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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第67回
こじつけの作成理由

 誓約書を交わしたにもかかわらず、また本来は示談を持ちかける側ではない清水が、あえて示談書を作成する必要があると考えたのはどういう理由によるのか。その点について清水は自分の陳述書では「まだ、正式な示談書というものは取り交わされていませんでした」としか書かれておらず、なぜ示談書が必要だったのかについては明言していない。

 ところが朝木は、示談書を作成した理由について次のように供述していた。

「山川さんを刑事告訴することについては、寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり、澄江さんから私に、示談書を作成してくれないかとのご依頼がありました」

 示談の当事者である清水が示談書を作成する理由について自らはいっさい述べず、朝木が清水から聞いた話として供述するのか。不可解というほかない。

 朝木の陳述書には上記の供述以前に「刑事告訴」の文言はいっさい登場しておらず、この文言は唐突に出てきたものである。平成28年8月17日に行われた寿会の会合の中で上記の朝木の供述のような話し合いがあったとすれば、清水や大野の陳述書の中に「刑事告訴」の文言が出てくるのが自然と思うが、清水、大野、加藤の陳述書の中には、刑事告訴について検討された旨の供述はおろか「刑事告訴」の文言さえ一言も出てこない。

 誓約書を交わしたあと、清水が示談書に調印させようとした平成28年8月25日までの間に関しても同様である。また「横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」とする方針の下で示談書が作成されたとすれば、同年8月25日、清水から山川に対してその旨の説明がなされるのが当然である。しかし当日、清水から山川に対して「横領を認めて謝罪する」旨の示談書に署名捺印すれば刑事告発はしないとする説明はなかった。

 これらの事実は何を意味するだろうか。上記の示談書作成の前に寿会内で「刑事告訴」が検討されたかのような朝木の供述は、不自然きわまる示談書の作成の理由をこじつけるための方便としてひねり出されたものにすぎない――そうみるのが自然である。

自ら虚偽を明らかに

 その証拠に、朝木はその後の平成28年11月30日、一般質問で東村山市長に対して「山川を刑事告発すべき」と主張した後、傍聴席にやってきて、清水にこう話しかけた。

「(市長が告発をやらないから)こっちで告訴するしかないよ」

 朝木は陳述書で清水から聞いた話として「(示談書で)横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」とする趣旨で示談書を作成したという。その示談書に山川は署名しなかった。しかし、その時点で寿会は告訴をしていない。その一方で「東村山市が告発しないからこっちで告訴するしかない」と発言するとはどういうことなのか。

 朝木は陳述書で山川が示談に応じるか否かにかかわらず、多摩湖寿会の会計問題を議会で追及することを決めたと供述している。その最終目的が、東村山市長に山川を刑事告訴(あるいは告発)させることだったことは平成28年11月30日に行った一般質問の内容からも明らかである。

 東村山市に山川を告訴させるためには、「多摩湖寿会において山川による犯罪行為(横領)があった」ことを市に認識させなければならない。「横領」という犯罪行為を確かな根拠をもって立証するのは簡単なことではない。しかし、わかりやすい方法が1つあった。それが山川に、「横領を認めて謝罪する」との文言が記載された示談書に署名捺印させることだった――こういうことではなかっただろうか。

示談書の本当の狙い

 朝木が今回の会計問題を最初に議会で取り上げたのは平成28年9月議会である。同議会の一般質問の通告期限は同年8月24日だった。清水が山川との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書を交わしたあと、朝木に最初に会ったのは同年8月21日である。

 朝木にとって、同年8月24日の質問通告締め切りまでに、山川に「横領を認めて謝罪する」とする内容の示談書に署名捺印させるのがベストだった。そうなれば、朝木は堂々と「山川は横領を認めている。この示談書がその証拠だ」と議会質問の中で断定することができる。これが朝木の思惑だったのではあるまいか。

 だから朝木は、質問通告に間に合わせるために、示談書の作成を急いだ。朝木が清水から「依頼された」という示談書を、その翌日の同年8月22日に届けたのにはこのような背景事情があったのだと推測できよう。

 示談書に調印させるために清水が設定した日程は、何かの事情で、朝木の思惑に反し、同年8月25日にずれ込んでしまった。しかし、質問通告の締め切りは過ぎたが、通告はしていなくても、「横領を認める」とする示談書に山川が署名捺印したという事実があれば、「山川は横領を認めている」と主張することはできる。朝木が一般質問で「山川は寿会の金を横領した」と主張するには十分な材料となっていただろう。

 同年12月議会で朝木が山川を告発するよう迫ったのに対し、市長は「本人も横領を否定している」などとして告発の意思がないことを明言した。これは一般に、「横領」を認定するには本人がそれを認めていることが必要とされていることをふまえた答弁である。

 朝木もそのことを知っていた。だからこそ一般質問の前に、「横領を認めて謝罪する」旨が記載された示談書に署名捺印させたかったのだろう。市長に告発を迫るには、平成28年12月議会に間に合えばそれでよかったはずである。

示談書はワナか

 平成28年8月21日に清水が朝木に会ったとき、すでに「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書が交わされていたこと、その後、寿会役員の間で示談に関する話し合いが行われていた形跡がいっさい存在しないこと、誓約書の当事者である山川、新役員の大野、前会長の加藤が、調印の当日まで示談書の内容をいっさい知らなかったこと、そもそも示談書の内容が誓約書を反故にするものであること――これらの事実を総合すれば、「『山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべき』との理由で示談書を作成した」とする朝木の供述を信用するには無理があるというほかない。

「横領を認めて謝罪すれば刑事告訴はしない方針だった」という話が事実なら、示談書への調印前に、清水から山川に対して相当の事情説明なり相談がないはずがない。しかし山川には示談書の内容はいっさい知らされず、しかも調印の日程を知らされたのは当日の昼という差し迫った時間だった。つまり、示談書は多摩湖寿会が今回の事態を収めるためのものなどではなく、山川を犯罪者に仕立て上げるため、告訴告発のためのワナだった可能性がきわめて高い。

(つづく)
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