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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第29回
「入浴料」は公的問題化

 山川が東村山市議の朝木直子と多摩湖寿会会長清水澄江を提訴した際、証拠の1つとして提出した領収書綴りのファックス(山川が「入浴料1万円の領収書を貼ってあった」と主張しているページ)をめぐり、朝木はその書類が情報公開請求手続きの中で非公開とされた文書であるとして、市の担当者がその文書を所有者である清水の了解を得ることなく山川にファックス送信したことは重大な問題であると主張し、市側は事実経過及び担当者の行為に問題があったかなかったかについて日を改めて答弁することになった。通常、一般質問は1人当たりおおむね1時間程度で答弁まですべて終わることを考えると、別の日に答弁を持ち越すというのは異例の出来事である。

 さて事実経過を確認しておくと、朝木が「山川は入浴の事実がないにもかかわらず1万円を支出したとして着服した」とする一般質問通告書を提出したのは平成28年11月22日で、一般質問を行ったのは平成28年11月30日である。この時点までに朝木は、寿会の会計問題について東村山市に対してさまざまに疑義を唱え、答弁を求めていた。

 清水と朝木が多摩湖寿会の会計に対する再調査を要求したことに基づいて市が山川らに対するヒアリングを行ったのは平成28年10月31日と同年11月8日だが、ヒアリングの中では「入浴料」の件はなんら聴かれていない。しかし、ヒアリング終了後に朝木が新たな「問題点」を指摘したことで、市としても新たな調査、確認事項が生じていたという状況であることは明らかである。

そもそも市は、「入浴料」については補助対象外であると認識していたため、ヒアリングにおける聴取対象ではないと判断していた。しかし、朝木が議会で取り上げたため、本来は多摩湖寿会内部の問題であるはずの「入浴料」の問題は、多摩湖寿会の内部問題ではすまなくなったといえるのではあるまいか。

朝木の主張を「裏付ける」証拠

朝木の一般質問に驚いた山川が「領収書は領収書綴りに貼ってあるはずだ」として確認のために領収書綴りの当該ページをファックスで送ってくれるよう東村山市健康福祉部の担当者(係長)に依頼し、担当者が山川にファックスを送信したのは平成28年12月7日である。

「架空の入浴料を計上して1万円を着服した」と断定された山川が、自分が作成した領収書綴りの確認を市に求めたとしてもそれは当然で、市としては朝木の質問によって新たな調査項目が追加されたわけだから、山川の要求に応じて事実確認をしてもらおうと考えたのも自然な対応である。朝木は依然として「山川は横領した」と主張しているのだから、担当者の行為は朝木と清水が要求した調査の一環ということになる。

調査を要求していた朝木が、資料に基づいて事実確認しようとした担当者の行為をなぜこれほど責めるのか、むしろその方が不可解というべきではあるまいか。ただ一方的に「架空の入浴料を計上して1万円を着服した」と主張するだけで裏付けがなければ、その主張は客観的な事実とは認められない。担当者が領収書綴りの1ページを山川に提示し、事実を確認しようとしたことを、朝木はむしろ評価すべきだったのではあるまいか。

しかも、担当者が山川にファックス送信した領収書綴りには「入浴料」の領収書が貼付されておらず、その経緯は別にして、朝木の「入浴料の領収書はない」という主張を裏付けている。だったら別に、領収書綴りのそのページを送信したからといって目くじらを立てる必要はなかったのではなかろうか。

気に障った担当者の「証言」

朝木としては、ファックス送信されたそのページこそ、「入浴の事実がなかった証拠だ」と主張すればいいように思える。しかし山川は訴状で、「領収書のないそのページは、何者かによって剥ぎ取られたものだ」と主張している。そのページの状態は、領収書の「№44」という数字と、あたかも帳簿の「№44」(入浴料)に対応した領収書が剥がされた跡であると推測できるスペースがある。

山川の反論がなければ、「入浴料」の領収書が貼られていない領収書綴りは朝木の主張を裏付ける証拠となったかもしれない。しかし、そのページにある空白部分が、領収書が剥がされた跡であること、つまり当初は「入浴料」の領収書が貼られていたことを示すものであるということになれば、山川の主張を裏付けるものとなり、朝木の主張が誤りであることを裏付ける証拠となる。朝木は「領収書」が最初は貼られていた可能性を示しているそのページのスペースと「№44」という記載から、それが自分たちの主張を破綻させる可能性を持っていると直感したのだろうか。

さらに朝木の気に障ったのは、担当者がファックスを送信するに際して領収書綴りにあるスペースについて次のように記載していたことである。

「平成25年度の日帰り入浴料の領収書が貼ってあったと想定される部分の写しを送付いたします。白紙の部分は提出された状況から白紙でした。こちらでは加工しておりません」

 あたかも「加工」されたことを前提にしていると読めないことはない。「加工」されたとすれば、それは誰か。少なくとも担当者は「こちらでは加工しておりません」と証言している。

 この「入浴料」が計上された平成25年度の決算は社会福祉協議会の監査を受けており、その際には「入浴料の領収書がない」とは指摘されていない。したがって、「入浴料」の領収書は、その時点では存在したとみるのが自然である。

監査を終了した会計書類は5年間の保存義務がある。監査終了と同時に会計書類はそのままの状態で保存され、誰も手に取ることはなかったし、当時の会計を担当していた山川が「入浴料」の領収書を剥ぎ取る理由もない。山川は平成28年に役員を退任した際、「入浴料」の領収書を貼付した領収書綴りを多摩湖寿会の新会長、清水澄江にそのまま引き継いだのである。

会計書類を清水に引き継いだ時点で、監査の際に存在した「入浴料」の領収書は領収書綴りの中に間違いなく存在したはずである。ところが市の担当者がコピーを受け取った時点で、「入浴料」の領収書はなくなっていた。すると、「入浴料」の領収書が領収書綴りからなくなったのは、清水が会計書類を引き継いでから市の担当者に提出するまでの間ということになる。

「こちらでは加工しておりません」という担当者の証言は、上記のようなきわめて重要な事実関係を意味していた。そのことを朝木がいつ知ったのかは定かではない。しかし、領収書ナンバーだけが残り、空白となった領収書綴りの意味が、担当者の証言によってより鮮明になったと朝木は感じたのではあるまいか。

 担当者が山川からファックスを依頼された時点で寿会会長の了承を得るべきだったと朝木は主張している。しかし、朝木が疑義を提示し、山川が「そんなことはない」として確認を求めた結果、市には新たな調査の必要が生じたのであり、担当者が山川に領収書綴りをファックス送信した行為は同年10月から11月にかけて行った再調査の一環とみなすことができよう。寿会会長は再調査のために過去の帳簿類のコピーを市に提出しており、担当者はその一部をファックスで送信したにすぎない。したがって、「寿会会長の了承を得ていない」とする朝木の主張は筋が通らないとみるのが妥当というべきではあるまいか。

(つづく)
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