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多摩湖寿会事件 第80回
客観的事実と矛盾する「大野発言」

 多摩湖寿会前会長、加藤幸雄に対する尋問に戻ろう。

 加藤に対する尋問で次に注目されたのは、誓約書作成までの経緯と記載内容の趣旨、さらに示談書の経緯についてである。

 平成28年7月17日に清水澄江と山川、加藤の間で交わされた誓約書には「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との遵守項目がある。ところが清水によれば、誓約書を交わしてからわずか4日後の同年7月21日、清水は朝木に対して「(山川が)横領を認めて謝罪する」旨の条項を含む示談書の作成を依頼した。誓約書に記載した誓約を反故にする内容の依頼である。

 誓約書の立会人である大野は陳述書で、誓約書を交わしたその席で「(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば……」と山川に伝えた(以下=「大野発言」)とし、「清水さんら新年度の役員からは、公の職に就いている人間が横領だなんて考えられない、公の職からは身をひいてもらわないといけないという発言がありました」と供述。清水も大野が上記発言をしたと供述している。

 大野が山川に対して「詐欺横領だよ」といったと供述しているにもかかわらず、誓約書には山川が横領を認めて謝罪する趣旨の文言は含まれていない。だから、誓約書に盛り込まれていない「山川が横領を認めて謝罪する」との文言が入った示談書を作成する必要があったと清水は主張したいようだった。

 しかし一方、誓約書の「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言を加えるようアドバイスしたのは大野であると山川は主張している。誓約書に「山川は横領を認めて謝罪する」との文言が記載されていないことは、上記の山川の供述と矛盾しない。むしろ、大野や清水が供述するように、「大野発言」があったにしては、誓約書にその趣旨が一言も盛り込まれていないことは不自然というべきではあるまいか。

 つまり、「大野発言」は「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との文言が記載された誓約書という客観的事実と矛盾するというべきではあるまいか。清水と大野自身が供述するように、誓約書が交わされた席で「大野発言」は本当にあったのだろうか。

 事実との齟齬は別にして、「大野発言」があったことが事実とすれば、清水が誓約書を反故にする内容の示談書を作成したことについても、一応、理由があったことになる。また、示談書の作成が、清水と朝木の独断専行ではなく、新役員も同意見だったということになるのである。

「大野発言」を認めた加藤

「大野発言」は存在したのか。この点に関する多摩湖寿会前会長、加藤幸雄はどう答えたのか。まず被告側(清水、朝木側)弁護士が質問する主尋問から紹介しよう。



(「大野発言」に関する加藤に対する主尋問)

清水代理人  協議の場で、参加者から山川さんに対して、山川さんの会計処理が詐欺横領だというような、そういう指摘はありましたか。

加藤  ありました。

代理人  詐欺横領という指摘をしたのは誰ですか。

加藤  大野さんです。

代理人  大野さんから詐欺横領だという指摘がされて、山川さんは反論とか否定、弁明というのはしたんてすか。

加藤  反論はありませんでした。



 加藤は誓約書を交わした場で「大野発言」はあったと供述した。したがって、上記の供述内容が真実を述べたものであるとすれば、誓約書には「山川が横領を認めて謝罪する」との文言が含まれていないから、清水と朝木が同趣旨の文言が記載された示談書を新たに作成したことにも正当な理由があるということになる。

一応の整合性

 では、示談書について加藤はどんな供述をしたのか。



(示談書に関する加藤に対する主尋問)

清水代理人  (平成28年)8月25日にも、山川さんの問題について寿会の関係者で話し合いが持たれましたね。

加藤  はい。

代理人  このときは、用件や内容について大まかにでも事前に聞いていたんですか。

加藤  はい。これは当日集まった人たちで、なるべく早く処理しないと、事が事だけに後々尾を引くし、大変なことになると。……なるべく早く解決したいということで集まりました。



 加藤は示談書作成のための会合が行われた平成28年8月25日より以前に、示談書の内容について聞いていたと供述した。誓約書には「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」と記載されているが、その上で「なるべく早く解決したい」ということになったとは不可解な話ではあるまいか。

 加藤は「なるべく早く解決したい」という話を聞いたとする時期について明言しなかった。誓約書が交わされたのは同年8月17日であり、そのわずか4日後の同年8月21日、清水は朝木に示談書の作成を依頼しているから、8月18日から8月20日の間に「なるべく早く解決したい」という話が出たということになろうか。

 誓約書が交わされた平成28年8月17日に「大野発言」があったとする大野や清水、加藤の供述は、誓約書の「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」という記載とは矛盾するもののように思える。しかし、示談書のあと、さらに寿会の中で「なるべく早く解決したい」という話があり、それを聞いていたとする加藤の供述が虚偽でなければ、「大野発言」があったとする供述にも、一応の整合性がないとはいえないことになる。

 しかし、山川が行った反対尋問で、加藤は馬脚を現したようにみえた。

(つづく)
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