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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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少年冤罪事件 第7回
東京地裁八王子支部が「極めて特異」と断定

 本人尋問の最後で代理人から、

「今、こういうふうに裁判になっているんですけれども、今のお気持ちはどういうお気持ちですか」

 と聞かれた少年は、

「めんどうくさいです」

 と答えただけだった。少年にとっては、なぜ自分がこのような目にあわねばならないのか、その理由さえも理解できないというところだったのだろう。普通なら、虚偽告訴罪で反訴してもおかしくないところだが、少年にとっては1日も早く裁判の煩わしさから解放されたい、矢野という人物との異常な関係を終わらせたいという思いだけだったのかもしれない。それも無理からぬところだろう。

 それまで会ったこともない人物から訴えられるという、世の中の常識ではあり得ない裁判の判決が言い渡されたのは平成12年4月26日である。少年がある日突然、「暴行犯」として警察に突き出されてから4年半がたっていた。東京地裁八王子支部(畔柳正義裁判官)は次のように述べて矢野の請求を全面的に棄却した。

〈原告(矢野)が被告(少年)を本件暴行事件の犯人である旨断じた根拠は専ら原告の記憶にあるというのであるが、記憶の曖昧さは経験則上明らかであるから、仮にも公職にある者がこの曖昧な記憶に基づき、しかも司法警察職員による捜査がなされながら刑事訴追の手続きが執られていない被告を名指しで犯人であると断定している点において極めて特異であると言わねばならない。〉

〈原告は、記憶にある犯人の特徴を「茶髪」「顎がしゃくれている猿顔」「浅黒い肌」「甲高い声」の4点を挙げているが、「茶髪」「浅黒い肌」「甲高い声」の3点は際立った特徴と言える程のものではなく、現にこの点についての原告の供述は漠然としたものでそのように認識したという程度に過ぎない。
 結局原告が挙げている犯人の特徴というのは「顎がしゃくれている猿顔」ということになりその特徴を正確に表現することは困難なのであろうが、法廷での印象では、被告の顔だちに際立った特徴があるとは思われない。
 そうすると、犯人の特徴が際立っていたから原告の記憶に信頼がおけるなどという状況にはなかったのであるから、ほかに裏付ける証拠の全くない本件では原告の記憶の正確さには極めて疑問があると言わねばならない。〉

 少年にはまったく身に覚えがなく、警察に突き出されるまで矢野とは会ったこともなかった。それでも矢野は、この少年の顔をはっきり記憶しており、暴行犯に間違いないと主張していたのだから、たんなる人違いでも矢野の思い込みでもない。少年が暴行犯だったことについて証言を依頼した若者が裁判所に対して「逆恨みされる恐れがある」として出廷を拒否したことに対する矢野の曲解、こじつけの事実からも、矢野が意図的に少年を暴行犯に仕立てようとしたものであることは明らかというべきだった。

 矢野が「はっきり記憶した」と主張する犯人の特徴からしてこれほどの曖昧さである。まして、矢野が延々と述べた「事件発生時の状況」となればなおさら曖昧なのではないかと思われても仕方あるまい。

 判決の中の上記の一節が、矢野の訴えの異常さと矢野の主張に対する裁判所の強い意思を示していた。


(第8回へつづく)

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