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多摩湖寿会事件 第68回
事実の裏付けを欠く「経緯」

「横領を認めて謝罪する」旨が記載された示談書の目的は、山川が署名捺印することによって多摩湖寿会がことを収めようとするものではなく、朝木と清水が山川を「横領」容疑で告訴(東村山市に対しては告発させること)するための根拠にすることにあった可能性が高い。ことを穏便にすませようとする目的だったとすれば誓約書で十分だったのであり、それでもまだ足りないというのなら、事前に山川や加藤前会長になんらかの話がなければおかしい。

 では、いったいどんな経緯で示談書を作成しようということになったのだろうか。清水は次のように供述している。

「私は、朝木議員に連絡し、経緯を伝え、資料を見てもらい、示談書の案を作ってもらえないか、と頼みました。」

 清水がいう「経緯」とは、1つは平成28年8月17日に山川との間で誓約書を交わしたこと、さらに清水が「経緯」として供述しているのが、「新年度の役員の間で話し合ったところ、正式な示談書を取り交わす必要があるのではないか、との意見が多くでました」という事実だった。

 しかし、これまでみてきたとおり、新役員である大野は調印の日まで示談書の内容を知らなかったし、同じく新役員の小川康子は示談書の件には触れてもいない。清水自身も「話し合い」があったというだけで、それがいつ、どこで、誰が集まって行われたのか具体的な説明はしない。

 それに何より、示談書が誓約書の内容を覆すものである以上、誓約書の当事者である山川に調印の当日までなんら中身を教えないというのは通常はあり得ない話だった。これらの状況は、清水のいう示談書に関する「話し合い」など行われていないと推測するに十分であるというほかなかった。

 すると示談書の作成を朝木に頼んだ経緯に関する清水の説明のうち、「新年度の役員の間で話し合ったところ、正式な示談書を取り交わす必要があるのではないか、との意見が多くでました」との部分については、虚偽だということになる。

 一方朝木は、「清水さんから示談書の作成を依頼された」とし、その経緯について「寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり」と供述している。しかし、そもそも寿会役員の間で示談に関する「話し合い」が行われた形跡は認められないから、朝木が供述するような「慎重な意見が出ているとのことであり」というのも事実に基づくものではないということになる。

前言と矛盾する供述

 朝木が供述する示談書作成の経緯については、朝木自身のもう1つの供述がその信憑性をさらに否定している。朝木は上記の「経緯」を述べた直後に、次のように供述している。

「この一般質問の通告の段階(筆者注=平成28年8月24日)では、(山川さんが横領を認めて謝罪し、お金を返せば)刑事告訴をとりやめる可能性があった」

 この供述によれば、同年8月22日に朝木から示談書を受け取った清水は、質問通告の締め切り期日である同年8月24日までに(締切日に合わせて)山川から署名捺印を取り付けるつもりだったことがうかがえる。当然、このことは朝木の要望でもあったのだろう。通告の締め切りに間に合えば、「山川は寿会での横領を認めて謝罪した」と、質問通告書に堂々と記載することができるのである。

 しかし現実には、清水の何かの事情によって日程の調整ができず、調印のための会合は同年8月25日にずれ込んだもののようだった。ただ、調印のための会合は通告締め切りには間に合わなかったものの、朝木の一般質問には十分に間に合う時期に設定された。

 清水が山川に示談書を示し、山川が署名に応じていれば、「刑事告訴をとりやめる可能性があった」と朝木は供述している。言い換えれば、山川が示談書に署名捺印しなければ、多摩湖寿会は山川を刑事告訴するつもりだったということになる。朝木がいうように、多摩湖寿会として本当にそんな意図があったのか。

 同年8月25日、山川が示談書への署名捺印を拒否したのに対し、多摩湖寿会が山川を刑事告訴した事実はない。この事実は、多摩湖寿会として、山川が「横領を認めて謝罪する」趣旨の示談書に署名すれば刑事告訴はしないなどという考えなどなかったことを示している。したがって、示談書の目的は山川を告訴するか否かを決定しようとするものではなかったということになる。

 すると、「寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり」とする示談書の作成に関する朝木の供述はなぜこれほど事実と矛盾しているのだろうか。その理由は、朝木が示談書の本来の目的を隠そうとしているからであるとみるべきではあるまいか。示談書の本当の目的は、山川に「横領」を認めさせることにあった。少なくとも、そのような趣旨の文書を形として残すことにあったのではないのだろうか。

 朝木、清水、大野らの陳述書に現れた事実を総合すると、朝木が示談書を作成した目的は、当然、今度こそ山川を告訴するためだった――こうみるのが自然であるように思われる。

(つづく)
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