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多摩湖寿会事件 第62回
「大野発言」の信憑性

 誓約書に記載された文言および清水が示談書の作成を朝木に依頼するまでの経過と、清水、大野の供述の間における、これまでみてきた齟齬をどう理解すればいいのだろうか。

 清水は「誓約書には『(山川が)横領を認めて謝罪する』旨の記載がなかったから示談書を改めて作成する必要があった」(趣旨)と供述している。しかし、仮に大野発言((山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば(清水澄江会長ら)現執行部も話し合いに乗れるんだから)が事実だったとして、それならばなぜ誓約書に「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言がいっさい記載されなかったのだろうか。

 誓約書を作成する際、山川が団体の役職を辞任することに関しては、ある団体の会長職については行事の関係から辞任の時期を考慮するなどのやりとりがなされた。ところがその一方で、清水らが供述する大野発言にもかかわらず、誓約書において「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を記載するか否かについて議論があったなどという供述は誰からもなされていない。

 また、問題を解決するにあたって山川が「横領を認めて謝罪する」との文言を文書に記載する必要があると寿会役員らが認識していたとすれば、誓約書を交わしても最終的な解決には至っていないということになるから、その後の話し合い等についてなんらかの打ち合わせがあったとしてもおかしくない。ところが大野は誓約書を交わしたあと、「その日の集まりは終わりとし、みな、帰ることにしました」と供述するのみである。その後については、なんら打ち合わせなどなされなかったということと理解できる。

 この不可解きわまる事実と供述の間の齟齬が示すのは、清水が示談書に記載していた「(山川は)横領を認めて謝罪する」との趣旨は、誓約書には最初から含まれていなかったということではないか――。だから誓約書の時点では、「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を記載するかどうかなど、議論もされなかったとみるのが最も自然なように思われた。

 誓約書に「(山川は)横領を認めて謝罪する」との趣旨が含まれていないとすれば、それはすなわち、「山川は横領を認めたがゆえに誓約書の作成に応じたということではない」ということにほかならない。当然、大野や清水らが供述する「大野発言」そのものの信憑性も大きく揺らいでくる。逆にいえば、大野からそのような発言はなかったとする山川や小山の供述の信憑性が高くなってくるということである。

「話し合い」に関する供述

 清水は「山川氏は、大野さんからの横領、詐欺という指摘を受け入れて、誓約書を自ら作成した」と供述する。ところが清水は、誓約書を交わしてからわずか4日後の平成28年8月21日になって、「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言が明記された示談書の作成を朝木に依頼した。誓約書には「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言が入っていないとの理由によるものである。

「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を文書に明記するかどうかは天と地との違いがある。上記の文言を入れるということは山川が横領を認めるということであり、「横領はしていない」と主張している山川が、そのような示談書の作成に同意するはずがない。

 しかも、誓約書に「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」と記載しているにもかかわらず、「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を入れた示談書を作成することは誓約書の趣旨に反する。そのような示談書を作成することについて、清水は別にしても、多摩湖寿会の他の役員は、誰も疑問に思わなかったのだろうか。

 では、誓約書の時点ではおそらく議論もされなかった文言を明記した示談書を作成するにあたり、多摩湖寿会の中ではどんな話し合いがなされたのだろうか。清水が提出した役員たちの供述をみよう。



(「話し合い」に関する供述)

「……8月17日の話し合いの場は……誓約書を作って終わりましたが、まだ、正式な示談書というものは取り交わされていませんでした。そこで、新年度の役員の間で話し合ったところ、正式な示談書を取り交わす必要があるのではないか、との意見が多くでました。」(清水

「山川さんを刑事告訴することについては、寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり、澄江さんから私に、示談書を作成してくれないかとのご依頼がありました。」(朝木

「8月17日の後、数日してから、私は清水澄江さんから連絡を受け、山川さんの不正な会計処理について、きちんと示談書をつくって終わりにしたい、ついては、そこに立会人として私に立ち会ってもらえないか、できれば私の家にて示談書の調印を行えないか、と新年度の役員らが考えている旨伝えられました。」(大野清吉・新理事

「8月17日の会合後、私は清水さんから連絡を受け、8月25日夜に大野清吉さんの家に集まることとなりました。山川さんの会計在任時の会計処理について、新役員らとしては、正式な示談書を作って終わりにしようということになったとのことで、そのために、大野さん宅に山川さんとともに私も呼ばれることになったのです。」(前会長加藤幸雄

※筆者注=新理事の小川康子も陳述書を提出しているが、この「話し合い」に関してはいっさい触れていない。)



 清水によれば、誓約書ではまだ「正式な示談書は取り交わされていない」という。今回の問題は「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を入れた示談書の作成によってやっと決着すると清水は考えていたことになる。すると、寿会内の話し合いも、誓約書は途中経過にすぎず、最も重要なのは示談書の作成を決定する話し合いなのではあるまいか。

参加していなかった立会人

 最も重要な話し合いの場である以上、その場所には当然、多摩湖寿会の役員だけでなく誓約書を交わした当事者が呼ばれてしかるべきである。ところが、「話し合いがあった」と一応具体的に供述しているのは清水のみで、寿会理事(役員)で誓約書の立会人である大野清吉と誓約書の当事者である寿会前会長の加藤幸雄は、ただ清水から「示談書を作ることになったから来てほしい」と連絡されただけだった。新理事の小川に至っては、最も重要な話し合いの場であるはずにもかかわらず、陳述書では一言も触れていない。

 誓約書を作成した経緯について、清水は「山川氏は、大野さんからの横領、詐欺という指摘を受け入れて、誓約書を自ら作成した」と供述している。ところが、「(山川は)横領を認めて謝罪する」との文言を入れた示談書についての話し合いの場には、その大野さえも参加していなかったのである。

 しかも大野への連絡によれば、清水は大野の家で「示談書の調印」をしたいという。調印とは、これから示談書の内容を詰めるのではなく、示談書はもう出来上がっているということだった。これもまた常識的に理解しにくいことではなかっただろうか。

(つづく)
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