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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第30回
却下された監査請求

 担当者が「入浴料」の領収書が「貼ってあったと想定される」として当該箇所の領収書綴りを山川にファックスで送付したことについて、朝木は「多摩湖寿会会長の了承を得ていない」というだけでなく、情報公開請求手続きの中で「非公開」の決定がなされたなどの理由で違法な行為であると主張している。朝木の主張だけを聞くと、この主張には筋が通っているように聞こえる。事実はどうなのだろうか。

 この情報公開請求を行ったのは山川である。平成29年1月30日、山川は清水や朝木に対する訴状を提出したあと、朝木と矢野が提出した監査請求に関して情報公開請求を行った。朝木と矢野は今回の多摩湖寿会の会計問題に関し、監査請求を提出すると議会などで公言していた。それがどのようなものなのか、事実を確認しておく必要があると考えたのである。

 監査請求の内容は、「山川は東村山市が多摩湖寿会に支出した補助金の一部を詐取した。よって東村山市は山川に対して返還させなければならない」というものである。なお、監査委員による監査結果は、「補助金は会計個人に対してではなく多摩湖寿会に対して交付したものだから、違法もしくは不当な公金の支出、財務会計上の行為には該当しない」とし、住民監査請求の要件を欠くという理由で監査自体が行われなかった(いわゆる「却下」ということである)。

 朝木は監査請求にあたり、証明資料として多摩湖寿会の金銭出納帳を提出していた。清水が提供したのだろう。この金銭出納帳は多摩湖寿会のものであるため、東村山市はこれを請求者に公開していいかどうか清水に確認を求めた。これに対して清水が公開を拒否したため、平成29年2月16日、金銭出納帳については「非公開」の決定がなされたのである。つまり金銭出納帳が「非公開」となったのは、情報公開制度に基づく手続きの中での決定なのだということがわかる。

それぞれ独立した行政行為

 一方、健康福祉部の担当者が山川に領収書綴りの1ページをファックス送信したのは、平成28年12月7日のことである。そのきっかけは、朝木が12月議会で「山川は、入浴した事実がないにもかかわらず架空の入浴料1万円を計上し、着服した」と主張したことにあった。

それまでに山川に対して行っていたヒアリングの時点ではまったく出ていなかった話だった。新たな問題が生じたため、山川は担当者に対して領収書綴りの当該箇所を送ってくれるよう依頼し、担当者はその依頼に応じた。

自ら「架空の入浴料1万円を計上し、着服した」と主張していながら、その当事者に対して根拠を示さないというのはアンフェアである。したがって、ここまでの経過は、清水と朝木が再調査を要求したことを発端として健康福祉部が行っていた再調査の延長線上、一環とみることができる。

つまり、再調査の一環として山川の依頼に応じて担当者がファックスを送信した行為と、山川が申請した情報公開請求で金銭出納帳が「非公開」となったこと――この2つはまったく関連性のない独立した行政行為であり、それが正当なものであったか否かについてはそれぞれの事情や経過を法令に照らして判断しなければならない。ところが朝木は、山川が申請した情報公開請求で金銭出納帳が「非公開」の決定がされたことをもって、再調査を目的に担当者が山川に対してファックス送信した行為が不当であると主張している。

まったく別の行政行為を同次元のものとして論じることで、担当者の行為を違法と主張しているにすぎないことがわかろう。しかも質問の際、朝木はそれぞれの行政行為の経緯や事情など詳細な説明はしていない。朝木はただ、情報公開請求手続きで非公開の決定がされたものだから、担当者が山川にファックス送信した行為は違法だと主張したのである。朝木が自らの主張を正当なものと考えていたとすれば、市議会議員としてかなりの浅慮というほかない。

質問通告書に記載していない上に、いきなり「情報公開請求手続きで非公開の決定がなされたものを、担当者は所有者に無断で山川にファックスを送った。この行為は違法だ」と主張されたのでは、答弁する側が混乱したのもやむを得まい。

混乱させることが目的

質問通告書に記載していれば、それぞれの所管が事前に調査し、それぞれの行為がまったく異なる経緯で行われた別の行政行為であることが判明し、わざわざ答弁が2日間にまたがるような事態にはならなかったにちがいない。朝木が質問通告書に記載しなかったのは、行政を混乱に陥れ、それに乗じて、担当者が山川に対して領収書綴りの一部をファックス送信した行為が少なくとも不適切なものだったと市側に認めさせることが目的だったのではないかという気がする。

そうでなければ、こんな複雑な話を事前に質問通告書に記載しない理由はなかろう。最初から記載していればよかったのである。

では朝木にとって、「担当者が山川にファックス送信した行為を不当なものだった」と市に認めさせたとして、そのことにどんな意味があったのだろうか。刑事事件では、違法に収集された証拠は証拠として認められない。民事ではそのような例はないが、それでも一応、山川が「入浴料1万円の領収書が貼られていたと推測される」ものとして証拠提出した領収書綴りの1ページは、「非公開決定がなされていたにもかかわらず、担当者が山川に違法に送信したものだから、正当な証拠とは認められない」と主張することはできる。

その結果、裁判官がファックスを証拠として提出することを認めたとしても、山川にとって不利な心証を持ってしまう可能性がないとはいえない。朝木は法廷でこの証拠が「違法な行政行為によって提出されたものである」と主張することが目的だったのではあるまいか。

(つづく)
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