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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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第2次太田述正裁判判決
 元警視庁東村山警察署副署長の千葉英司氏がブログの記事によって名誉を毀損されたとして元仙台防衛施設局長で評論家の太田述正氏を提訴していた裁判で、平成20年5月27日、東京地裁(河野清孝裁判長)は千葉氏の請求を棄却する判決を言い渡した。

 問題となったのは「太田述正コラム」の平成18年4月15日付「裁判雑記(その3)」。その2年半前の平成15年11月10日、太田氏は東村山市議だった故朝木明代氏の転落死事件に関して、捜査機関が「万引きを苦にした自殺」と断定しているにもかかわらず、明代氏の万引き事件でアリバイ工作と万引き被害者に対する威迫行為など明代氏と隠蔽工作を共謀した東村山市議、矢野穂積氏と朝木直子氏の共著による虚偽の集大成『東村山の闇』の記載内容を鵜呑みにし、捜査指揮官だった「創価学会員の千葉氏が創価学会に配慮して捜査結果を曲げ、『他殺』を『自殺』として処理した」と断定する内容の記事を掲載。平成18年3月28日、千葉氏から「千葉が創価学会員であるという事実はなく、創価学会に配慮して捜査結果を曲げた事実はない」として提訴されていた。

 その裁判中に掲載されたのが今回問題となった記事である。改めて太田氏の記事を紹介しておこう。




<裁判雑記(その3)>
4 コラム#195の記述の問題点
 (1)不正確であった要約紹介
 以上の反論は、いわば一般論だが、私による上記の本の要約紹介内容に不正確な点があったことは否定できない。
 私による要約紹介は、以下の通りだ。

1 東京都東村山市は、創価学会の勢力が強いところで、市議26名中、(建前上はともかく創価学会の政治部以外の何者でもない)公明党は6名で、自民党の7名等とともに与党を構成しています。

2 明代市議は、議員活動の一環として創価学会脱会者の支援や人権侵害の被害救済活動を行っていたことから、東村山市の創価学会員や公明党市議らと緊張関係にありました。このような背景の下で、1995年に明代議員を被疑者とする万引きでっちあげ事件が起こり、更にその直後に明代議員殺害事件が起こったのです。

3 当時捜査当局によって、昭代市議(ママ)は万引きの被疑者として送検され、また、昭代議員のビルからの転落死は万引き発覚を苦にしての自殺と断定されてしまいます。

4 ところが、所轄の東村山警察署で転落死事件の捜査及び広報の責任者であった副署長も、彼の下で捜査を担当した刑事課員も、また、捜査を指揮した東京地検八王子支部の支部長及び担当検事もことごとく創価学会員だったのです。

 昭代市議(ママ)をビルから突き落として殺害した人間は創価学会関係者の疑いが強かったため、彼らは公僕としての義務よりも創価学会への忠誠を優先させ、創価学会の組織防衛に走ったと思われます。

5 しかし、彼らの画策したでっちあげや隠蔽工作は、この本の著者達やマスコミによって、創価学会の執拗な妨害を受けつつも、徹底的に暴かれ、社会の厳しい批判に晒されることになります。

6 なお、明代市議の殺人犯はまだつかまっていません。
 (番号は、便宜上、今回付した。)

 しかし、再度、この本を読み返してみたところ、副署長と刑事課員が創価学会員であった旨の記述はなかった。
 よって、今にして思えば、上記中の4は次のように記述されるべきだった。

4 これは第一に、転落死事件を担当した東京地検八王子支部の支部長及び担当検事が二人とも創価学会員であったところ、昭代市議をビルから突き落として殺害した人間は創価学会関係者の疑いが強かったため、彼らは公僕としての義務よりも創価学会への忠誠を優先させ、創価学会の組織防衛に走ったからであり、第二に、この地検支部の捜査指揮を受ける立場の所轄の村山警察署で転落死事件の捜査及び広報の責任者であった副署長も、彼の下で捜査を担当した刑事課員も、村山市(ママ)の創価学会関係者への配慮や上記地検支部長及び担当検事への配慮を、公僕としての義務より優先させたからである、と思われます。

(2)私の見解

 しかし、私は、私が副署長らを創価学会員と誤解したことに、重大な過失があったとは考えていないし、そもそも、副署長が創価学会員であろうとなかろうと、上記要約紹介全体の主旨が変わるわけでもないと考えている。

