある複数の印影もマスキングすることもなくそのままファックスされています。市で非公開とされているこの文書が漏洩してることについて、当市情報公開条例、個人情報保護条例、公務員法、それぞれに照らして納得の行く説明を求めます。非公開文書です、これ。

 担当者が山川に対してファックスを送付した行為そのものに関して、上記の発言には2つの論点がある。1つは「情報公開請求」という手続きの中で「非公開」となった文書であること。2つ目は、ヒアリングの対象外だったこと、つまり公的正確を持つものではないということ――である。

 このうち、まず2つ目の論拠について、朝木は「入浴料は補助対象外経費だから、多摩湖寿会の私的経費」であり、したがって入浴料に関する資料を送付した行為もまた私的行為であると主張している。しかしそうだろうか。「入浴料」が私的経費であるというのなら、そもそも市議会の一般質問で取り上げる必要もなかろう。仮に「入浴料」の問題を一般質問で取り上げることに正当性があったとしても、市議会本会議場で発言された問題はすでに私的な問題ではなくなっている。すると、担当者が山川に関連箇所をファックスで送信した行為が私的行為であるとはいえないことになろう。「(担当者が)アングラでこのような非公開文書を漏洩」したというのも、担当者に対して非常に失礼な発言というほかない。

不十分なものとなった答弁

 しかし市側としては、ここで朝木が主張している「情報公開請求手続きで非公開となった文書」という点に関して、それでもなお担当者が山川にファックス送信した行為が正当な行為であることについて答弁したとはいえなかった。朝木はすかさず「全然答弁になってないじゃないですか」と不満を述べた。ここで議会は再び中断となった。総務部長は情報公開の担当部署に朝木のいう「非公開文書」であるとはどういうことなのか、事実確認をしたようだった。

しばらくして答弁に立った総務部長は、以下のような趣旨の答弁を行った。

「会計簿が非公開となったのは『裁判になっているから』という理由で多摩湖寿会側が非公開を求めたためであり、担当者が元会計にファックスをした時点ではまだ裁判にはなっていなかった。また、その内容は元会計自身が作成したものであり、伏せる必要性がなかった。『非公開文書』であるという点については、ファックス送信した領収書綴りの一部は非公開となった会計簿には含まれていない」

 この答弁は、担当者が山川に対して領収書綴りの一部をファックス送信したことの正当性および、情報公開請求で会計簿が「非公開情報」となったこととは無関係であることを十分に説明するものとは言い難かった。健康福祉部長も総務部長も、一般質問の最中に時間をもらっただけでは、事実経過とその意味合いを正しく把握するのは難しかったのだろう。

結果として、この答弁は、むしろ朝木を勢いづかせた。ここまでを見る限り、担当者が領収書綴りの1ページを山川にファックス送信したことについて一般質問通告書に記載しなかった朝木の狙いが功を奏した――という流れであるように思えた。

(つづく)
関連記事

TOP