ブログマガジン エアフォース
ブログで興味深い記事を公開していきます。
著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

最近の記事

カテゴリ

プロフィール

プールマン

Author:プールマン

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

リンク

QRコード

QR

FC2カウンター

多摩湖寿会事件 第61回
非常識な要求

 平成28年8月17日、山川ら旧役員と清水ら新役員との間で誓約書が交わされた際、「あなたのやったことは行為としては横領、詐欺だよ」とする大野発言は本当にあったのだろうか。大野が提出した陳述書によれば、山川に対する発言は以下のとおりだった。



(大野が供述する「大野発言」の詳細)

(山川さん)本人が認めれば同じ町内のことなんだから何とか収めたいよ。いやかもしれないけれども、(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば(清水澄江会長ら)現執行部も話し合いに乗れるんだから。(筆者注=カッコ内も大野)



 その上で、

「清水さんら新年度の役員からは、公の職に就いている人間が横領だなんて考えられない、公の職からは身をひいてもらわないといけないという発言がありました。そこで、私は、山川さんに対して、『(公的な)役職から降りることを紙にしてくれ』と伝え(た)」

 と大野は供述している。これに対して山川は、いくつかの団体の役職を退任するという内容を記載して署名捺印したので、「清水や大野もこれを確認したということで署名捺印した」(趣旨)という。

 山川が務めていたのは任意の民間団体における役職であり、大野の上記供述にある「公の職」とは公的機関の職を意味する「公職」ではない。そもそも山川は横領を認めているわけではなく、横領したと確定もしていない時点で、それを理由に「横領したから公の職からは身を引くべき」と主張するのは、常識的にもまったくの筋違いである。

 団体の役職から退くべきかどうかは団体内の問題であって、団体とは何の関係もない多摩湖寿会の会長が口を出すなど、出しゃばるにもほどがあろう。つまり、「横領した」という理由で何の関係もない団体の役職を辞めろというのは、論理的整合性を欠くだけでなく、他人の家に土足で上がり込むような傍若無人の振る舞いというほかない。

 多摩湖寿会で起きた、この通常ではあり得ない、山川に対してなされた他団体の役職の辞任要求について清水は次のように供述している。

「私たちとしては、山川氏が詐欺や横領に当たる行為をしていながら、公的な団体で要職にあることは許されないものと考えましたので、それら役職をその日のうちに退くことを約束するよう求めました」

 驚いたことに、清水には、この辞任要求が常識を大きく踏み外したものではなく、他団体に対して失礼なことであるという認識さえなかった。

食い違う経緯説明

 しかし現実には、山川は役職を退くことを受け入れた。当時その場にいた前副会長の小山と山川によれば、その経緯は次のとおりだった。

――清水は「問題はない」とした東村山市の結論を受け入れようとせず、「私は納得できない」と息巻いた。このため、このままではいつまでたっても会が終わらないと考えた大野清吉が、清水に対して「どうすれば納得するのか」と尋ねた。すると清水は「山川さんが団体の役職を辞任すれば納得する」と答えた。

 清水の要求を受け入れたのは、もちろん横領を認めたからではない。しかし、清水を納得させ、この会を終わらせるには、ここで団体の役職を辞任することを約束するしかないと判断したと、山川は供述している。

 誓約書に団体の役職を辞任する旨を記載するに至った経緯について、山川および小山と大野らの供述は食い違っている。ただ、一部の役職については重要な行事が残されており、すぐには辞められないので、今しばらく続けたい旨を述べると、これについて清水らは反対しなかった――という点だけは一致していた。双方が誓約書に署名したことをもって「その日の集まりは終わり」となったと大野は供述している。

「大野発言」と誓約書の開き

 山川が誓約書に団体の役職を退く旨を記載したことについて、清水は「山川氏は、大野さんからの横領、詐欺という指摘を受け入れて、誓約書を自ら作成した」と供述し、大野もそれを匂わせる供述をしている。これらの供述によると、「横領」と山川が団体の役職を辞任することは無関係ではないから、誓約書には山川が「横領」を認める旨の意思が反映されていると主張しているように聞こえる。

 しかし現実に、誓約書には「横領」についてはその事実も謝罪の意思も、一言半句も記載されていないのである。この事実をどう理解すべきなのだろうか。

 しかも清水は、「(山川が)団体の役職を退くという誓約書を作って終わりましたが、まだ、正式な示談書というものは取り交わされていませんでした」と供述している。清水のいう「正式な示談書」には、「横領を認めて謝罪する」との文言が記載されていた。誓約書は「横領を認めて謝罪する」との文言が入っていない点において不完全なものと清水は主張しているのである。

 つまり、清水の示談書に関する供述は、誓約書には「横領を認めて謝罪する」との意味は含まれていないと主張するものほかならない。するとこの供述は、「山川氏は、大野さんからの横領、詐欺という指摘を受け入れて、誓約書を自ら作成した」とする誓約書に関する供述とは矛盾しているということになる。

 誓約書に関する清水の主張が事実とすれば、あえてあらためて示談書を作成する必要はなかったということなのではあるまいか。どうしても「(山川は)横領を認めて謝罪する」旨の文言が必要だというのなら、なぜ誓約書の時点でその旨の一文を入れさせなかったのだろうか。清水や大野の陳述書には、山川に対して「(山川は)横領を認めて謝罪する」旨の文言を入れるよう説得したとする供述はいっさいないのである。不可解に思えてならない。

(つづく)
関連記事

TOP