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名刺広告強要事件 第2回

利用された法廷での供述

名刺広告強要事件の実情

 矢野がビラをはじめとする自分の全メディアを駆使し、執拗に私を関連づけようとした「名刺広告強要事件」とはどういうものだったか。私が月刊タイムス社に在籍していた当時、『月刊タイムス』には出版業界でいう名刺広告を掲載していた。名刺広告とは通常の広告とは異なり、誌面を罫線で区切り、その中に名前だけを掲載する広告のことである。この広告については広告代理店が出稿者を募り、広告代理店が広告原稿を作成する。タイムス社はその原稿を掲載し、掲載料をもらうというものだった。

 したがって、タイムス社は原稿作成の過程にはなんら関与していないし、出稿者と広告代理店の間でどんな営業がなされ、またどんな契約内容であるのかなどいっさい関知する立場にはなかった。私はといえばたんなる編集部員にすぎず、月刊タイムス社と広告代理店の間でどんな契約がなされていたのかなど知るはずもなく、またその必要もなかった。私は広告代理店から持ち込まれる原稿を預かり、それを他の広告原稿と同じように締め切りに遅れないよう印刷会社に確実に回していただけである。

 強要事件が発覚したのは平成13年1月24日のこと。静岡県の男性が名刺広告の出稿を強要されたとして広告代理店と広告を掲載した「月刊タイムス社」「流通ジャーナル」「デイリースポーツ社」「政治と経済社」の4社に対して掲載料などの返還を求めて静岡地裁に提訴したのである。当時、私はすでに月刊タイムス社を退職しており、提訴の事実など知る由もなかった。

 さて、男性の訴えに対して静岡地裁は和解を勧告、平成13年12月までに媒体4社は掲載責任を認めて和解金を支払い、和解が成立。残る広告代理店は最後まで争ったが、静岡地裁は平成14年8月20日、広告代理店に対して158万円の支払いを命じる判決を言い渡した。判決文によれば、名刺広告強要事件とは次のような事件だった。

 平成6年6月ごろ、静岡市に住む公務員のSは広告代理店Tの社員から名刺広告掲載の勧誘を受け、掲載に同意した。その2カ月後、再びTの社員から名刺広告の掲載を依頼された。Sは断りきれず「1回かぎり」ということでやむなく掲載に応じた。その後もTの営業社員からの勧誘は続き、Sは平成12年6月まで掲載料を支払い続けることとなった。この間、平成10年8月ころにS担当の営業社員が平山に代わり、平山はSに対して威圧的な口調で電話をかけるなど脅迫的な言葉で掲載を要求し、Sはそのたびに名刺広告を掲載させられた。――

 なお、訴状および判決文によれば、平山以外にSに対して直接的に恫喝的勧誘を行ったとされている広告代理店Tの営業社員は山下、福田であり、それ以外の人物は登場していないし、名刺広告を掲載した媒体各社の名前もいっさい出てこない。すると、名刺広告強要事件を「引き起こした」といえるのは平山らの営業社員であり、またその直接の管理者である広告代理店Tということになろう。

裁判とは無関係の尋問

 私の知るかぎり、矢野がこの事件の存在と経過を知ったのは、被害者Sさんの代理人である藤森弁護士のホームページによるものと思われる。問題の記事が掲載される3カ月前の平成15年5月9日、月刊タイムスの記事をめぐり矢野と朝木がタイムス社と私を提訴していた裁判で私に対する尋問が行われた際、矢野の代理人は突如、裁判とは無関係のこの事件を持ち出してきたのである。以下は、その尋問の様子である。

中田康一弁護士(矢野・朝木の代理人)  これ自身は初めて見たものかもしれませんが、藤森さんという弁護士さんが出してるサイトからダウンロードしたものなんですが、この1の提訴という中に被告一覧とありますね。この5番目に月刊タイムス社とありますが、これはあなたの所属していた月刊タイムス社のことなんでしょうか。

