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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第81回
聞いていなかった前会長

 山川が多摩湖寿会会長の清水澄江との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との誓約書を交わした席で、立会人の大野昇が「(山川さんがやった)行為自体は1円でも横領、詐欺だよ。収めるには不祥事として、(山川さんが事実を)認めて頭をきちんと下げれば……」と山川に話した(以下=「大野発言」)と大野や清水、前会長の加藤幸雄は供述している。加藤が本人尋問で、誓約書のあとさらに示談書を作成する動きがあったことについて、役員の間で「なるべく早く解決したい」という話があり、その内容を「聞いていた」と供述したことは、それが事実であるとすれば、示談書を作成することについて寿会役員が合意していたこと、さらに「大野発言」があったとする主張に一応の信憑性を与えるものと評価できよう。

 山川は主尋問を受けて、反対尋問で同じ内容について聞いた。



(示談書に関する加藤に対する反対尋問①)

山川
  ……朝木さんの陳述書によると、誓約書を作成した翌日の8月18日から8月20日までの本当に数日の間に、役員の中から、示談を持ちかけてみて横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方針で収めるべきということの話が出たことになります。……加藤さんは、平成この同じ28年の8月20日までに、寿会で刑事告訴に関する話が出たと聞いてますか。

加藤  いえ、聞いておりません。



 朝木は陳述書で、示談書を作成することになった理由について次のように供述していた。

「山川さんを刑事告訴することについては、寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談を持ちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり、……」

 と。清水も陳述書で「示談書を交わす必要があるのではないかとの意見が多くあった」(趣旨)と述べている。いずれも示談書を交わすという趣旨だから、加藤が「役員の間で『なるべく早く解決したい』という話を聞いていた」という話が事実とすれば、その中で当然、刑事告訴の話も出ていなければおかしい。ところが加藤は、刑事告訴の話は「聞いていません」と答えたのである。

「山川さんに示談を持ちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」という朝木の供述からすれば、示談書と刑事告訴はセットで出てきた話ということになる。したがって、刑事告訴の話は「聞いていない」という加藤の供述は、示談書を作成する理由についても聞いていないといっているに等しい。すると、主尋問で「なるべく早く解決したい」という話を聞いたとする加藤の供述は虚偽だったということになるのではあるまいか。

打ち合わせになかった質問

 このことは、示談書を作成することになった理由として朝木が供述する上記の理由(「山川が横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」)もまた虚偽ではないかという疑いを生じさせる。実際に朝木の供述する話し合いが寿会役員の間でなされたとすれば、それが誓約書の当事者であり、示談書の署名の場にも呼ばれている前会長の加藤に伝えられないというのは常識的にあり得ないからである。 

 反対尋問における「『刑事告訴』に関する話は聞いていない」という加藤の供述は、「示談書作成の理由を聞いていた」とする主尋問における加藤自身の供述のみならず、示談書に関する朝木の供述も嘘であることを自白しているように思える。加藤は主尋問で示談書の内容について「多少でも聞いていたか」と聞かれて「はい」と答えたことを忘れていたのだろうか。

 そのこと自体が、主尋問でのやり取りが加藤の体験に基づくものではなく、弁護士との打ち合わせに基づくものでしかないことをうかがわせた。実際に、役員の間で「山川さんに示談を持ちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない」などという話が出たのだとすれば、その場にいた加藤が「聞いていない」と答えるはずがない。

 加藤は打ち合わせの際に聞かされていなかった「刑事告訴の話」を持ち出され、思わず正直に「聞いていない」と答えてしまったのではあるまいか。加藤は山川から打ち合わせにない質問をされ、加藤は早々に馬脚を現したということになろうか。

 山川は8月25日に大野宅で清水から示談書を突き付けられるまで、その内容はいっさい知らされていなかった。最も重要な当事者である山川が署名捺印の直前まで知らされていなかったものを、準当事者である加藤だけには知らされていたとすれば、それはそれで不可解な話である。山川が示談書作成の直前までその内容を知らされていなかったという事実から見れば、加藤が事前にその内容を聞かされていたとしても、またそうでなかったとしても、どっちに転んでも、示談書に関する清水の行動は不自然という以外にないのだった。

前会長の開き直り

 山川はさらに、平成28年8月25日に大野宅で行われた示談書作成のための会合について聞いた。



(示談書に関する加藤に対する反対尋問②)

山川
  では、示談書を作成するという目的で大野さん宅に集まりましたけれども、これが8月25日でございました。8月25日の話はいつ聞きましたか。

加藤  それよりも、あなたはなぜこういう問題が起きてるのに、一つ一つ釈明しなかったんですか。釈明さえして、それが明らかになってれば、こういう問題に発展しなかったわけです。



 今度は、加藤は山川の責任を追及するような発言をし、示談書作成を8月25日に行うことをいつ連絡されたのかという質問には答えようとしなかった。

 示談書の最も重要な当事者である山川が、示談書作成をすることになったから大野宅に来てくれるよう連絡を受けたのは当日、8月25日の昼ごろである。示談書に署名捺印するという重要な会合を行うというのなら、通常なら1週間前には連絡するのが常識だろう。

 それも、連絡してきたのは当事者である清水澄江ではなく大野だった。山川への連絡が当日の昼ごろだったのだから、おそらく加藤もまた当日に連絡を受けたのだろう。あまりにも非常識な話であり、加藤も連絡を受けたのが8月25日だということになれば、アンフェアなやり方と受け取られかねない――だから加藤は、連絡を受けた日にちを答えなかったのではあるまいか。

(つづく)
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