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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第59回
誓約書の意義

 清水は平成28年11月10日までに自らの陳述書のほか大野清吉(新理事)ら他の多摩湖寿会役員の陳述書を提出し、平成28年8月17日に誓約書を交わした際、大野が山川に対して「(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば……」と発言したなど、清水以外の新役員も山川の会計処理をたんに不適切というに止まらず「横領」と認識していた旨供述している。誓約書を交わす際に、大野までが山川に対して「これは横領」などと発言したという話が出るのは初めてのことだった。

 事実とすれば、「山川は多摩湖寿会の金を横領した」と認識し、責任を追及すべきと考えていたのは清水だけではないということになる。これは重要な事実と思われるが、清水は裁判開始から現在にいたるまで、なぜその事実を明らかにしなかったのだろう。逆に、なぜ今になってそのことを言い始めたのか、こう問う方が的確なのかもしれない。

 平成28年8月17日、大野(新理事)を立会人として清水(甲側として他に副会長)と山川(乙側として他に加藤前会長)の間で、山川が複数の団体の役職を辞任すること、および「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」と明記した誓約書を交わした。簿外に保管していた金を返還した上で、「これをもって一切申し立てをしない」と明記した誓約書に関係者一同が署名捺印しているのだから、これによって多摩湖寿会で起きた会計問題は「一切」すなわちすべて決着がついたというのが常識的な解釈である。

 清水は誓約書の位置付けについて、平成29年7月11日付第2準備書面で「原告(筆者注=山川)が今後行うべきことについて誓約した書面に過ぎず、原告のいう示談とか和解を根拠づけるものではない」と主張している。「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書は法律上の和解ではなく、記載された文言は、山川が複数の団体の役職を辞任するとした事項とともに、山川のみが遵守すべきものだとする主張である。

 清水は「誓約書を交わしたあとも『山川は寿会の金を横領した』と主張すること自体が誓約書の内容に違反している」という山川の主張を覆すには、こう主張するしかないのだろう。法律上の和解は、不法行為を主張する側と主張された側の双方が納得した上で一定の取り決めを行い、紛争を解決させるものである。誓約書には山川の署名だけでなく、相手方として清水らの署名もあるから、記載内容については双方が了解しているということになる。

 その上で、清水が「山川のみが守るべき事項」と主張する「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言を改めて確認すると、この文言には主語がないから、山川が遵守すべきものとして書かれたものであると特定することはできないように思える。山川が簿外で保管していた金はすでに寿会に返還している以上、この文言については、誓約書に署名した甲乙双方が遵守すべき事項と理解すべきなのではあるまいか。

示談書を必要とする根拠

 しかし現実には、誓約書を交わした後も、清水だけは「山川は多摩湖寿会の金を横領した」と主張し続けた。最初の行動は、誓約書だけでは不十分として示談書を作成し、山川に署名捺印を求めようとしたことである。

 朝木の陳述書によれば、朝木は清水澄江が山川らとの間で誓約書を交わした4日後の平成28年8月21日、多摩湖ふれあいセンターの料理室で清水と会い、一連の経過について資料に基づき「事細かに」説明を受けた。その結果、朝木は山川の会計処理をたんに不適切というものではなく「横領と考えて間違いない」と思った。その上で朝木は、「(「簿外の保管金は返還されており、問題ない」とした行政側の判断には)大きな問題があると考えたこと等から、この問題を議会で追及する必要があると判断した」としている。

 朝木の陳述書によれば、その際、清水からこんな話が出たという。朝木は次のように供述している。

「寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり、澄江さんから私に、示談書を作成してくれないかとのご依頼がありました。」

 朝木によれば、示談書の作成を持ちかけたのは清水であるという。それが事実かどうかはともかく、朝木も示談書を作成してほしいという清水の依頼を受諾した。

 また、寿会で示談書が必要とする方向でまとまったとする経緯について、清水は陳述書で次のように供述している。

「8月17日の話し合いの場は山川氏が詐欺や横領との指摘について反論、弁明することはなく、団体の役職を退くという誓約書を作って終わりましたが、まだ、正式な示談書というものは取り交わされていませんでした。そこで、新年度の役員の間で話し合ったところ、正式な示談書を取り交わす必要があるのではないか、との意見が多くでました」

 示談書を作成することになったとする「経緯」に関して、清水と朝木の説明に齟齬はない。誓約書を作成する際、大野が山川に対して「あなたのやったことは行為としては横領、詐欺だよ」といっていたと清水が供述していたことも、清水の供述する示談書への流れが不自然なものではないと思わせた。なお、清水は「正式な示談書」という文言を繰り返し、誓約書が「正式」なものでないかのように主張するが、立会人を立て、新旧役員の署名捺印がなされたものであり、誓約書が正式な合意書であることに違いはないのではあるまいか。

 ただ、清水が供述する大野の上記発言に関しては、現場にいた山川も前副会長の小山も、発言そのものを否定している。仮に山川と小山の供述が事実とすれば、清水が供述する誓約書作成の際の大野の発言は、「示談書が必要であるとする意見が多く出た」とする状況を不自然なものにしないための伏線として捏造されたものである可能性も疑われることになるが、事実はどうなのだろうか。それについてはその他の事実関係から推定していくしかないようだった。

尋問は延期に

 なお、裁判所の構成が3人の裁判官による合議制に変わったことで、平成30年1月23日(明日)に予定されていた尋問は大幅に延期となった。合議制になるということで、裁判所としては尋問の前に1度、通常の口頭弁論を開きたいとして日程調整を行った。

 平成29年末の時点で、裁判所は双方に対して平成30年1月18日から同年2月中旬までの間で都合を聞いた。山川はすぐに出頭可能な日時を提出していたが、被告側に差し支えがあるらしく、最初の期日である同年1月18日が迫っても期日の決定の通知は来なかった。

 山川がどうしたのかと思っていると、平成30年1月17日になって裁判所から今度は、「平成30年2月13日から3月23日の間」でという通知が届いた。山川は「可能なかぎり裁判所の都合に合わせる」と回答していたところ、同年1月19日、ようやく「次回口頭弁論を平成30年3月13日午後4時」から行うとの連絡を受けたとのことである。

 前回の口頭弁論の際に、特に時間を要する書面の提出を命じられたわけでもない。被告側にどんな差し支えがあったのかはわからないが、書面や証拠類の提出をなんら求められていない状況で、通常の弁論と弁論の間にこれほど長期の間隔が空くというのは異例なのではあるまいか。いずれにしても、平成30年3月13日に1度通常の口頭弁論を開き、証人尋問の期日は改めて決めることになるようである。

(つづく)
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