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多摩湖寿会事件 第88回
『東村山市民新聞』の発行状況

 朝木に対する裁判官の質問は『東村山市民新聞』の発行状況にも及んだ。山川は平成28年10月31日付『東村山市民新聞』第188号の記事に対しても損害賠償を請求している。同記事の名誉毀損を認定し損害賠償を命じる場合には、発行部数や配布範囲もまた名誉毀損被害の程度の認定に少なからず影響してくる。



(『東村山市民新聞』に関する尋問①)

裁判官  それから、もう1つ、東村山市民新聞についても今回請求の対象になっていますけれども、この東村山市民新聞は、そもそも発行元はどこになるんでしょうか。

朝木  東村山市民新聞社ということで、責任者は相被告の矢野穂積になっています。

裁判官  あなた自身は、その、法人なんでしょうかね、どういう立場なんですか。

朝木  私は編集長という立場です。

裁判官  編集長としては、この市民新聞の作成についてはどのように関わっているんですか。

朝木  原稿を集めて最終的にレイアウトをして確認をするということですね。

裁判官  あなた自身が原稿を作成することもあるんですよね。

朝木  はい、あります。



 ここまでは矢野が発行人、朝木が編集長を務める『東村山市民新聞』の作成、発行状況の概要に関する質問である。本件との関係では、「朝木自身もまた原稿を作成することがある」という点が重要だろう。

本件記事の作成者

 問題の『東村山市民新聞』第188号には「元公明市議が横領! 老人クラブから」などの記事が掲載されていた。山川は「元公明市議」が山川を指していることは明らかであり、「横領したと断定したことによって名誉を毀損された」と主張している。裁判官は続いて、具体的に今回の記事に関する部分に踏み込んだ。



(『東村山市民新聞』に関する尋問②)

裁判官  今回の問題を採り上げた記事は、あなたが作成したものですか。

朝木  そのとおりです。

裁判官  この市民新聞を見ますと、定期購読料1部150円というふうに記載されていまして、購読料を払う方に配布されることになるんでしょうか。

朝木  そこの購読料というのは、市外の方から結構購読したいという要望が多い新聞ですので、その方には郵送料プラス手数料として実費相当分を頂くというふうな形をとっております。

裁判官  では、市内の方には特に購読料を払った方のみというわけではなくて、一定の範囲の住宅に配布されると、そういうことになるわけですか。

朝木  そのとおりです。

裁判官  この市民新聞は、あなたは編集長あるいは原稿を提供した方として報酬などは受け取っているんですか。

朝木  おりません。

裁判官  この東村山市民新聞というのは、発行部数というのはどれぐらいなんですか。

朝木  ちょっとはっきりした数字は、なんですが、6万部前後、6万部弱ぐらいではないかと思います。



 ここで裁判官が確認したのは、記事の作成者が朝木かどうか、また『東村山市民新聞』がどの程度の部数が、どの程度の範囲に配布されているものかということである。これに対して朝木は、問題の記事が、自分が作成したものであることをあっさり認めた。傍聴に詰めかけた多くの多摩湖寿会会員の前では、ここで記事の作成者が誰かを曖昧にするよりも、堂々と自分が記事を作成したことを明らかにする方が「朝木という市議会議員が元議員の不正行為を糾弾している」という強い印象を与えられると判断したのかもしれない。

 ただ、問題とされている記事が名誉毀損に該当しないと裁判所が判断しているとすれば、あえてここまで聞く必要があったのかどうか。朝木にとって、記事の作成者が自分であることを明らかにすることは、当然、責任の所在を自ら明らかにすることであり、朝木にとって不利な状況を背負い込むことでもあるのだった。

 なお、これまで矢野は『東村山市民新聞』の発行部数を4万5000部と称していた。今回朝木が6万部と供述したのは、多くの多摩湖寿会会員が傍聴に来ていたために、若干見栄を張ったのかもしれない。市民に対しては多少の自己宣伝になったとしても、名誉毀損が認定された場合には、当然、不利な材料となる可能性が高いと思われた。

掲載責任にも言及

 最後にもう1人の陪席裁判官が『東村山市民新聞』の問題の記事について最後の質問を行った。



(『東村山市民新聞』に関する尋問③)

裁判官  先ほどから聞かれている東村山市民新聞の今回問題とされている元市民市議(筆者注=原文ママ。「市民」は「公明」の誤りと思われる)が横領って書かれた記事ですけれども、これを採り上げるのを決めたのはあなたですか。 

朝木  はい。

裁判官  これは、相被告の矢野さんとも相談されているんですか。

朝木  はい。



 裁判官による最後の質問は、原告が問題にする記事が朝木1人の判断で掲載したものなのか、矢野も関与していたのかを確認するものである。記事の作成者である朝木のみならず、発行人の矢野にも掲載責任があるかどうかを確認したものとみていいだろう。

 記事が名誉毀損であると認定された場合、裁判所はその掲載責任が誰にあるかを確定しなければならない。裁判官による最後の質問は、『東村山市民新聞』の記事に関して矢野にも責任があるかどうかを確認するためのものだったように思える。

 こうして朝木に対する尋問は終了した。総合的にみると、最後に裁判官が『東村山市民新聞』に関する上記の尋問を直接行ったことだけでなく、議会だよりに朝木の原稿が掲載された経緯を確認したことも重要な意味を持っていたように思えてならない。

(つづく)
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