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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第37回
「大泥棒」発言を否認
 
朝木と矢野のその他の訴因に対する認否の紹介を続けよう。



(「請求原因」に対する認否2)

⑦前の事件(『東村山市民新聞』に「山川は詐欺事件に関与した」とする記事を掲載して50万円の支払いを命じられた事件)において提出した陳述書の記載(朝木)

〈訴訟当事者であった原告の供述の信用性に関わるものであり、「裁判とは無関係で主張する必要の全くない事実」ではない。同陳述書の提出により原告の社会的評価が著しく低下したことはない。〉

⑧裁判所の廊下でした発言(朝木)

〈「福祉の金を奪って大泥棒だな、大泥棒、大泥棒」などと連呼した事実はない。〉

〈この件について原告の主張と整合する陳述書を提出し、原告と協力関係にある訴外千葉英司及び訴外宇留嶋瑞郎は、長年被告朝木を敵対視し、同被告に対する民事訴訟や刑事告訴・告発を繰り返してきた人物であり、同人らの供述は到底信用出来ない。〉

⑨平成28年11月22日に提出した一般質問通告書における記載(矢野)

〈「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした」旨の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所は特定されておらず、これにより原告の社会的評価が低下するものではない。〉

⑩『東村山市民新聞』の記事(朝木及び矢野)

〈(「原告が多摩湖寿会の金を横領した」「入浴したとして着服」「福祉募金を盗んだ」等との記載)事実は概ね認め、原告の社会的評価が著しく低下したことは不知。〉

⑪『東村山市民新聞』における肖像権侵害(朝木及び矢野)

〈原告は平成23年4月まで16年間にわたり東村山市議会議員を務めた者であり、選挙ポスターや市議会だより等に公人として広く写真を掲載してきた。現在も、東村山市文化協会のホームページに会長として写真が掲載されており、写真の公表により肖像権が侵害されるものではない。〉

⑫平成28年11月30日の一般質問終了後、被告清水とともに「山川は多摩湖寿会の金を横領した」とする趣旨の会話を交わしたこと(朝木及び清水)

〈被告清水と被告朝木は、この日の市の答弁について納得がいくものではない旨の私的な会話をしたという範囲で認め、その余は否認。〉

〈原告の主張と整合する陳述書を提出する訴外宇留嶋の供述は信用出来ない。〉



「山川は多摩湖寿会の金を横領した」との事実について、朝木と矢野が最も力を入れた議会質問関係においてはおおむね「元市議会議員が多摩湖寿会の会計から横領をした旨(あるいは、そのような「疑惑」がある旨)の事実を摘示したという範囲で認めるが、被告朝木は原告の氏名や住所は特定していないから名誉毀損ではない」と主張している(①~⑥及び⑨)。また適示事実に関する原告の主張を認めた場合にも、名誉毀損の成立については否認していることがわかる。

 その上で朝木と矢野は、「原告については、多摩湖寿会における公金横領を疑うに足りる十分な事情、根拠がある」と主張していた。

 なお「名指しをしていないから名誉毀損にはならない」という主張については、前後の文言等からそれが誰かを容易に特定できる場合には名指ししたことになるという判例もある。 

 朝木は質問等で「多摩湖寿会で起きた事件であること」、「平成24年から27年まで会計を務めていたこと」、「元市議会議員であること」を特定しているから、少なくとも多摩湖寿会の会員が聞けば、それが誰のことを指しているのか、すぐに理解できるのではあるまいか。名誉毀損が成立するのは「不特定多数に対して発信された場合」だが、多摩湖寿会の会員もりっぱな「不特定多数」であることに違いはない。また、それを聞いた人が少なくても、聞いた人を介してその情報が拡散される可能性が認められれば、それもやはり「不特定多数」とみなされるケースがある。

議会発言の保障範囲

 質問通告書の記載を含む議会での質問について、朝木と矢野はもう1点、重要な主張をしていた。国会議員には国会での発言について自由な言論を保障するために免責特権が認められている。地方議会議員については免責特権に関する明文規定はないが、国会議員に対する考え方と同じ理由から、地方議員の発言に関しても損害賠償責任を否定した判例がある。朝木と矢野は、上記の条文や判例に基づき、議会質問に関する原告の主張を否定していた。

 地方議会の議員の議会での発言についても自由な言論が保障されるべきであるというのはわかる。ただ本件の場合、提訴までに同種の発言が3回に及んでいること、所管する部署や東村山市が「横領があった」とは断定していないこと、朝木はその事実を認識した上で「横領」と断定していること、たんに「横領をした」と主張しているだけでなく、「入浴料」や「福祉募金」など客観資料によって証明が可能な具体的事例を挙げていることなどの点を裁判所はどう判断するのか。

 仮に「入浴料」や「福祉募金」について朝木が確かな根拠もなく「横領した」と断定したとすれば、山川が具体的な反証を行い、裁判所がそれを事実と認定した場合、その部分について別の判断がなされる可能性もないとはいえないではあるまいか。 

(つづく)
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