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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第82回
回答を避けた前会長

 示談書を作成する日時について、山川同様に前会長の加藤もまた当日まで知らされていなかったようだった。山川は当日清水澄江から直接見せられるまで示談書の趣旨も内容も知らなかった。「刑事告訴」の件を聞いていないと供述した加藤も、示談書の内容を本当は知らなかったのではないだろうか。

 山川はその点について単刀直入に聞いた。



(示談書に関する加藤に対する反対尋問③)

山川  加藤さんは、8月25日の時点では私を刑事告訴するような話は聞いてなかったというふうに今お答えになりました。……加藤さんは示談書について、新役員が示談書を作って終わりにしようということになったというふうに述べてますが、これは清水さんからそう言われたからですよね。

加藤  覚えてません。



ここで山川がいっているのは、示談書について加藤が「聞いた」といっている内容は、この尋問にあたって「清水から、事実ではないけれども、『こういえ』といわれたとおりに答えただけですね」ということである。なかなかここまでストレートに聞けるものではない。

そう聞かれた加藤は、ここは本来なら「清水さんからそんな指示はされていない。自分が聞いたことをそのまま答えただけだ」と答えるべきだったろう。ところが、加藤は「覚えていない」と答えた。

  内容についてはともかく、清水澄江から指示されたかどうかを「覚えていない」というのは不自然である。そのような事実がないのであれば、即座に「そんなことはいわれていない」と答えられるはずである。それを「覚えていない」というのは、あとで嘘だったことがばれるとまずいことになると、加藤なりに判断したのだろうか。

「覚えていない」を連発

 さらに山川は、加藤が示談書作成の必要性について「聞いていた」と供述した点について、改めて聞いた。



(示談書に関する加藤に対する反対尋問④)

山川 
 次に、示談書の内容について、いつ誰から知らされましたか。

加藤  覚えてません。



 数分前、加藤は「(8月25日の)用件や内容について大まかにでも事前に聞いていたんですか」との清水代理人の質問に「はい。……なるべく早く処理しないと、事が事だけに後々尾を引くし、大変なことになると。多摩湖町町民の皆様の心がばらばらになると。これではせっかくの老人クラブの目的から外れる、逸脱するということから、なるべく早く解決したいということで集まりました。」などとすらすら答えていた。

 加藤が「聞いていた」というのが事実とすれば、「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする誓約書を交わした翌日の平成28年8月18日から清水が示談書に署名させようとした同年8月25日の前日である8月24日までの間しかない。期間は限定しているのだから、仮に日にちまでを特定できなかったとしても、だいたいの時期ぐらい答えられないほうがおかしい。

 また、多摩湖寿会の役員は限られている。加藤は「聞いていた」とする話の内容をわずか数分前に具体的に供述した。それが本当だったとすれば、聞いた相手の顔はすぐに思い浮かぶはずである。

 ところが加藤は、いつ、誰から聞いたかを「覚えていない」という。「『山川は横領を認めて謝罪する』とする内容の示談書に山川が署名捺印すれば刑事告訴はしない」という話も聞いていないと明言し、示談書に関する話をいつ、誰から聞いたかも「覚えていない」加藤が、示談書に関する説明を「聞いていた」とはとうてい信用できない話だった。山川が署名の直前に内容を知らされたように、加藤もまた8月25日の当日まで示談書の内容は知らされていなかったのではあるまいか。

 加藤はこの日の清水代理人による尋問では、「なるべく早く処理しないと、事が事だけに後々尾を引くし、大変なことになる」などと聞いていたと供述した。しかし、半年前の平成29年9月に提出した陳述書では、示談書について、

「新役員らとしては、正式な示談書を作って終わりにしようということになったとのことで」

 としか供述していない。陳述書の記載がたんに結論だけを述べているのに比べ、上記の尋問における供述の方は論議の過程をより具体的かつ迫真的に語ろうとしているように思える。

 誓約書には「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」という文言がある。この文言は常識で判断すれば、「これですべて終わり」という趣旨である。示談書に記載されていた「山川が横領を認めて謝罪する」との文言は、誓約書における履行内容を反故にするものにほかならない。

 したがって、誓約書の記載を覆す示談書を交わすにはそれなりの理由が必要となる。「新役員らとしては、正式な示談書を作って終わりにしようということになった」などということはあり得ないのである。そこで示談書の作成に正当な理由があると主張するために、尋問では陳述書とは違って、具体的な話を聞いたことにしたのではあるまいか。それは清水から指示されたとみるのが自然だろう。

 しかし、「清水から指示されたのか」との質問に「覚えていない」と答え、いつ、誰から聞いたかも「覚えていない」と答えたことで、加藤は示談書作成の理由について「聞いた」という内容のみならず、その事実さえも自ら否定してしまったのである。

(つづく)
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