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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第63回
何も知らなかった立会人

 多摩湖寿会新理事の大野清吉は、立会人として誓約書を交わす場に立ち会ってから「数日後」(=大野の供述)に会長の清水澄江から受けた連絡の内容について次のように供述している。

「山川さんの不正な会計処理について、きちんと示談書をつくって終わりにしたい、ついては、そこに立会人として私に立ち会ってもらえないか、できれば私の家にて(平成28年8月25日の夜)示談書の調印を行えないか、と新年度の役員らが考えている旨伝えられました」

 清水によれば、示談書を作ること、その調印を大野の家で行いたいというのは「新年度の役員らが考えていること」という。大野は寿会の理事であり、理事は役員である。ところが大野は清水がいう示談に関する「話し合い」には参加しておらず、それどころか「話し合い」があったことすら知らなかったことがこの供述から明らかである。

 しかも大野は、自分が寿会の役員であるにもかかわらず、この「話し合い」に加わらなかったことについてその理由も述べない。誓約書を交わした際、大野は清水に請われて立会人を務めた立場でもあるにもかかわらず、大野はなぜ「話し合い」に加わらなかったのか。

 寿会の役員であり、誓約書の際には立会人を務めた大野が、示談書の「話し合い」の存在自体を知らされなかったとは不自然というほかなかった。「話し合い」など本当にあったのかという疑念が生じたとしても仕方があるまい。

不可解な無関心

 また大野は、清水から示談書の調印の話は聞いたが、その中身について何らかの説明を受けたとも、自ら確認したとも、それをうかがわせる供述はいっさいしていない。内容については聞いていないということと理解していいのではあるまいか。

 そもそも誓約書は、大野が「(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば(清水澄江会長ら)現執行部も話し合いに乗れるんだから」と発言したことをきっかけに作成されたことになっている(清水らの供述による)。しかし、誓約書には「山川が横領を認めて謝罪する」旨の内容が盛り込まれておらず、「正式な示談書を取り交わす必要があるのではないか」ということになったと清水は供述している。「正式な示談書」とは、「山川が横領を認めて謝罪する」旨の内容が盛り込まれたものという趣旨であると理解できよう。

 つまり清水や大野の供述によれば、示談書の作成に至る一連の経過のきっかけは「大野発言」にある。ところが清水は、大野に場所の提供は求めても、示談書の内容は話さなかったようである。一方、問題解決に向けた道筋を最初に提案し、誓約書の立会人も務めた大野もまた、最終的な決着点であるはずの示談書の内容について清水に問いかけもしなかった。

 山川に対して「「(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ」といった人物なら、当然、誓約書の内容にも不満を持っていておかしくない。とすれば、その大野が示談書の作成に向けた「話し合い」が行われたこと自体を知らず、さらに示談書を作成することを知らされてもなお、その具体的中身について清水に聞きもしないとは、ますます不可解というほかなかった。示談書に対するこだわりにおいて、清水と大野の間にはそれほど大きな差があったということのようだった。

 なお、清水から示談書に関する連絡を受けた時期について、大野は「8月17日の後、数日してから、私は清水澄江さんから連絡を受けた」と供述するのみで、正確な日時についてはなぜか明言しなかった。

 誓約書で山川と並んで清水の相手方だった前会長の加藤は、8月25日の会合について「8月17日の会合後、清水さんから連絡を受けた」と供述している。その際、清水は「新役員らとしては、正式な示談書を作って終わりにしようということになった」と説明したという。しかし加藤もまたその中身について聞いたとは供述しておらず、清水からの連絡がいつだったのか、具体的な日時は述べない。

間接的な連絡

 さらに不可解なのは、大野が清水から連絡を受けた時点で、山川は示談書について何も聞かされていなかったことである。山川は大野から連絡を受けたのである。大野は清水から山川に連絡するよう依頼されたのだろう。大野から連絡を受けた状況について山川は次のように供述している。



(山川が供述する「大野から連絡を受けた状況」)

(誓約書から)1週間後の平成28年8月25日昼ごろ、大野さんから電話がありました。大野さんは「清水さんから示談書を取り交わしたいという連絡があった。ついては、今夜自宅に来てもらえないだろうか」というのです。大野さんから示談書の内容について説明はなく、私も職場だったので、「誓約書の内容がさらに確実なものになるのなら」と思い、「仕事の帰りなら伺えます」と回答しました。



 驚いたことに、示談書の最も重要な当事者である山川に、調印したいという日時の連絡があったのは当日の昼だった。夜の予定を押さえるのに、その日の昼に連絡してくるとは急な話だが、大野はなぜ当日の昼まで連絡しなかっただろうか。忘れていたのか、非常識なのか。

 示談書の内容について大野から説明はなかった。大野としても、清水から聞かされておらず、確認もしていないのだから、説明を求められても答えられるはずもなかったのだが。

 誓約書とは異なる新たな内容を盛り込んだ示談書を作成するということになれば、普通なら事前に当事者である山川に何の連絡もないということはあり得ないし、まして昼に連絡してきてその夜に調印ということもあり得ない。だから、山川としては、すでに誓約書を交わしているという安心感から、清水がいってきたという示談書なるものは、自筆で書いたものを活字できれいに書き直す程度のものと考えたのだろう。

 ところで、清水は大野と山川と並ぶ相手方である加藤に対しては自分で連絡したにもかかわらず、山川への連絡だけはなぜ自分でしなかったのか。仮に電話した際に示談書の趣旨について山川から聞かれた場合、答えられるのは清水しかいない。清水は山川から質問される可能性があるとは考えなかったのだろうか。

 通常、これほど重要な連絡を、事情も知らない者に依頼することはあり得ない。そう考えると、むしろ清水は山川からなんらかの質問をされる可能性があると考えたがゆえに、あえて自分では電話しなかった、事情のわからない者に連絡させたということだったのかもしれない。とすれば、当日の昼に連絡したことも同じ理由で説明がつくのではあるまいか。

(つづく)
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