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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第77回
加藤前会長を最初に尋問

 平成30年5月22日に行われた証人(本人)尋問は、最初に多摩湖寿会前会長の加藤幸雄、次に被告の朝木直子、多摩湖寿会会長の清水澄江、最後に原告山川昌子の順で行われることになっていた。この順番は裁判長が決めたものである。

 最初に訊く証人として裁判官から指名された加藤は今年84歳、山川が会計を務めていた平成24年度から平成27年度まで多摩湖寿会の会長を務めていた。その満4年間、特に山川との間にトラブルもなく、むしろ他の副会長ら役員と協力して寿会を運営してきた。

 会長となって以後、平成28年に迎える多摩湖寿会50周年の記念事業を行うことを長期的な目標にしていた。しかし、平成28年5月に行われた総会で、清水澄江が予期せぬかたちで、賛成多数によって多摩湖寿会の新会長に選出され、加藤は50周年を目前にして会長を退くことになった。

 加藤の尋問にあたって、重要な論点になるとみられていたのは、①会計に不足金があるとして清水澄江から請求書を送付されるより前に、山川が簿外の保管金について加藤に相談していたというのは事実かどうか②「おくたま路」での入浴の事実はあったかどうか(清水は「おくたま路」での入浴はなかったにもかかわらず、山川は「入浴料」として1万円を計上して着服したと主張している)③「山川は福祉募金を盗んだ」とする清水の主張について(山川は平成24年度の福祉募金について、帳簿に「入金」を記載せずに「出金」だけを記載した。これは福祉募金を出金したとみせかけて着服したのだ――清水はこう主張している)――などである。

事前相談の有無について

上記の論点について、加藤はまず主尋問(清水および朝木側代理人による尋問。当然、清水、朝木側に有利な供述を引き出す目的で行われる)で次のような供述を行った。



(加藤の主な供述1)――主尋問

①山川は清水から請求書を送付されるより前に加藤に相談していたか否か
(この点について山川が加藤に上申書を依頼したところ、当初は「山川が清水から請求書を送付されるより前に、50周年記念事業のために簿外で保管していた金があること、及びこれを多摩湖寿会にどう返還すべきかについて相談に来たこと」を認めたが、その後「山川が来た目的は書けない、来たことだけなら認める」と証言を翻したという経緯がある)

清水代理人  山川さんによると、不正会計について問題になるより前の平成28年の6月17日の午後4時頃に、あなたの自宅へ行って、寿会50周年の記念事業のために簿外で保管していたお金のことで相談したということなんですけど、こういう事実はあったんですか。

加藤  ありません。なぜなら、24年から私が会長を務めてたときに、最初から50周年記念事業については役員会に諮っておりました。それに対して何ら具体的な発言はありません。よって、当日もそのとおりです。

代理人  この積立金(筆者注=50周年記念事業のための銀行積立金)のほかに、50周年記念事業のために山川さんが保管してるお金がある、そういうことは聞いたことがありますか。

加藤  ありません。




 加藤は清水代理人の質問に対して、「清水が山川に対して請求書を送付するより前に、山川が簿外に保管していた金について相談に来た事実も、簿外に50周年記念事業のための保管金があるという話も聞いたことはない」と答えた。

「上申書を作成した事情」

 では、当初は清水が山川に対して請求書を送付するより前に簿外の保管金について相談に来た事実を認める上申書を作成したのはどういう事情によるものだったのか。



(加藤の主な供述2)――主尋問

 清水代理人は、この上申書を作成したのが山川であり、加藤はそれに署名捺印したものであることを確認した上で次のように聞いた。(※筆者注=裁判所などに提出する上申書や陳述書、準備書面といった書面は、代理人などが作成したものに提出する本人が署名捺印し、本人が作成したものとするのであり、実際にその文書を誰が作成したのかは問われないのが通常である。したがって、加藤の署名捺印がある上申書を作ったのが山川であることを確認したのは、その上申書が「加藤の意思によるものではない」ことを印象付けようとしたものと思われる。)

代理人  この上申書にあなたが署名して判こをついたのはなぜですか。

加藤  先ほど裁判長様に申し上げたとおり、私は持病として気管支ぜんそくと肺気腫を患っていて、当日はなおかつ高熱で伏せっており、それにもかかわらず、当日寒いのに、どうしても裁判所に提出しなければいけない書類なので是非署名捺印していただきたいと、執ように迫られました。それでやむなく中身を確認もせずにサイン、印鑑を押したということです。



 山川によれば、加藤が当初の上申書を撤回したいと電話してきた際、「保管金のことは知らなかったと大野さんにもういってしまった」「今ごろ知っていたといえば、東村山に住んでいられなくなる」などと言い訳したというが、清水代理人の質問に対してはそうはいわなかった。

 最初の上申書を撤回したあと、加藤は「同じ日に山川が自宅に来た」というだけならいいとし、それだけを記載した上申書を山川に渡した。「事実に反する記載が消去されてたから、この上申書には署名して判こをついて山川さんに渡したということですか」というこの点に対する代理人の質問に、加藤は「はい、そうです」と答えた。

 山川が清水から請求書を送付されるより前に、「50周年記念事業のために簿外で保管していた金の返還方法について山川が相談に来た」というのが事実に反するというのなら、加藤なぜ「山川は自宅にやってきた」というだけの上申書を山川に渡したのだろうか。たんに最初の上申書を撤回し、上申書の提出を断ればそれでよかったのではあるまいか。

 加藤が「山川が来た」というだけの上申書を山川に渡したのは、50周年記念事業のために山川が簿外で保管していた金があることを知っていたというのはまずいから、その部分をカットしたら結果的に「山川が来た」という部分だけが残ってしまった――というのがやはり合理的な理由のように思えてならない。

(つづく)
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