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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第55回
事情を理解していた朝木

 朝木は一般質問で山川の陳述書を「引用」した際、陳述書以前に山川が説明していた事情にはいっさい触れなかった。しかし、福祉募金を誤って帳簿に記載したことについて、山川は平成29年 7月18日付準備書面で次のように主張している。



(平成29年7月18日付準備書面における山川の主張)

「原告が平成24年度の会計簿に上記(2)の記載(筆者注=福祉募金について「出金」だけを記載したこと)をしたのは事実であるが、この記載は、原告が会計を始めた年(筆者注=平成24年)で、福祉募金を会計帳簿上『収入』として扱うべきかどうかわからず、また集計後にそのまま市老連に振り込んだことから、とりあえず『支出』欄に『2万4603円』と記載したのである。」

「原告は平成24年度の会計監査の際(筆者注=平成25年)、社会福祉協議会の担当者から『福祉募金は収入にも支出にも該当せず、集計したものをそのまま市老連に振り込むのだから会計帳簿には記載しないように』との指導を受けたため、翌年(筆者注=平成25年度の帳簿)から会計帳簿には記載しなくなった。」



 上記の記載を読めば、山川が市の担当者から「福祉募金は帳簿に記載しないように」と指導されたのが「平成24年度の会計監査の際」すなわち平成25年度と説明していることが明らかである。だから山川は、「翌年から会計帳簿には記載しなくなった」のである。したがって、「翌年から」とは「平成25年から」ということになる。

 山川が準備書面における上記の主張について裁判所に訂正を申し立てた事実もない。訂正を申し立てていないということは、上記の主張が維持されていることを意味するのは訴訟上の常識であり、そのことを朝木が知らないはずはない。

 当然、朝木が上記の説明を読んでいないということもあり得ない。朝木はすでに、山川が「福祉募金は帳簿に記載しないように」との指導を受けたのが平成24年度の監査の際、すなわち平成25年であることを十分に認識していたのである。

 また、山川が多摩湖寿会の会計に就いたのが平成24年5月であること、福祉募金を会計帳簿に記載したのが誤りであることを知って記載しなくなったのが平成25年であることは証拠上明らかで、当然、そのことについても朝木は知っていた。山川が寿会の会計に就いたのは平成24年なのだから、まだ寿会の会計に就いていないその「前年」である平成23年に山川が市の担当者から「福祉募金は「出金」だけを記載するように」などとの指導を受ける道理がないことも、常識的に理解できよう。しかし、朝木は一般質問で、山川が平成29年11月22日付陳述書を提出する以前に知っていた背景事情について一言も説明せず、しかも陳述書の記載について原文とは異なる「引用」をしたのだった。

 すると、朝木が一般質問で、「元会計担当者の書面です」と前置きし、質問の根拠とした「引用」部分=

「確かに入金については記載はないのですが、それは、前年に市の担当者から『募金の入金は会計簿に記載しないように』との指導を受けたので記載しなかった」

 との箇所に、山川の陳述書には記載されていた「、翌年から」が脱落していたことを、どう理解するのが自然だろうか。

 陳述書以前の山川の説明および客観的な事実背景について朝木がいっさい説明しなかったこと、「、翌年から」の5文字が脱落している以外は正確に引用していることからすれば、朝木は一般質問で「、翌年から」を意図的に脱落させた、つまり山川の原文を改ざんした上で引用したとみせかけた--こう理解するのが最も自然なのではあるまいか。

脱落させた目的

 朝木はなぜそんな手の込んだ一般質問を企図したのだろうか。「市の担当者はそんな指導を本当にしたのか」という朝木の質問と、それに対する「そういった指導はないものと思っております」という健康福祉部長の答弁によれば、福祉募金の「出金」だけを帳簿に記載したことについて、山川は「市の担当者から指導を受けたからそう記載した」と虚偽の説明をしていることになる。

 この質疑を聴いた他の市議会議員、市職員、傍聴者が「山川は福祉募金の記載について虚偽の説明をしているのか」と理解することは明らかである。ではなぜ山川は福祉募金の記載について市に責任を転嫁するような虚偽の説明をするのか。それは山川が福祉募金の「入金」を記載せず「出金」だけを記載することによって多摩湖寿会に支出させ、着服したことを隠蔽するためだ――朝木の質疑を聴いた者は遅かれ早かれそう考えるのではあるまいか。そう仕向けることが朝木の狙いだったのだろう。

 朝木はこの質問と答弁の結果を裁判所で主張しようと考えていた可能性もある。裁判所にどこまで通用するかは疑問ではあるものの、一般質問でも主張したように、「山川は平成29年11月22日付陳述書において福祉募金についての主張を変え、市の担当者からそう指導されたから『出金』だけを記載したと主張している」と主張した上、健康福祉部長は『そのような指導はしていない』と答弁した」と一方的に主張することはできる。山川が朝木の「引用」の誤りに気づいていなければ、山川の対応に混乱が生じる可能性がある。

 質問後、朝木は私に対してニヤリと笑った。その意味は健康福祉部長に想定通りの答弁をさせたことに対する自画自賛ではなく、「引用を改ざんした」という本心を隠そうとする本能的なものだったのではないかという気がする。もちろんその時点ではまだ、朝木のそんな巧妙な策略に気がついてはいなかったのだが。

(つづく)
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