宇留嶋  これはそうでしょうね。

中田  これは地方公務員のSさんという方が、名刺広告掲載を勧誘した、要するに勧誘したというか、勧誘の名を借りた恐喝事件なんですが、その被告として月刊タイムス社が提訴の対象になったという内容なんですが、そういうことをあなたは聞いていますか。

宇留嶋  私、当時にありましたね。

中田  あなた自身担当したことはあるんですか。

宇留嶋  いえ、全く担当はしておりません。

中田  事実として知っているということですか。

宇留嶋  そうです。

 この尋問が行われた当時、私もまた事件の存在自体については藤森弁護士のホームページによって知ってはいたが、タイムス社から直接聞いたわけではない。私は平成12年11月にタイムス社を退職して別の出版社に勤務していたからである。名刺広告をめぐり裁判になっていることを「聞いているか」と聞かれた私は「私、当時にありましたね」と供述したが、これは私が編集を担当していたときに名刺広告が掲載されていたことを覚えている、という趣旨にすぎなかった。われながら不明確な供述と思うが、中田弁護士もなぜか供述の真意を確認することはせず、「名刺広告はまったく担当していないこと」「事実として知っているだけであること」を確認するとこの件に関する尋問をあっさり切り上げている。藤森弁護士のホームページの記載から、名刺広告事件と私との関連を追及するのは無理があることを十分に認識していたからだろう。藤森弁護士のホームページには私の名前すら出ていないのだから、私との関係を追及する余地がないのは当然である。

 矢野としては、名刺広告事件でタイムス社が提訴され、返金していた事実を持ち出すことで、裁判所に対して「月刊タイムス社とはこんな会社だ」と印象づけることが目的だったと思われた。しかし、あらためて考えると、私の供述の中の「私、当時にありましたね」という不明確きわまる供述が、矢野にとっては意味があったのだと痛感する。矢野にとっては私が名刺広告強要事件になんらかの関与をしていたかどうかではなく、むしろ「名刺広告強要事件でタイムス社が提訴された当時、私がタイムス社に在籍していた」という事実があればそれで十分だったのである。

 うかつなことに、その日の供述が自分の社会的評価を低下させる目的に使われるとは当時、私は考えもしなかった。ところが問題のビラではまず月刊タイムス社が「名刺広告を強要した会社」として事実以上に悪質な会社であるかのように印象づけた上、私については〈問題業者の元社員〉〈「名刺広告強要事件」で被害者から提訴され返金させられた『月刊タイムズ社』の当時の社員〉と記載し、インターネット「東村山市民新聞のページ」でも〈名刺広告強要事件では、提訴され返金させられた問題業者の元社員〉などと長い肩書をつけて宣伝したのである。

 朝木明代が万引きを苦に自殺した際、矢野と朝木は明代の万引きの事実と矢野自身のアリバイ工作や隠蔽工作への関与の事実を隠蔽するためにあたかも創価学会が関与していたかのような主張を繰り返したが、その際に矢野が明代に関して常套句のように使用していたのが「創価学会を批判していた朝木明代」という文言だった。もちろん、だから「創価学会には明代を謀殺する動機がある」と匂わせるためにほかならない。私に対する〈名刺広告強要事件では、提訴され返金させられた問題業者の元社員〉という肩書も、ワンフレーズでその人物のイメージを規定してしまうという点で共通していよう。矢野の悪質さは、そのフレーズが何を意味するのか、また意味するものが事実と異なっているとわかっていても、それがあたかも既成事実であるかのように意図的に繰り返し使い続けるところにある。

 ちなみに、問題のビラが発行される1カ月前、矢野が東村山市議会本会議場で私に対して〈名刺広告強要事件では、提訴され返金させられた問題業者の元社員〉と同趣旨の発言をしたことに対し、東京地裁八王子支部は「会社と同等に悪質な記者であるかのような印象を与える発言」であると認定し、矢野に10万円の支払いを命じる判決を言い渡している。

(第3回へつづく)

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