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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第28回
的を射た反論

「担当者が元会計にファックスをした時点ではまだ裁判にはなっていなかった」、「ファックス送信した領収書綴りの一部は非公開となった会計簿には含まれていない」とする総務部長の答弁に対し、朝木はすぐにこう反論した。

朝木  ……会計帳簿と領収書は別物だといいますけれども、領収書の綴りというのは、……会計帳簿の添付書類です。会計帳簿に添えて出すものですから、会計帳簿がダメだったら、添付書類だって一緒、同一のものだっていう扱いをするのは当たり前じゃないですか。

 それから、……その時点で照会したら、そのときの事情はわかってないですよ、照会してないんだから。それはあなたの勝手な解釈であって、行政側の。それはまったく答弁というか、合理的な理由にならないと思います。再度説明を願います。

 朝木は「領収書の綴りは会計帳簿と一体のものである」、「担当者はファックス送信してもいいかどうか所有者である多摩湖寿会に確認を取っていない」と主張しているようだった。このうち「領収書の綴りは会計帳簿と一体」とする主張は、この一般質問の中で唯一、正当と評価できるもののように思われた。総務部長としても、この主張に関しては認めざるを得なかった。

 さらに朝木は座ったまま「なんで情報公開通してないんですか」と抗議し、こう発言を続けた。

朝木  (領収書綴りは元)会計のものじゃないでしょう。寿会のものでしょ、これは。勝手な判断で出していいわけないじゃないですか。寿会の持ち物ですからね、これは。

 もちろんこれは、東村山市議会規則で定められた正式の「質疑」ではない。不規則発言である。このところ体調が思わしくないせいか、朝木の隣でおとなしくやりとりを聞いていた矢野も朝木の不規則発言につられて、こんな当たり前のことを口にした。

矢野  山川の個人の文書じゃないだろ。

 一連のやりとりになんら影響を与えるものではないが、矢野も参加したかったというところだろうか。矢野も一応被告であることに違いはない。

理解しがたい主張

 もちろん担当者が山川にファックス送信した領収書綴りは山川のものではない。しかしこの領収書綴りは、多摩湖寿会の清水会長と朝木が再調査を要求し、そのために清水が、コピーではあるものの、自ら再調査のための資料として市に提出していたものである。

 市はこの資料に基づき山川に対するヒアリングを行うなどの再調査を行ったが、その際に「入浴料1万円の領収書がない」という話は出てこなかった。朝木が議会で「入浴しておらず、領収書もないにもかかわらず、1万円を支出したとして着服した」などと発言した結果、確認する必要が生じたのである。

「入浴しておらず、領収書もないにもかかわらず、1万円を支出したとして着服した」といわれれば、「着服した」といわれた本人が反論の必要があると考えるのは当然のことだろう。間違いなく「入浴料の領収書」を貼付したはずの領収書綴りを、貼付した本人が確認しようとすることに何の問題があるのだろうか。よく理解できない主張というほかなかった。

傍聴席から抗議した寿会会長

 朝木、矢野の不規則発言が続き、議場内には市側の答弁に対する不満が当然と思わせるような空気が広がっていたように思う。するとその雰囲気に乗せられたのか、今度は、傍聴席の多摩湖寿会会長の清水澄江が突然こう発言したのである。

清水  領収書を提出いたしました。思いもよりませんでした。あくまでも、会計監査のために、会計監査で出した書類ですので、このようなことが行われるとは夢にも思っておりませんでした。

 どうみても、傍聴人の立場を逸脱した傍若無人の行為である。議長は顔をゆがめて発言を制止したが、議長が制止しなければ、清水はまだ不満を述べ立てていただろう。

 清水は「このようなことが行われるとは夢にも思っておりませんでした」という。「このようなこと」とはいうまでもなく、所管が山川に対して領収書綴りの問題とされるページをファックス送信し、それを「領収書が存在した」証拠として裁判所に提出されたことを意味するのだろう。

「着服した」「横領した」といわれている側が、その根拠であるという書類の送付を求め、身の潔白を主張するためにそれを裁判所に提出することに何の問題があるというのだろうか。しかも、そもそも再調査を要求したのは清水自身である。「着服」したというのなら、堂々とその根拠を相手方に提示すべきだろう。またそれが「着服」の証拠であるというのなら、清水は裁判所で堂々とそう主張すればいいだけの話なのではあるまいか。

 ただ、議場の状況は朝木の質問に市側が一方的にやり込められた形だった。質問通告にもなくいきなり行われた質問で、担当者がファックス送信した状況と「情報公開で非公開となった情報である」という、健康福祉部と総務部という2つの所管にまたがる状況をどう整理すべきか、市側も短時間で結論を出すことはできなかった。再び議会は中断し、議会運営協議会を開いて対応を協議することとなった。

 再開を待つ間、寿会会長の清水は傍聴席のあちこちを巡り、訪れた高齢者たちに「山川がどのような方法で寿会の金を着服したか」を説明して回っていた。そのせいもあってか、傍聴席ではやはり「山川が着服したというのは事実であり、市が朝木の質問に答えられないのは市側にやましいところがあるからだ」とする趣旨の感想が飛び交っていた。

それは、正しい事実認識だったのだろうか。しかし、人の口に戸は立てられないのは恐ろしい事実だった。

 議運で協議した結果、朝木の質問に対する答弁はいったん保留とし、3月議会の最終日に行われることとなった。

(つづく)
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