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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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『東村山の闇』裁判・インターネット「創価問題新聞」裁判判決
 平成20年4月15日、元東村山警察署副署長、千葉英司氏が名誉を毀損されたとして東村山市議、矢野穂積氏と朝木直子氏を提訴していた2件の裁判の判決が東京地裁で言い渡された。

『東村山の闇』裁判

 1件目は、第三書館発行の書籍『東村山の闇』(東村山市議、矢野穂積氏と朝木直子氏の共著=平成15年11月発行)の記述をめぐる裁判。

 平成7年9月1日夜、矢野氏の同僚市議で、朝木氏の母親である東村山市議(当時)の朝木明代氏が転落死を遂げた。故朝木氏は当時、東村山市内の洋品店で万引きをしたとして書類送検されており、警視庁は「犯罪性はない」(すなわち「万引きを苦にした自殺」)と結論付けた。平成9年には東京地検も「自殺の疑いが濃い」として捜査を終結している。

 一方当時、矢野氏や朝木氏は「万引きは政治的陰謀によるでっち上げで、転落死も創価学会による謀殺」などと主張、平成8年以降、「万引き冤罪」と「他殺」を主張して多くの裁判を起こしてきた。しかし、いずれの裁判でも矢野氏らの主張が排斥されただけでなく、万引き被害者から提訴された裁判では100万円、創価学会から提訴された裁判では200万円(講談社とともに提訴された裁判を含めると計400万円)の支払いを命じられている。

『東村山の闇』は一連の法廷での主張がことごとく排斥されたあとに出版したもので、捜査機関や裁判所の結論を覆す内容。その中で矢野氏と朝木氏は捜査責任者だった千葉氏に関して、

①〈事件の中で登場する「キーパーソン」の何人かについてふれておくことにしたい。〉〈第2番目は、(中略)東村山警察署の千葉英司副署長。このひとも重要な登場人物だ。千葉副署長は、朝木明代議員事件の捜査責任者であり、報道関係者に対する広報責任者である。この千葉副署長は、1995年7月12日に朝木明代議員を「万引き容疑」で書類送検した。9月1日の殺害事件発生直後は、捜査結果判明した事実をどんどん書き換え、「自殺説」を広報した。〉

②〈千葉副署長の「万引き」、「自殺」という判断も、2002年3月28日の判決によって否定された。また、関係者に対して発表した内容が、ころころ変わっていった〉

③〈東村山警察は動かなかった。動かないだけでなく、朝木明代議員自身が「飛び降りていない」というダイイング・メッセージをはっきり残しているにもかかわらず、事実を書き換えるようにして、自殺説をことさら強調していった。千葉英司副署長が、事実と異なる広報をしたり、ろくな捜査をしていない点を週刊誌の記者が指摘すると、逆ギレして、出入りを禁止するなどした。真剣な「捜査」がなされる様子は全くみられなかった。〉

 などと記載した。この裁判は、これらの表現に対して千葉氏が「原告の職務に対する誠実性、廉潔性や、ひいては公正さまでを疑わせ、原告の社会的評価を低下させた」として損害賠償を求めていたものである(原告の指摘箇所は全部で12カ所)。

 千葉氏の主張に対して矢野氏らは、

〈被告らが本件著作物で記述したのは、事件を担当した東京地方検察庁八王子支部の指揮による東村山署の捜査活動についてであって、原告につき批判言論を記述したのは、原告が公務員として担当したところの広報活動が適切であったか否かにすぎず、……原告個人の名誉権を侵害するような記述は一切ない。〉

〈原告による上記広報活動自体に違法性があるから、被告らによるこれらに対する批判言論たる本件著作物は、そもそも名誉毀損性がなく、不法行為は成立しない。〉

〈被告らにおいて、原告が本件窃盗被疑事件について真実に反して明代を書類送検し、また、本件転落死が殺人事件であるにもかかわらずそれを知りながら捜査で判明した事実を意図的に偽るなどして、本件転落死を自殺扱いするなど公正な捜査・広報を行わなかったと信じたことに相当の理由がある〉

 などと主張した。

 これら双方の主張に対し東京地裁は、上記①~③以外の記述については千葉氏個人に向けられたものとは認めがたいとして名誉毀損の成立を否定したものの、①~③については〈原告(千葉氏)が殺人事件を隠ぺいしているとの印象を与えるもの〉として、千葉氏の社会的評価を低下させる記載であると認定。その上で、真実性については、