以下、それぞれについて、説明したい。




 以上の太田氏の「新記事」は「千葉は創価学会員である」とした部分を訂正しただけのもので、「千葉が創価学会に配慮して捜査結果を曲げ、『他殺』を『自殺』として処理した」とする部分についてはいっさい訂正されていない。それどころか、「千葉が創価学会員である」とする部分以外の部分についてはむしろ先行記事の内容を再確認したものとも受け取れよう。このため千葉氏は新たに名誉を毀損されたとして提訴した。これが今回判決が言い渡された裁判である。

 これに対して太田氏は、「千葉が創価学会に配慮して捜査結果を曲げ、『他殺』を『自殺』として処理した」とする部分について前回の裁判同様、真実性、相当性の主張をいっさいしなかったのみならず、「新たな事実を摘示するものではなく、訴え自体が成立せず、棄却されるべき」(趣旨)などと主張。太田氏は2回目の口頭弁論で「これ以上の主張はない」としたため東京地裁は結審とし、この日の判決言い渡しとなった。

 東京地裁は太田氏の記事についてこう述べた。

〈本件新記事のうち、「副署長も、彼の下で捜査を担当した刑事課員も、村山市(ママ)の創価学会関係者への配慮や上記地検支部長及び担当検事への配慮を、公僕としての義務より優先させた」との部分は、その前後の記事と併せて読めば、朝木議員が創価学会脱退者の支援や人権侵害の救済活動を行っていたために、朝木議員を被疑者とする万引き事件がでっち上げられた上、朝木議員が殺害されたというのが本件事件の真相であるにもかかわらず、当時、東村山警察署の副署長として本件事件の捜査に当たった原告が、創価学会員であった東京地方検察庁八王子支部の支部長及び担当検事、その他東村山市の創価学会関係者に配慮して、朝木議員が万引き事件を苦にして自殺したと断定し、もって、本件事件の真相を隠蔽した旨を論じたものと読みとることができる。
 
 そうすると、刑事事件の真相を隠蔽する行為は、警察官の職務に反するから、本件新記事のうち、上記部分それ自体は、本件事件当時、東村山警察署の副署長であった原告の社会的評価を低下させるに足りる内容を有するというべきである。〉

 東京地裁は記事自体については名誉毀損を認定したことになる。その上で東京地裁はこう述べた。

〈しかしながら、本件旧記事と本件新記事の内容の異同について検討すると、……上記訂正箇所以外はほぼ同一であることが認められる。〉

〈原告の名誉毀損の観点から同一性を検討すると、本件新記事と本件旧記事のいずれにおいても、原告が、創価学会関係者への配慮を公僕としての義務より優先させた旨をいうものであり、概ね同一のものと評価することができる。
 してみると、従前の本件旧記事の内容と本件新記事の内容は、原告の名誉毀損という観点からみると、事実の摘示及び行為の態様も同じであって、従前のホームページ上の掲載内容にはほとんど変化がないというべきものである。〉

〈仮に本件新記事の掲載により更に原告の社会的地位が低下したとしても、本件旧記事が先に掲載されていることからすれば、その低下の程度はわずかであると評価できること、本件前訴の審理において、既に、本件新記事のうち名誉を毀損し得る部分の存在が明らかとなり、同事実を踏まえてその審理が遂げられている以上、被告が原告に対し、本件前訴において確定した判決に従ってその損害賠償として50万円全額を支払っていること、本件旧記事と本件新記事は、連続する一連のホームページ上のコラム記事であり、しかも本件新記事は本件旧記事の訂正記事であるので、本件新記事の掲載を個別に取り上げてこれを独立の違法行為として損害賠償の対象とすることは相当ではないこと等にかんがみると、本件新記事の掲載には不法行為を構成する程の違法性はないものというべきである。〉

 すなわち東京地裁は、「新記事」は独立した記事とはみなせないから新たな名誉毀損はなく、独立して損害賠償を命じるのは相当ではないと判断したということである。

 余談だが、太田氏のブログのバックナンバーには数年にわたり「東村山市議殺人事件--千葉英司」なるタイトルのコラムがあったが最近、中身は変わらないものの、タイトルだけは「東村山市議転落死事件――千葉英司」に変わっていた。

千葉英司氏の話
「『新記事』の違法性が認められなかったのは残念だが、『訂正記事』についても再び裁判所が名誉毀損性を認定した点は評価できる。独自の裏付け調査をいっさいしないままデマを鵜呑みにし、『訂正記事』でも同じ過ちを繰り返した太田氏の事実認識のデタラメさがより明らかになったものと考える」

(宇留嶋瑞郎)


(第1次太田述正裁判ついてはこちら)

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