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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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多摩湖寿会事件 第127回
迫力を欠いた見出し

朝木と矢野は平成31年1月30日付で『東村山市民新聞』第192号を発行し、1面トップで本件の一審判決を取り上げた。しかし、タイトルは「山川元公明市議、敗訴」、「裁判所も不正会計を認定!」――と、朝木らにしてはやや控え目だったように思う。本来なら「裁判所が山川の横領を認定」と行きたかったのではなかろうか。

「山川は寿会の金を横領した」との事実摘示に対して相当性が認められたというのなら、「横領を認定」と書くことができただろう。しかし、判決文を読むかぎり、裁判所が認定したのは「犯罪行為の可能性」を指摘する範囲においては相当の理由があるとするものであるように思える。

 朝木らは控訴審の答弁書で上記の山川の主張に反論して、「一審は『山川は寿会の金を横領した』との事実摘示につき相当性を認めたのだ」と主張したが、本音は「犯罪行為の可能性」について相当性を認めたにすぎないことをよく理解していたのではあるまいか。それが冒頭の見出しに表れていたのだと思われた。

本文で一審判決をカバー

 サブタイトルには「『横領』と報道した本紙を名誉毀損で提訴したが……」との文言があった。矢野としては一連の見出しの趣旨について読者が「横領と書いた同紙が訴えられ、訴えた方が敗訴したのだから、『横領』と書いたことの正当性が認められたということではないか」と理解してくれることを期待したものと思われた。

 さらに本文では次のような一文があった。

〈元呼名等(ママ=筆者注=「元公明党」の誤植と思われる)市議の山川昌子氏が、4年間一人で担当し不正会計を行った問題で、「横領だ」として……市役所へ訴え出た多摩湖寿会の役員や、議会でこの問題を追及した朝木議員や「山川元市議が横領」と報道した本紙〉

 その上で、朝木らは「東京地裁は山川元市議の訴えを棄却した。」と記載した。こう書けば、「横領だ」と断定したことについて裁判所が正当性を認め、山川の請求を棄却したかのように読者には読めるだろう。一審は朝木らの表現内容について「犯罪行為の可能性」を指摘したものと認定し、その上で相当性を認定したにすぎないように思われた。

 しかし朝木らは、自らのビラにおいて、あえて「本紙は『横領した』と断定した」と記載することで、読者に対して、裁判所もまた「横領との断定」を前提として山川の請求を棄却したかのような誤解を生じさせようと企図したのではないかと思われる。言い換えれば、答弁書における主張とは裏腹に、朝木らもまた東京地裁が「山川は横領した」とする事実摘示を前提に判決を下したものではないことを感じていたということではあるまいか。

さらに判決を誇張

 ここまではまだ「悪意ある表現上の工夫」程度のことであり、一審判決を歪曲した記事であるとまではいえない。ところが、判決を紹介した箇所の最後で判決文の「原告が不正経理を行って、本件寿会の簿外の金員を占有ないし所持していたというという事実については、……認められる」との部分を引用した上で、〈「横領」と言われる相当の理由があると判決した。〉と記載したのである。

 判断の前提は「犯罪行為の可能性」であって「横領との断定」ではなく、判決文には「横領したといわれても仕方がない」などの記載はない。朝木らが引用した上記部分でも、「本件寿会の簿外の金員を占有ないし所持していたというという事実については、……認められる」と述べているだけであり、また「簿外の金員を占有ないし所持していたという事実」イコール「横領」ということにはならないだろう。一審が「山川の横領の事実を認定した」と印象付けたいために、我慢できずにとうとう最後で誇張に走った様子がうかがえた。

準備書面を提出

 さて山川は、控訴審の重要な争点の1つは、朝木らの表現行為の内容に対する認定にあると考えていた。一審は朝木らの表現行為の内容について「犯罪行為の可能性を摘示するもの」と認定し、それを前提に真実性・相当性を検討して、朝木らの不法行為を否定した。これに対して山川は控訴理由書で、朝木らの表現行為の内容は「山川は寿会の金を横領した」との事実を摘示するものであり、一審は判断の前提を誤っていると主張している。

 朝木らが『東村山市民新聞』第192号で自ら「『山川元市議が横領』と報道した本紙」と書いたことは、山川にとっては不快ではあるものの、自らの主張を補強する材料としては使えるのではないか――。山川はそう判断し、平成31年2月15日付で、朝木らが摘示したのは「山川は寿会の金を横領した」との事実であるという趣旨の準備書面を提出した。

 東京高裁が朝木らの表現行為の内容について一審とは異なる認定をするのかどうか。もちろん、そうなったからといって、判決が変わるかどうかは別問題である。山川には「元公明市議が横領!」などとする表現がなぜ「山川は寿会の金を横領した」との事実を摘示するものではなく「犯罪行為の可能性の摘示」となるのか、どうしても理解できなかった。

もう1つの重要な主張

 山川は上記の準備書面で、朝木らの表現行為の内容が「山川は寿会の金を横領した」との事実を摘示するものであることを前提として、もう1点、あらためて重要な主張を行っている。「不適切な会計処理」をしたことをもって、ただちに「着服があった」と断定することが許されるのかとする主張である。山川は準備書面で次のように主張している。

「たとえば、控訴人が寿会の金を使い込んでいると知り合いに吹聴した事実があるなど、控訴人が当初から着服あるいは個人的に流用する意思をもって不適切な会計処理に及んだことをうかがわせる事実(相当性)があったとか、控訴人の個人口座に明らかに着服を原資とする金が入金されている事実が裏付けられた(真実性)などの違法行為の事実が確認されて初めて『不適切な会計処理』を超えて『着服・横領』とする事実摘示が成立するのである。」

 清水や朝木は、本件において、多くの例を挙げて山川が不適切な会計処理を行ったと主張した。しかし朝木らが、山川が「着服した」ことを疑わせる直接的な事実を具体的に主張したことはない。具体的な「着服・横領」行為の裏付けもなく、「不適切な会計処理を行った」というだけで「山川は寿会の金を横領した」と公言することが許されるのだろうか。

 東京高裁がどんな判断を下すのか。4月24日に迫った判決を待ちたい。

(つづく)
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