〈原告が本件窃盗被疑事件について真実に反して明代を書類送検し、また、本件転落死が殺人事件であるにもかかわらず、それを知りながら捜査で判明した事実を意図的に偽るなどして、本件転落死を自殺扱いするなど公正な捜査・広報を行わなかったとの事実までは認めることができず、他にこれを認めるに足りる証拠はない。〉

 と認定。相当性についても矢野氏らの主張を退け、矢野氏と朝木氏に対して30万円の支払いを命じた。

インターネット「創価問題新聞」裁判

 2件目は、矢野氏と朝木氏が運営するインターネットホームページ「創価問題新聞」(平成18年までのもの。現在は閉鎖)の記載をめぐる裁判。

 矢野氏らは旧「創価問題新聞」において矢野氏らが発行する政治宣伝ビラ「東村山市民新聞」のバックナンバー(平成12年4月1日付)を掲載したが、同ビラは千葉氏について、

①〈朝木議員殺害を、自殺扱いした千葉元副署長〉〈千葉元副署長の捜査が全くデタラメだったことが判明しました〉(記事1)

②〈(千葉は)政治的中立という法的義務のあることを忘れ、創価べったりです。〉(記事2)

③〈千葉英司副署長が指揮した東村山署は、捜査をするのではなく証拠を証拠として取り上げない態度〉(記事3)

 などと記載。これらの記載に対して千葉氏が名誉を毀損されたとして提訴していたもの。

 千葉氏の主張に対して矢野氏らは、記事は〈組織としての東村山署の捜査及び広報のあり方につき、明代の遺族及び同僚議員としての立場から明代関係事件の捜査が何らなされていないという重大な疑問があるとの批判を記述したものにすぎ〉ず、千葉氏個人に対する批判ではなく〈組織体を代表しての公的立場からの公的言動に関する批判〉であり、原告個人の名誉権を侵害するものではない、などと主張した。

 これに対して東京地裁は、記事①については、

〈(千葉氏は)殺人事件である本件転落死を敢えて自殺扱いしたとの事実を摘示していると認められる〉

 記事②については、

〈原告の警察官としての職務執行が創価学会に不当に肩入れし、警察の責務として法定されている不偏不党かつ中立公正に反していると論評したものと認められる〉

 記事③については、

〈原告は、本件転落死について、証拠を正しく評価せず、真実究明のための捜査を十分にしなかったと論評したものと認められる〉

 などと認定。記事が〈東村山署の捜査のあり方のみならず、原告個人の行動に対する記述と認め〉られるとし、上記記載が千葉氏の社会的評価を低下させるものであると認定した。その上で東京地裁は、記事の真実性ついてそれぞれ以下のように述べて矢野氏らの主張を否定した。

①〈本件全証拠によっても、本件転落死が殺人事件であると認めるに足りない。したがって、本件記事1はその重要な部分において真実であることの証明がない〉

②〈この論評の前提となっている原告が創価の御用記事ばかり書いているアングラ誌の関係者と親しげに談笑していたとの事実が真実であると認めるに足りる証拠はない〉

③〈本件記事3は、原告が本件転落死について、証拠を正しく評価せず、真相究明のための捜査を十分にしなかったと論評したものであるが、その論評の前提となる事実については、本件記事3の中で何ら触れられておらず、結局、論評の前提となる重要な部分において真実であることの証明がないというほかない。〉

 東京地裁は相当性についても、〈論評した前提となる事実について、明確に一定の具体的事実を認識し、それを根拠として論評したと認めるに足りる証拠はなく〉(すなわち思い込み、憶測にすぎない)などとして矢野氏らの主張を退け、名誉毀損の成立を認定。矢野氏と朝木氏に対して10万円の支払いを命じた。

 なお、この裁判で矢野氏らは、千葉氏が別件裁判に提出した陳述書の内容が矢野氏らの名誉を毀損したなどとして反訴を提起したが、東京地裁は矢野氏らの請求を棄却している(つまりこの日、矢野氏らは3件の裁判で敗訴したことになる)。

千葉英司氏の話
「『東村山の闇』では私だけでなく、他の捜査員もまた事実の隠蔽に加担したかのように書かれた。この判決によって、矢野氏らの虚偽宣伝に耐えながら地道な捜査を続けた捜査員たちの無念さを少しでも晴らせたのではないかと思う」

(宇留嶋瑞郎)
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