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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第93回
 東京地裁立川支部(405法廷)で平成30年9月27日に予定されていた本件裁判の判決言い渡しは、平成30年10月25日午後1時15分に延期となった。前日、書記官から当事者に連絡があった。理由はわからないが、判決言い渡し期日が1カ月延びることは珍しいことではない。

訊問の前提事実

 さて、清水澄江に対する山川の尋問を続けてみよう。清水に対する尋問の最後に山川が聞いたのは示談書についてである。

 平成28年8月17日、清水は山川との間で「今後、金銭的な内容についてこれをもって一切申し立てをしない」とする内容の誓約書を交わした。ところがその4日後、朝木と会った清水は誓約書の内容を一方的に破棄する趣旨の示談書を作成することで朝木と合意。早くも翌日の同年8月22日には、朝木は示談書を作成して清水の元に届けた。示談書には「山川は横領を認めて謝罪する」旨の条項があった。

 誓約書の内容を破棄するにあたり、清水も朝木も「寿会役員の間で意見が出た」と主張する。しかし、それがいつ、どこで、誰の口から出たものなのかについて具体的な回答をしていない。

 誓約書を破棄するのなら、当然、誓約書の当事者である山川をはじめ立会人の大野清吉、山川と並ぶ当事者である前寿会会長の加藤幸雄に対しても相当の話が伝わっていなければならない。しかし、山川が示談書の内容を知ったのは同年8月25日、まさにこれから署名捺印しようとする直前のことであり、大野も加藤も示談書の中身をその夜になって初めて知ったと話している。

 清水と朝木がいうように、「山川は横領を認めて謝罪する」旨を記載した示談書が必要という話が寿会役員の間で出たのなら、それは多摩湖寿会としての意思なのだから、よけいに誓約書の当事者である山川や加藤に対して事前に示談書の内容と作成目的を知らせなければならないだろう。にもかかわらず、署名捺印の直前までその内容を明らかにしなかったということはどういうことなのだろうか。

 事実経過から推測できるのは、示談書作成に関わったのは朝木と清水だけだったということではないのだろうか。だとすれば、朝木と清水は、2人だけの意思によって、寿会役員や前会長が関与した誓約書の内容を覆そうとしたことになる。清水澄江に対する尋問で山川が確認したかったのは、多摩湖寿会は本当に示談書の作成を必要としていたのか。本当に必要だったのは清水であり、朝木だけだったのではないかということだった。

何に「間に合わない」のか

 上記の背景事情を前提に山川の尋問をみよう。



(示談書に関する清水澄江の供述①)

山川
  平成28年8月25日、あなたから示談書に書名するように言われました。示談書の当事者である私に示談書の内容を事前に知らせなかったのはなぜでしょうか。

清水  間に合わなかったからです。

山川  何かどさくさに紛れて判こだけを押せばいいというような感じではなかったですか。

清水  いいえ、そんな意思はございません。


 
 清水の上記の供述の中に示談書作成の目的が現れていた。山川に示談書の内容を事前に知らせるには「間に合わなかった」と清水は供述した。「間に合わない」とは、いったい何に間に合わないというのだろうか。

 当時、示談書作成にあたって、清水の意思が及ばないところで期限が限られているものといえば、朝木直子が東村山市議会に提出する一般質問通告書の提出期限以外にはない。仮にそれが「間に合わない」対象だったとしても、山川には何の関係もない。

 朝木と清水にとっては重要であるかもしれないが、山川が示談書の内容を事前に知らせられなくていい理由になるはずもなかろう。つまり「間に合わない」とは、あくまで清水・朝木側の一方的な都合にすぎず、山川に対して事前に内容を知らせなかったことを正当化する理由にはならない。

 清水は朝木の質問通告期限である8月24日までに山川の署名捺印を取りつけようと動いたが、なんらかの事情で会合を設定することができなかった。それでもまだ実際の一般質問には間に合うから、なるべく早く署名捺印を取りつけてほしいという要望が朝木からあったのかもしれない。

 山川は誓約書を交わした時点ですべてが終わったと考えていた。清水からではなく立会人に大野清吉から8月25日の昼に、夜の会合の件を知らされても、示談書は誓約書の内容が踏襲されると考えていたのであり、まさか示談書に誓約書の内容を覆す文言が書かれているとは考えもしなかった。だから、会合に出席することを了承し、約束の時間に大野宅へ出向いたのである。

2つの意味

 誓約書の合意事項が変更されるなど夢にも思っていない山川が、事前に内容を知らせず、いきなり示談書を突きつけられ、署名捺印を求められれば、誤って中身を確認しないまま、清水の言葉に従ってしまう可能性がないとはいえない。言い換えれば、清水がその場で行った行為は、山川に中身の確認をしないまま署名捺印させてしまう危険性を持っていたということである。

 常識的にみて、山川に突きつけた示談書が数日前に交わした誓約書の内容を覆す内容であることを一言も説明しないということはあり得ない。しかし、清水は山川から署名を拒否されるまで示談書の内容についていっさい説明しなかったのである。山川が上記の尋問で述べたように、当日、清水が示談書への署名捺印を迫った様子が「どさくさに紛れて判こだけを押せばいいというような感じ」だったといわれても仕方があるまい。

 示談の内容について清水が山川に一言の説明もしなかったことについては、山川に「どさくさに紛れて判こだけを」押させようとしたと理解できることのほかにもう1つの意味があるように思う。

 清水と朝木は、示談書の作成が寿会役員の間で出た意見、つまり寿会役員の総意に基づくものであると主張している。しかし、示談書の作成が役員の総意だったとすれば、清水はなおのこと山川だけでなく立会人の大野清吉、前会長の加藤幸雄に対して、新たに示談書を作成するが、その内容は誓約書の内容を覆すものであることを十分に説明しなければならなかったはずである。

 ところが清水は作成の当日まで、山川や大野、加藤に対して示談書の内容についていっさい説明しなかった。この事実が意味するのは何か。清水は他の役員に対して、山川や大野、加藤に対して事前に説明する責任を負っていなかった。だから説明しなかったということではないのだろうか。つまり、示談書の作成について「寿会役員の意見」などいっさい存在していないということである。

 では、誰の考えによって「山川は横領を認めて謝罪する」旨が記載された示談書の作成が企図されたのか。考えられるのは朝木と清水以外にはいない。彼ら2人だけなら、山川らに対して事前に説明する必要があるかないかを判断するのも彼らだけでいいということになる。示談書作成当夜の山川に対する清水の姿勢こそ、示談書作成を企図したのが朝木と清水の2人であることを示していたとあらためて理解できるのではあるまいか。

(つづく)
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