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多摩湖寿会事件 第31回
「再調査の一環」

「健康福祉部の担当者が山川に対して多摩湖寿会の領収書綴りの1ページをファックス送信した行為は、業務時間中に行われた私的な行為であり、また情報公開請求手続きにおいて『非公開』とされた情報を送信したもので、違法な行政行為である」(趣旨)

 平成29年3月3日、朝木直子は一般質問でこう主張した。一般質問に際して事前に提出した一般質問通告書には上記の内容はいっさい記載されていなかった。答弁する側としてはいきなり聞かれたため、答弁することができなかった。東村山市議会は協議の結果、3月定例会最終日に改めて答弁から再開することとなった。

 平成28年3月28日、議会最終日の冒頭、まず健康福祉部長が答弁に立った。

健康福祉部長   ……帳簿等のうち、疑義のある部分、領収書が添付されていない部分等について調査・確認する中で、当該入浴料領収書の添付について元会計担当者の認識と市に出されている領収書綴りの写しに相違がございました。確認資料である領収書に関する相違であることから、市に出されている領収書綴りの写しでは当該領収書が添付されていないという事実をご確認いただいたものであり、補助金精査にかかる調査確認業務の一環での行為でございます。

 担当者が山川にファックスを送信した行為について、健康福祉部長は朝木が要求した再調査の一環であると述べた。

「情報公開制度とは別次元の行為」と結論

 健康福祉部長に続いて、今度は情報公開請求手続きを所管する総務部長が答弁に立った。「情報公開請求手続きにおいて非公開の決定がなされた資料を、情報公開請求における手続きを経ないまま、健康福祉部の担当者が所有者である多摩湖寿会の同意なしに公開したことは違法な行政行為だ」と朝木は主張していた。総務部長の見解はどうだったのか。総務部長はまず「情報公開手続き」と担当者が山川にファックス送信した行為の関係について答えた。

総務部長   ……今回の領収書の提示は、補助金精査にかかる調査を進める過程で必要が生じたため、調査当事者に対して情報を提示したものでございます。

  そこで情報公開制度でございますが、市民に広く市の活動内容を説明し、市政に関する理解と信頼を深めるという目的の下で、請求者を限定せず、公開を求める理由も問わず、原則非公開情報以外は公開するというものでございまして、今回の調査とは制度の目的や公開対象の範囲が異なります。このためすべて同じ取り扱いになるものではございません。

  総務部長は最初に「情報公開制度が市民一般に対する情報開示の制度であって、行政の内部的調査にも同じ制度が適用されるわけではない」と、情報公開制度の基本的な考え方を述べた。きわめて当然の話と思うが、それを朝木は、これまで同次元で論じてきたのである。その上で、総務部長は今回の担当者の行為について説明を行った。

総務部長  寿会から提出された領収書は、任意団体でございます寿会の内部情報でございまして、無関係の第三者に任意で提供できる情報ではございません。しかしながら今回は、補助金精査にかかる会計書類の疑義につきまして、当事者である元関係担当者に調査を行う過程におきまして、入浴料の領収書の有無に関し、当事者の提出したという認識と実際市の手元にある領収書の綴りにはその領収書がないという事実に違いがございましたため、事実を提示する目的で領収書綴りの当該部分をファックスしたものでございました。無関係の第三者に任意で提供したものではございません。

 ここで総務部長は、担当者が山川にファックス送信した行為が情報公開制度に基づくものではないこと、山川は調査の当事者であって「無関係の第三者」ではないこと、山川の認識と領収書綴りには齟齬があったため、事実を提示する目的だった――と説明している。

 またこの再調査について総務部長は、多摩湖寿会の会長をはじめ役員が再調査を望んでいたことを改めて明らかにし、再調査のためには調査の当事者である山川に帳簿類を提示することが必要であり、会長らは再調査を申し出た時点で帳簿類が山川の目に触れることを認識していたはずだと述べた。その上で総務部長は、情報公開制度との関わりについて次のように結論付けた。

総務部長  これらの状況から、調査を進める過程で必要となった情報提供でありまして、情報公開請求に基づき公開したものではありませんことから、情報公開条例には関わらないと、このような認識を持っております。

 朝木が主張した、「担当者が山川に対して情報公開手続きで非公開となった情報をファックス送信したのは違法」とする主張は当たらないという趣旨であると理解できた。当然の結論というべきだろう。

「秘密の漏洩」も否定

  朝木は「地方公務員法の守秘義務」という観点からも担当者の行為を問題視していた。この点についてはどうか。

総務部長  ……(担当者の行為は)補助金精査に関して会計書類の疑義を調査する過程で必要となった情報提供でございまして、調査の当事者ゆえに情報を提示したものでございます。またファックスに記載されていたのは、当事者が元会計担当者としてご自身でとりまとめた領収書の一部の写しでございまして、すでに本人が目にしていた情報でございます。当事者が知らない新たな寿会の内部情報を提供したものではございません。……

  また「守秘義務」につきましては、地方公務員法第34条では「職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」と規定されておりますが、……今回の元会計担当者へのファックス送付は……元会計担当者の記憶と実際提出された書類の状況が一致しているか否かの事実確認としての調査対象への情報提供でございますため、秘密の開示には該当せず、守秘義務違反および情報漏洩には当たらないと認識しているところでございます。

  再調査にあたっては、調査の当事者である山川に対して具体的な資料を提示しなければならない。担当者が山川にファックス送信した行為は資料を具体的に提示したにすぎず、これを「情報漏洩だ」などというのはいいがかりというほかあるまい。

  朝木の主張を否定した健康福祉部長の答弁も総務部長の答弁も、論理的かつ合理的なものだったのではあるまいか。

  いずれの答弁も、そもそも最初から質問通告書に記載していれば、朝木の当初の一般質問の日である3月3日までに事実確認を終え、答弁できたはずの内容にほかならない。ところが総務部長の答弁を聞き終えた朝木が開口一番に言い放ったのは耳を疑うような自己中心的な一言だった。朝木はこういったのである。

朝木  1カ月近くも待たされて、しょうもない答弁でがっかりしてます。

 朝木には、「1カ月近く待たされた」のはそもそも自分の責任であることがわからないようだった。しかも「質問通告書に記載しないで申し訳なかった」の一言どころか「しょうもない答弁」と切り捨てるとは、とうていまともな議員の発言とは思えなかった。

(つづく)
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