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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第54回
脱落していた文言

 朝木が一般質問を行った当日、私は朝木が通告していない質問を行い、その内容について健康福祉部長が一方当事者である山川に対する事実確認をしないままに答弁したことに問題があったと考えていた。これだけでも、東村山市議会ではアンフェアな質疑がまかり通る状態にあったといえるのではないかと思う。それが私の感じた違和感の原因だったのだろうと、その日は考えていた。

 しかしどうやら、朝木の質問の狙いは市の担当者に予期せぬ質問をぶつけることだけでなく、その核心は別のところにあった。私がそのことに気がついたのは、改めて録音を聞き直したときである。

 朝木は「元会計担当者の書面です」と前置きして山川の陳述書を「引用」した。しかし、「引用」として読み上げたその箇所には、福祉募金の「出金」だけを帳簿に記載したことについて、山川が市の担当者から指導された時期の理解を左右する文言だけが脱落していたのである。重大な箇所の脱落だった。なお、「引用」箇所におけるその他の文言はすべて一致していた。

 朝木の「引用」部分と山川の陳述書の該当箇所を比較してみよう。



(朝木の「引用」)

「募金の入金について『会計簿に入金の記載がないのに出金の記載があることは問題だ』と言っています。確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので記載しなかった」

(山川の陳述書の記載)

「募金の入金について『会計簿に入金の記載がないのに出金の記載があることは問題だ』と言っています。確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので、翌年から記載しなかった」



 朝木が「引用」した箇所と山川の陳述書における記載を比較すると、朝木の「引用」には山川の上記の記載の最終行にある下線部、「、翌年から」が脱落していることがわかる。

 朝木は上記の「引用」の直前に「元会計担当者の書面です、裁判所に提出した。」と前置きし、「引用」終了後には、「こういうふうに書いてあります」と発言している。したがって、朝木は「山川はこう主張している」とする根拠として上記のように「引用」したものと理解できる。

「、翌年から」が削除された朝木の「引用」によれば、山川は福祉募金を帳簿に「出金」だけを記載したことについて、記載した「前年」に市の担当者から指導を受けたからだと主張していることが明確化された状態になっている。「、翌年から」が入れば、「前年」の理解は変わってくるのである。

 この「引用」の前に、朝木は山川の主張を次のように紹介していた。

「集めた募金は帳簿に入金の記載をしてはいけないというふうに市の担当者から指導があったそうです。なので、支出だけを書いたと」

 上記の朝木の主張が、朝木が「元会計担当者の書面です、裁判所に提出した」として「引用」した、原文とは異なる一文に基づいていることは明らかである。朝木の「引用」に基づけば、朝木が上記のように理解したのも無理はないということになる。

背景事情に触れなかった朝木

「募金の入金について『会計簿に入金の記載がないのに出金の記載があることは問題だ』と言っています。確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので、翌年から記載しなかった」

 この山川の陳述書の記載にある「前年」(下線部)がいつのことなのか、わかりにくい文章であることは否定できない。この文章を表面的に、あるいは悪意をもって理解する場合には、「募金の入金は会計簿に記載しないように」と指導されたのが、山川が帳簿に記載する「前年」すなわち平成23年のことであると誤読される恐れがないとはいえないかもしれない。「年を明確に示さず、前年とか翌年とかとなっているから誤解を生むのだ」という批判もあろう。

 しかし、背景事実を理解すれば、上記のように理解するのは誤りだということがわかるのではあるまいか。

 まず、山川が福祉募金について「出金」だけを記載したのは山川が多摩湖寿会の会計を担当するようになった平成24年度の会計帳簿だけなので、朝木が脱落させた「翌年」が平成25年度を指していることは明らかなのである。

 さらに、福祉募金について帳簿に「出金」だけを記載した平成24年度の「前年」には山川は寿会の会計は就いていないから、「出金」だけを記載した時点ですでに市の担当者から「募金の入金は会計簿に記載しないように」などとの指導を受けていた道理がない。したがって、「募金の入金は会計簿に記載しないように」との指導を受けたのは、朝木が主張する「平成23年」ではなく、誤って「出金」だけを記載した平成24年度の会計帳簿の監査が行われた際、つまり平成25年の監査の際なのである。

 しかし、朝木はなんらの背景説明もなしに、
 
「確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので記載しなかった」

 と、山川の陳述書における説明から「翌年から」の文言を脱落した状態で「引用」した。

 朝木の「引用」によれば、ここでいう「前年」とは、「出金」だけを記載した平成24年の「前年」、つまり「平成23年」としか理解できなくなる。その結果、山川は「市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので『出金』だけを記載した」と主張しているということになってしまうのである。

(つづく)
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