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多摩湖寿会事件 第53回
福祉募金に関する一般質問

 平成29年12月1日、朝木は健康福祉部長に対し、山川が行った会計処理について「監査が甘かったという以外の問題はないとふうな認識でいいんでしょうか」と聞き、健康福祉部長に「少なくとも現状ではそういう風に認識をしております」と予定通りの答弁をさせた上で、質問通告をしていない福祉募金の件について切り出した。以下はその質疑である。



(福祉募金に関する山川の説明についての朝木の質疑)

朝木  それでは伺いますが、この元会計は、公の文書に記載してあることでありますけれども、福祉募金の横領がありました。どういうことが起きたかというと、会員から集めた福祉募金を、会計帳簿には入金せず、集めたその金額をね、会計帳簿には入金せず、出金だけ、支出だけした、ということで、集めたお金が簿外に置かれて、それを自分が持っていたというふうなことになってます。わかりますよね。

 で、この集めた募金が結局、会計帳簿には入金しないで、支出だけ、会計帳簿から支出すれば、当然、簿外にお金が置かれるわけですが、この指摘に対して、この元会計担当者は、これは市の担当者が、こういう指導をしたというふうにはっきりと、市の担当者の指導によるものだというふうに言い始めているんですけれども、これはもし本当だとしたら、大変な事態だと思うんですけれども、こういうことを、こういう指導はあったんでしょうか、なかったんでしょうか。

健康福祉部長  少なくとも私が知る限りでは、そういった指導はないものと思っております。

朝木  ないものと思っているというよりも、この間ずっと調査をしているわけですから、こういう指導があった、要するに、募金を集めたと、集めた募金は帳簿に入金の記載をしてはいけないというふうに市の担当者から指導があったそうです。なので、支出だけを書いたと。

 私、全く信じてるわけじゃありませんけどね。普通でいえば、あり得ない話だと思ってますが、当市の監査委員まで務めた方がそのようにおっしゃっているのでね、だからこれは市の担当者の指導によるものだというふうに言い始めてるんですよ。なので、この点はちょっとしっかりと答弁をしていただきたいと思うんですが、間違いないですか。

健康福祉部長  市の担当者が指導したことはないということです。以上です。

朝木  元会計担当者の書面です、裁判所に出した。で、寿会の会員の方から、

「募金の入金について『会計簿に入金の記載がないのに出金の記載があることは問題だ』と言っています。確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので記載しなかった」

 ――こういうふうに書いてあります。これはじゃあ、事実ではないということで間違いないですね。これ、公の文書に書いてあることですから、しっかり答弁してください。

健康福祉部長  把握はしておりません。以上です。

朝木  はい、では次にいきます。



 朝木はめずらしく満足げに質問を切り上げた。なお反訳には表れていないが、健康福祉部長の最初の2つの答弁までに10分近くがかかっている。いずれも担当者に事実確認を行ったためである。ただし、山川が本当に、朝木が質した趣旨の主張(「福祉募金の『出金』だけを帳簿に記載したのは市から指導があったためだ」とする主張)をしているのかどうかについての確認は、当然ながら行われていない。

当事者に確認しないまま答弁

 仮に、朝木が事前に通告していれば、健康福祉部長も山川に確認していたかもしれない。いずれにしても、健康福祉部長は市が山川に対して、福祉募金については「入金」を記載せず、「出金」だけを記載するよう指導したかどうかについて確認しただけで、もう一方の当事者である山川には確認しないまま答弁したということである。著しくバランスを欠いた答弁だったとはいえないだろうか。

 東村山市議会における議会運営のルール、あるいは議会質問に対する行政側の対応ルールが、事実の確認ができなくても答弁していい、ということになっているのかどうかは定かでない。ただ一般社会では、相手方から質問されたことに回答するにあたって、その前提を確認するのは常識ではないかと思う。

「山川は虚偽の説明をしている」との結論

 さて、朝木の主張は大要以下のようにまとめられるだろう。



①山川は福祉募金の際、会計帳簿に「入金」を記載せず「出金」だけを記載した。この出金分が多摩湖寿会から支出され、簿外に置かれて、山川が着服した。

②山川は会計帳簿に「入金」を記載せず「出金」だけを記載したことについて、「市の担当者がそのように指導したので『出金』だけを記載した」と主張し始めている。
(なお、この点に関する山川の主張が最近になって変わったとする趣旨の朝木の主張については、平成29年7月18日付準備書面で山川が「原告は平成24年度の会計監査の際、社会福祉協議会の担当者から「福祉募金は収入にも支出にも該当せず、集計したものをそのまま市労連に振り込むのだから会計帳簿には記載しないように」との指導を受けたため、翌年か会計帳簿には記載しなくなった。」と記載していることを前提としている。しかしこの事情について、議場内の誰も知る者はいない。)

③上記②について「そのような事実があるか」と質問したのに対し、健康福祉部長は「そういった指導はないものと思っております」と答弁した。

④上記②の主張について、朝木はその根拠として山川が提出した平成29年11月22日付陳述書の一文を引用した。

――元会計担当者の書面です、裁判所に提出した。で、寿会の会員の方から、

(ここから引用)「募金の入金について『会計簿に入金の記載がないのに出金の記載があることは問題だ』と言っています。確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので記載しなかった」(引用終わり)

 こういうふうに書いてあります。――



 朝木が上記質問の最初に「元会計担当者の書面です、裁判所に提出した。」と述べていること、最後に「こういうふうに書いてあります」と結んでいることから、上記カッコの部分が山川の陳述書を引用したものと判断できた。

 質疑の上では、朝木が説明する山川の主張内容を健康福祉部長が否定する形になっていた。その結果、「山川は福祉募金について会計帳簿に『出金』だけを記載したことについて虚偽の説明をしている」との質疑が形成されたという印象を持った。  

 朝木の一般質問が終わり、議会は休憩に入った。傍聴席から議会事務局の方向に降りていくと、ちょうどエレベーターに乗り込む朝木に出くわした。朝木は私に向かって、ニヤリと笑みを浮かべた。「どう? うまくやられたでしょ」と自賛しているようだった。

何ともいえない違和感

 この日の朝木の質問とそれに対する答弁には何とも言い難い違和感を覚えていた。その理由は2つあった。

 1つは、福祉募金に関する通告がいっさいなされておらず、にもかかわらず、一般質問としてなんらの疑義も出されないまま受け入れられたこと。2点目は、朝木の質問に対して健康福祉部長が、山川がそう主張しているとして朝木が質した市側の対応については担当者に確認したものの、一方当事者である山川に対しては事実確認をいっさいしないまま答弁したことだった。その答弁は、朝木の主張及びその前提(山川が主張しているとする内容)を追認したようなものだった。

 朝木は質問通告をしないまま質問をぶつけることで健康福祉部長を混乱させ、その結果、自分に有利な答弁を引き出した――。この時点で、なんともいえない違和感の理由を私はそう理解していた。

(つづく)
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