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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第57回
山川に確認しなかった朝木

 12月7日付準備書面4Bでは、「山川が市の担当者から『福祉募金については帳簿に記載しないように』と指導された」時期が「平成25年」であることを「朝木がすでに知っていたこと」に続いて、議会での質問に至る経過について触れている。

 朝木が一般質問で取り上げた陳述書を朝木の代理人が受領したのは平成29年11月24日で、その4日後の同年11月28日に第6回口頭弁論が開かれた。福祉募金に関する陳述書の記載が平成29年7月18日付準備書面2Bの記載と異なるというのなら、第6回口頭弁論の場で朝木側から山川に対してなんらかの確認が行われてもおかしくない。しかし、口頭弁論において朝木側からはなんらの確認も質問もなかった。

 朝木が通告していない福祉募金に関する一般質問を行ったのは、上記の口頭弁論から3日後の平成29年12月1日である。それまでに、朝木本人からも朝木の代理人からも、「山川が市の担当者から『福祉募金については帳簿に記載しないように』と指導された」時期について問い合わせはいっさいない。単純に確認すればいいだけのことではなかっただろうか。朝木は山川に対していっさい問い合わせもしないまま、「引用」部分を改ざんした上、一般質問で「前年」を「平成23年」と決めつけ、「山川は福祉募金に関して虚偽の説明をしている」と主張したのである。

改ざんの目的

 その上で、朝木は健康福祉部長に対し、「市の担当者がそのような指導を行った事実はあるのか」と迫った。当然、市の担当者が「福祉募金については帳簿に『出金』だけを記載するように」などと指導するはずはないから、健康福祉部長は「そういった指導はないものと思っております」と答弁した。

 こうして、少なくとも東村山市議会本会議場においては、朝木が「山川は福祉募金に関して虚偽の説明をしている」と主張したことに対して、健康福祉部長がその主張に対してお墨付きを与えたという状況が現出したのだった。健康福祉部長はまんまと朝木に利用されたのである。部長としての答弁の重さを考慮すれば、この答弁は失態といわれても仕方があるまい。

 つまり、朝木のこの質疑は、「山川が福祉募金について虚偽の説明をしている」という事実を健康福祉部長公認のものにしようとすることだったとしか考えられない。「山川は福祉募金について『出金』だけを記載したことに関して虚偽の説明をしている」ということにしようとした朝木の目的は、「『原告は福祉募金を盗んだ事実を隠蔽するために虚偽の説明をしたのだ』とするためにほかならない。」――山川はこう主張している。

人を陥れるために「議会を利用」

 ところで、平成29年12月1日に行われた朝木による福祉募金に関する質問と、それに対する健康福祉部長の答弁は次のような経緯で行われたものである。

 東村山市議会会議規則は「会議において発言しようとする者は、あらかじめ議長に発言通告書を提出しなければならない」と定めている。しかし、朝木は事前に提出した質問通告書には「福祉募金」に関する事項はいっさい記載されていない。にもかかわらず朝木は、強引に福祉募金に関する質問に持ち込んだのだった。

 当然、答弁する側の所管は、被告朝木から質問されるまで質問内容を知らないのだから何も準備することができない。しかも、市側がどう指導しているかについては確認のしようがないこともないが、山川が裁判所に提出した陳述書に何が書かれているかなど、本会議の最中に確認できるはずがない。

 だから、健康福祉部長は前提が確認できない質問に対して答弁すべきではなかった。ところが、まさか朝木が引用した陳述書の一部が改ざんされているなど考えもしない健康福祉部長は、まんまと朝木のワナにはまり、朝木の狙い通りの答弁をしてしまった。――

 これが、本来議員が求められている議会質問といえるのだろうか。山川は急遽提出した準備書面を次のように締めくくっている。

「本件質問は、議会質問を利用して原告を陥れようとするものであることが明らかであり、市議会議員の議場での発言として保障されるべきものとは到底いえない。本件質問は、被告朝木が原告を横領犯人に仕立てるために一貫して議会質問を利用している事実を雄弁に物語るものにほかならない。」

 山川は上記の準備書面を提出するとともに、平成29年12月1日に行われた朝木の質問の反訳と録音を証拠として提出した。

合議制になった理由

 第6回口頭弁論が行われたのは平成28年11月28日で、その際には裁判官から「合議制」の話はまったく出なかったという。それから約ひと月後の平成28年12月20日に開かれた口頭弁論で裁判官は「公益に関する問題なので、3名の裁判官による合議制に変更します」と伝えた。裁判所の態勢に変化があったことだけは確かだった。

「公益に関する問題」とは、公益性に関する判断とでもいう意味だろうか。名誉毀損の不法行為が認定される基準は、問題となった表現行為が他人の社会的評価を低下させると認定された場合、①公共性②公益性③真実性あるいは真実であると信じるに相当の理由(相当性)――のいずれかが欠けた場合である。

 本件でいえば、山川は、朝木や清水が「山川は多摩湖寿会の金を横領した」と断定したことによって名誉を毀損されたと主張している。多摩湖寿会という老人会に関することだからまず公共性は認められる。公益性に関しても、同じ理由で認められるのが普通である。したがって、本件で判断の対象となるのは真実性・相当性だけだろうと考えていた。

 しかし裁判官は「公益に関する問題なので合議制に変更」するという。すると、この態勢の変更は、本件については公益性についても検討する必要があるという判断に至ったということのようだった。

 仮にそうだとすれば、上記のひと月の間に、裁判所の態勢に変化をもたらしたのは何だったのだろうか。変化のきざしなど何もなかった第6回口頭弁論以後を振り返ると、その3日後に朝木が東村山市議会で福祉募金に関する質問をしたこと、その1週間後に、山川が朝木の質問に関する準備書面を提出したこと――思い当たる出来事といえば、この2つしかなかった。

(つづく)
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