FC2ブログ
ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

多摩湖寿会事件 第60回
示談書を作成する理由

 清水と朝木の供述によれば、清水ら新役員と山川および加藤前会長との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」と明記した誓約書を交わしたあと、さらに示談書を作成しておくべきか否か、新役員の間で話し合いが行われたという。その「話し合い」の経緯や状況についてそれぞれ次のように供述している(なお、他の誓約書の当事者である前会長の加藤、立会人の大野、新役員の小川は、その「話し合い」について陳述書ではいっさい触れていない)。

「(示談書を交わす必要性があるかどうかについて)新年度の役員の間で話し合った」(清水)

「寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり」(朝木)

 示談書に具体的にどんな文言が記載されていたかについて清水も朝木も明らかにしない。その理由は定かでないが、それがいかなる内容だったにせよ、示談書が山川の会計処理に関わるものであるかぎり、「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とした誓約書に反するものであることを免れるのは困難ではあるまいか。にもかかわらず、清水の供述が事実とすれば、新役員の間ではどんな理由で示談をもちかけるようにとの話が進んだのだろうか。

 清水と朝木はその理由についても明確には示さないが、前会長の加藤は、示談書を見た際、「山川さんが横領を認めて謝罪する」との文言があったと供述している。朝木の上記供述も加藤の供述に矛盾しない。示談書は「山川が横領を認めて謝罪する」旨の文言が明記されていたのだろう。誓約書と示談書の間には、「横領を認めて謝罪する」旨の文言が明記されているか否かという点において決定的な違いがある。

 示談書に「山川が横領を認めて謝罪する」旨の文言が明記されていたとすれば、誓約書作成の際に大野が山川に対して「あなたのやったことは行為としては横領、詐欺だよ」と発言したという清水の供述(大野自身のほか、新理事の小川康子、前会長の加藤も同様の供述をしている)も不自然なものとはいえなくなろう。むしろ、上記大野の発言はあらためて示談書を作成する重要な理由だった可能性も考えられよう。

現実的な違い

 山川は会計処理が不適切だったことは認めている。簿外に保管していた金も返還し、誓約書にも署名捺印した。しかし、「横領した」とする清水や朝木の主張については当初から一貫して否定している。

 朝木によれば、誓約書を交わしたあと、「寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ている」という。「横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」とは、裏返すと、「横領を認め謝罪しなければ刑事告訴を含めて、責任を追及する」ということにほかならない。

 誓約書と示談書の違いは、山川の行為を「横領として追及するかしないか」の違いでもある。現実に山川は「横領」を否定している。その結果、清水は寿会で出たとする「意見」を忠実に実行していることになる。しかし、山川が「横領などしていない」と主張し、当然、謝罪などしていないからといって、清水がそのことを理由に「山川は横領した」と追及することは誓約書に違反するのではあるまいか。
 
 朝木と清水によれば、「山川が横領を認めて謝罪する」旨が記載された示談書の必要性については、まず多摩湖寿会の役員の間で共通の理解があり、それに基づいて清水から朝木に作成の依頼がなされたという。朝木の陳述書によれば、清水は朝木と会った際、示談書の作成が多摩湖寿会としての決定事項として伝えている。すると、事実かどうかは別にして、清水と朝木の供述によれば、2人が多摩湖ふれあいセンターで会った時点ですでに新理事の間で十分な話し合いがなされていたということと考えられた。

補完し合う2つの「事実」

 誓約書には「横領」に関する文言がいっさい存在せず、示談書には「山川が横領を認めて謝罪する」旨の記載があった。したがって、誓約書の時点で、寿会内に「横領を認めて謝罪すべき」という意見があったとすれば、その後に寿会内で示談書の作成を検討したとしても、一応、その理由がなかったともいえなくなる。

 つまり、誓約書を交わす際に大野が山川に対して「あなたのやったことは行為としては横領、詐欺だよ」との発言をしたということ、および誓約書の作成からわずか3、4日の間に役員がどこかに集まって示談書の作成に関する話し合いを行ったこと--清水が供述するこの2つの事実は、(それが事実ではなかったとしても)互いに補完し合う関係にある。

 大野が上記の発言をし、誓約書を交わしたあとに寿会で示談書に関する話し合いが行われたという事実は、それが事実とすれば、清水澄江以外の新役員もまた、清水と同様に「山川は寿会の金を横領した」と認識していたことを裏付けることになろう。寿会役員の誰もが「山川は寿会の金を横領した」と思っていたということになれば、誓約書を交わした後も清水が「山川は寿会の金を横領した」と主張していることも、他の新理事の意思を代弁したものと判断される可能性があり、「公益性」が認定されるとすればその理由にもなり得るかもしれない。

 朝木によれば、朝木と清水が会ったのは同年8月21日という。大野は、同年8月17日は、誓約書を交わしたあと解散した旨供述しているから、この「話し合い」が行われたのが事実とすれば、平成28年8月18日から同20日の間ということになろうか。ただ、この「話し合い」が、いつ、どこで、役員の誰が集まって行われたのかは具体的に明示されていない。清水にしても朝木にしても、なぜこの重要な点を素通りするのか理解に苦しむところである。

 誓約書を交わした後に行われたという示談に関する「話し合い」に関しては、山川も前副会長の小山時子もその事実関係を知る立場にはない。しかし清水らが供述する、誓約書を交わす際の大野発言(「あなたのやったことは行為としては横領、詐欺だよ」とする発言。以下同)についてはその存在を真っ向から否定している。大野発言は本当に存在し、「話し合い」も本当になされたのだろうか。

(つづく)
関連記事

TOP