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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第39回
「不適切な処理」と「横領」の間

 議会での発言等に関する朝木らの主張の紹介を続けよう(以下、朝木らの主張はいずれも趣旨)。



(3)地方議会議員による正当業務行為

 民主主義と地方自治という憲法の基本理念に照らし、地方議会を構成する議員には可能な限り自由な言論が保障されるべきである。地方議会の議員はその発言によって結果的に個別の市民の名誉が侵害されたとしても、ただちに当該議員がその職務上の法的義務に違背したということはできない。

 同年(筆者注=平成28年)11月30日の東村山市議会定例会一般質問において、市側から「多摩湖寿会の会計において補助金の返還命令に至るような不適切な状態があった」、「前会計(原告)は、経費の二重計上を認めている」旨の答弁がなされた。二重計上が意図的になされたことは明らかであったこと等から、被告朝木はこれ刑法上の横領罪に該当する行為であることを指摘し、東村山市の財政の健全化を図ろうとしたものである。したがって、被告朝木および矢野の各行為は不法行為を構成するものではない。



 また朝木と矢野は、議会質問等が公益目的に出たものであると主張している。

 では、肝心な真実性・相当性についてはどうだろうか。



(4)真実性・相当性

①不正な会計処理を示す客観的根拠資料が存在すること、②原告が多摩湖寿会における唯一の会計担当者であったこと、③原告自身、二重計上を認めていること、④市も不適切な会計処理との認識を抱いていること、⑤原告が多摩湖寿会に42万4500円を返還したこと、⑥原告の弁解が不合理であること。



 朝木らは上記の6項目を理由に「山川は寿会の金を横領した」とする主張には理由があると主張している。なお、上記の朝木らの主張のうち、「真実性・相当性」の⑥について、山川は「会計に不適切な処理があったことは認めるが、それは多摩湖寿会50周年記念事業の費用の一部として充当するためで、現金で保管していた。もとより横領・着服の意思はなく、またそのような事実もない」と主張している。

 山川は朝木らが問題とする会計処理に「不適切」な点があったことを認めている。しかし、「不適切」だったことと、「横領・着服」はまったく別次元の話なのではあるまいか。

「犯罪行為」と断定

 朝木らが次に主張したのは市議会だよりにおける記載についてである。



(朝木らの主張)

②ひがしむらやま市議会だよりへの掲載

(1)地方議会議員による正当業務行為

 ひがしむらやま市議会だよりは、東村山市議会議長を発行責任者として、議長が議員の中から委嘱した委員によって構成される東村山市議会広報広聴委員会によって編集・発行されるものである。被告朝木は上記規定及び運用に従い、平成28年9月7日に開催された東村山市議会定例会一般質問における質問及び答弁の一部をまとめた原稿を作成したにすぎない。かかる行為は正当な職務行為だから、原告に対する不法行為を構成しない。

(2)社会的評価の低下

 ひがしむらやま市議会だよりにおいて原告の氏名や住所は特定されておらず、このような記載によって原告の社会的評価が低下するものではない。

(3)真実性・相当性

議会での発言等と同様に、真実性・相当性の法理が妥当する。



 朝木が原稿を作成し、市議会だよりに掲載された記事には次のような記載がある。

「公金横領の調査はしたか?」

「多摩湖寿会における当市元副議長による不正会計に対し、公金横領が強く疑われるにもかかわらず」

「不正に抜き取られた金員」

「犯罪行為に目をつぶるようなものだ」

 これらの記載はどうみても「多摩湖寿会の金を横領した」と断定しているように思えるが、会計処理に不適切な点があったとして、それがどんな理由によって「横領した」ことになるのか、朝木の主張は不十分であるように思えてならない。

ビラを「公的なもの」と主張

 議会での発言等とは異なり、「山川」の名前を特定し、「横領した」と断定した『東村山市民新聞』第188号の記事(「認否」の項の⑩)についてはどんな主張をしているのだろう か。

 山川が問題としている記載は以下のとおりである(一部)。

「元公明市議が横領! 老人クラブから」

「創価・公明市議が4年間にわたり」

「元市議が老人クラブから横領」

「山川昌子・元公明市議が、……会予算の2割以上を横領していた。」

「老人クラブ(「多摩湖寿会」)を舞台に山川昌子・公明党元市議が前代未聞の横領事件を惹き起こしたが、本人は未だに、これを否定するかのような態度をみせている。」

「研修旅行先で会員20人が入浴したとして入浴料1万円が研修費(公費)として計上されていることにも驚きますが、調査の結果、入浴したとされている日はその入浴施設は改修工事中で、『入浴の事実自体があり得ない』ことも明らかになっています。」

「会員から集めた『福祉募金』も行方不明になっている……」

「山川元市議の私的な飲食費と思われる経費が多くみられます。」

 原告が名誉毀損であると主張するこれらの記載について、朝木らは次のように主張していた。



③『東村山市民新聞』第188号への記載

(朝木らの主張)

(1)被告朝木及び被告矢野は、地方議会議員として、その議員活動を紹介する目的で同新聞を発行し、行政や地域の問題等について市民に情報報提供を行っているところ、……これは、被告朝木及び被告矢野による上記新聞の発行は正当な業務行為として不法行為を構成しないと考えるべきである。

(2)上記行為が仮に正当業務行為として違法性が阻却されない場合においても、上記の通り本件には真実性の法理ないし真実相当性の法理が妥当する。

『東村山市民新聞』が「正当業務行為」であるとは、この政治宣伝ビラが公的な性格を持つものであるという主張だろうか。いうまでもなく、『東村山市民新聞』が東村山市議会と何らかの関係があるなどあるはずもなく、したがって、その発行が議員としての「正当業務行為」であることはあり得ない。朝木らが「山川は詐欺事件に関与した」とデマ記事を掲載した件では、東京高裁が同ビラについて「(朝木らの)政治活動の状況を地元有権者に伝えることを目的とした政治広報紙」であると認定している。またこれまでのあまたの裁判で、さすがの矢野も朝木でさえ、このビラが「公的なもの」であるなどと主張したことは1度もない

 すると、『東村山市民新聞』の記事をめぐる争点は真実性・相当性ということになろうが、ここで朝木らがその根拠として主張しているのは、「二重計上があったこと」「不適切な会計処理があったことを認めていること」など、「議会質問」の項における主張と同じだった。しかし、『東村山市民新聞』には「入浴もしていないのに入浴したとしてその1万円を着服した」、「福祉募金を盗んだ」(いずれも趣旨)という具体的な事例も適示されているから、当然、その点に関する立証も必要となるのではあるまいか。

(つづく)
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