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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第84回
目安となる加藤供述

 加藤の供述は後の2人の供述の信憑性を測る上で目安となる。加藤の次に証言台に立ったのは朝木直子である。朝木も清水側の当事者だから、加藤が供述した事実関係に反する供述をすれば、信憑性に疑念が生じることになる。

 加藤や朝木が事実に基づく証言をするだけなら、加藤の供述との間に齟齬が生じる心配をする必要はない。しかし、すでに加藤の時点で主尋問と反対尋問で矛盾が生じている。加藤の供述と矛盾が生じることはないのか――この点も、その後に行われる朝木と清水に対する尋問の注目点だった。

 山川の側からみて、朝木に対する尋問の焦点は、①示談書の作成にどのように関わったのか、②示談書を必要としたのは清水だけではなく朝木も同様だったのではないか、③平成29年12月議会で朝木が「福祉募金」に関する質問を行い、山川が会計帳簿に入金を記載せず出金だけを記載したことについて、「山川は社協から指導されたのでそのように記載したと説明している」と虚偽の主張をしたことについて――などである。
※筆者注=山川は、多摩湖寿会の会計に就いた最初の年度、福祉募金の帳簿への記載について、認識不足から「出金」のみを記載し、「入金」を記載しなかった。翌年の会計監査の際、社協の担当者から「福祉募金は帳簿に記載しないように」と指摘され、以後は福祉募金についてはいっさい記入していない)

主尋問では正当性を主張
 
 朝木は主尋問でこれまでの主張をなぞるように供述し、議会での発言および『東村山市民新聞』の記事について公共性と公益性があり、また山川の不適切な会計処理を横領と考えたことについても相当の理由があると主張した。その内容は、すでに提出していた陳述書における供述と変わりがないもの、つまり朝木の主張の範囲においてまったく破綻のないものだった。

これに対して、山川が反対尋問で最初に訊いたのは示談書の作成についてだった。朝木が示談書を作成するに至った経緯について、朝木は主尋問で「清水さんから(作成を)依頼されました」と述べた上で次のように供述した。

朝木  やはり、役員というか地域へこの件について影響は大きいので、中には、示談書が作成されれば刑事告訴は控えようというふうな声があるので、示談書を作成してほしいというふうに言われました。

「示談書を作成する」とは、当然、山川が「横領を認めて謝罪する」という意味である。

朝木は陳述書で「役員からの意見」について、

「山川さんを刑事告訴することについては、寿会の役員からも『もう一度、山川さんに示談をもちかけてみて、横領を認め謝罪すれば刑事告訴はしない方向で納めるべきだ』という慎重な意見が出ているとのことであり」

 と供述している。朝木の上記の説明が事実とすれば、示談書の作成をめぐっては多摩湖寿会内でなんらかの話し合いの場があり、そこで出てきた「意見」ということになろうか。

「いつ、誰が」の回答を回避

「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」との誓約書を交わしたのが平成28年8月17日で、清水が朝木に示談書の作成を依頼したのが同年8月21日だから、「役員から示談書を作成すべきとの意見が出た」のは同年8月18日から同年8月20日の間のいずれかということになる。では、朝木が「清水から聞いた」という「役員の意見」とは、清水はいつ、どこで「聞いた」といっているのか。示談書に関して山川が反対尋問で最初に聞いたのはその点だった。



(示談書についての朝木に対する反対尋問①)

山川 (寿会で)刑事告訴の話が出たのは、いつどこで誰からだったでしょうか。

朝木  8月の21日にお話をしたときも、そもそも山川さんの誓約書を書く際にも、警察に行くかどうかという話を役員の間でしたというふうに私は伺っております。それから、これは清水澄江さんからも当然警察に行くべきかどうかというお話はその8月の21日にも出ておりましたし、これは刑事告訴をするべきだというふうなお話も伺っております。



 朝木が陳述書で述べた「刑事告訴」に関する供述が誓約書の時点ではなく、誓約書を交わした後のことであるのは明らかである。それが「いつ、誰から出たのか」と山川は聞いているのだった。

「いつ、誰から刑事告訴の話が出たのか」という問いに対する回答は日付と名前だけでいい。しかも日付は平成28年8月18日から同8月20日までの3日に絞られている。しかし、朝木は「刑事告訴をするべきだという話を聞いた」というばかりで、肝心の、それがいつ、誰の口から出たものであるのかについては答えなかった。それどころか、尋問における供述内容は、「役員の間から出た」という陳述書の内容よりも具体性を欠いているように思えてならない。

 これはどういうことだろうか。朝木は清水から「刑事告訴をするべきだ」という話が出たとは聞いたが、それがいつ、誰から出たのかについては聞いていないということなのだろうか。また、いつ、誰から出たのかについては聞いていないのなら、そう簡明に答えればいいと思うが、そうとも答えないのはなぜなのか。

「いつ、誰が」という基本情報についての回答を朝木がこのまま回避すれば、「役員の間で『刑事告訴をするべきだ』という話が出た」という事実自体の信用性にも疑問があるということになりかねないのではあるまいか。
 
(つづく)
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