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多摩湖寿会事件 第66回
誓約書を反故にする示談書

 平成28年8月17日、清水は山川との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書を交わしたあと、4日後の同年8月21日、多摩湖ふれあいセンターで朝木と会い、それまでの経過を説明した。誓約書の内容からすれば、山川による不適切な会計処理の問題は、山川が簿外で保管していた金を返還したこと、および誓約書を交わしたことによってすべてが終結したものとみることができた。

 ところが、清水が朝木と会った翌日の平成28年8月22日、朝木は山川が「横領を認めて謝罪する」とする条項が記載された示談書を作成し、清水に届けた。示談書は誓約書の内容を覆すものにほかならない。

 誓約書には「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」と書いてある。一方、加藤によれば、示談書には山川が「横領を認めて謝罪する」との文言があったという。

「横領を認めて謝罪する」とはすなわち、寿会側(清水澄江会長側)が山川に対して「金銭的な内容」について追及し、山川がこれに応じたということを意味する。誓約書を交わしたわずか4日後に、清水は上記の示談書を作成しようとしていた。

 示談書の内容が誓約書の条項に反するものであることは、誰が見ても明らかである。誓約書の内容を否定する示談書を作成することを、寿会の役員がそうやすやすと受け入れるだろうかという疑問が出てくるのは、常識的にみて、むしろ当然ではあるまいか。少なくとも誓約書の当事者である山川が、その内容を覆す内容の示談書の作成に同意することは考えられなかった。

あり得ない「話し合い」

 誓約書を交わしたあと、「役員の間で示談書について話し合いが行われた」と清水は供述する。それが仮に事実だったとしても、それ以前に「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書を交わしている以上、その「話し合い」には当然、示談書の当事者である山川をはじめ、前会長の加藤も立会人の大野も参加させなければならないのではあるまいか。

 ところが、誓約書の重要な当事者である山川も前会長の加藤も、大野もその「話し合い」には参加しておらず、その内容についてはもちろん、そんな「話し合い」が行われたことすら知らなかった。こんな理不尽な「話し合い」があり得るだろうか。

知っていたのは2人だけの可能性

 示談書の内容について、清水が指定した調印当日まで、清水以外の出席者の誰もがその内容を知らなかったとはどういうことを意味するだろうか。確かなのは、調印日以前に示談書の内容を知っていたのは、示談書を作成した朝木と、朝木に示談書の作成を依頼した清水だけだということだった。

 すると、最も考えられるのは、清水の供述する誓約書後の役員間での「話し合い」など存在しなかったのではないかということである。誓約書から4日後の平成28年8月21日に清水と朝木が会ったことは疑いがない。その場で清水が朝木に示談書の作成を依頼し、朝木は翌日の同年8月22日に作成した示談書を清水に渡した。

 この事実から確かなのは、少なくとも清水と朝木だけは示談書の作成とその内容について話し合ったということであり、朝木が作成する前に、この2人だけは示談書の内容を知っていたということである。さらに、この2人以外に、平成28年8月25日以前に示談書の内容を知っていた人物の名前はどこにも出て来ず、「話し合い」なるものが、いつ、どこで、誰が出席して行われたのか、まったく明らかにされていないということだった。

 誓約書を交わしたあと、清水が朝木と会ったのは平成28年8月21日、多摩湖ふれあいセンターだった。2人が会った日と場所がこれほど明らかである一方、役員間の「話し合い」がいつ、誰が集まり、どこで行われたのかまったく明らかにされないとはどういうことであると判断すべきか。

 清水、朝木、大野、加藤の供述に現れた事実を総合すると、多摩湖寿会の役員が集まって示談書に関する「話し合い」が行われた事実など存在しないと判断するほかないのではあるまいか。そもそも、「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書を交わした直後に、それを反故にする示談書を作成する必要があるなどと誰が考えようか。つまり、誓約書の内容を反故にする内容の示談書を作成することを相談し、決定したのは清水と朝木の2人であるという結論にならざるを得ない。

「示談書」の意味合い

 そもそも示談とは、裁判に訴えられる可能性のある者が、裁判になるのを避けるために話し合いで解決できないかと相手方に持ちかけるものである。つまり寿会の場合をみると、不適切な会計処理をした山川の側が持ちかけたというのならまだわかる。ところが有利な立場にあるはずの寿会の側が示談書の作成を求めるとはどう考えてもおかしな話なのだった。

 するとこの「示談書」はどういう意味を持っているのだろうか。多摩湖寿会で起きた会計問題について、平成28年8月17日、東村山市は「問題ない」との見解を示し、寿会の清水会長らと山川らとの間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との誓約書を交わした。

 この会計問題は、本来なら誓約書によってすべて終結したはずである。しかし「これではまだ終わっていない」というのが示談書の意味合いではあるまいか。示談書が作成される経過の中に、「まだ終わりではない」、あるいは「これで終わらせるわけにはいかない」という強固な意思を秘めた者がいたということと理解できた。

(つづく)
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