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民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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りんごっこ保育園問題とは何か(第2部)  第4回
「保育園は誰のものですか?」

作られた「善意の保育者」

 東村山市長や助役がりんごっこ保育園に足を運び、議会が求める保育環境の改善に向けて高野や矢野と話し合いを進めようとしていたちょうどそのころ、東村山市議会や保健福祉部周辺はテレビ取材の話題で持ちきりだった。りんごっこ保育園の認可が認められなかった問題についてTBS『ニュースの森』の記者がカメラクルーを連れて取材に入っていたのである。平成15年6月13日、記者は厚生委員会を撮影したあと鈴木忠文、木村芳彦、田中富造の各議員を取材、16日には細渕市長、保健福祉部長、児童課長、佐藤真和市議の取材を行った。聞けば、TBSはすでにりんごっこ保育園の取材を6月12日に済ませているという。

『ニュースの森』と聞いて私は一抹の危惧を抱いた。かつて朝木明代が自殺した際、テレビの中でも最も矢野の言い分を取り上げ、かつ詳細な特集として2週にわたって放送したのがこの『ニュースの森』だったからである。記者は一応、保育園側だけでなく、この間の事情を最も知る佐藤にも話を聞いてバランスを取ったようにみえた。私は記者に、平成7年の轍を踏まないようにとだけ釘を刺した。

 TBS「ニュースの森」が「保育園は誰のものか」のタイトルで特集としてりんごっこ問題を報じたのは平成15年6月17日午後6時である。

 特集はまず女性アナウンサーの次のようなナレーションから始まった。

――深刻な保育園不足。ところが、問題解消のためにと作られた保育園の開園に、なぜか、「待った」がかかっています。

 ナレーションに続いて、憤りをにじませながらこう訴える中年女性の姿が映し出された。

――本当に、保育園は誰のものですかって、……聞きたいですよ。

 何があったのか――。その5分後、一般のニュースを挟んで特集が始まった。

「認可保育園に入れない、いわゆる待機児童は全国で2万5000人と、いわゆる社会問題にもなっています」

 メーンキャスターの杉尾秀哉が導入し、「開園準備は万全なのに」のテロップを背景に女性キャスター(小川知子)がこう続けた。

「こうした中、国の基準を満たしているにもかかわらず、開園できない事態になっている保育園があります。なぜ開園できないのでしょうか。その背景を追いました」

「保育園は誰のものですか」と訴えていたのは高野博子である。「待機児童は2万5000人と社会問題になっている」という杉尾のセリフは、それ自体は嘘ではないが、「保育の質」にいっさい言及しない点において十分な問題提起とはいえず、「開園準備は万全なのに」のテロップと女性キャスターの「こうした中、国の基準を満たしているにもかかわらず、開園できない事態になっている」のセリフによって、高野=「善意の設置者」、保育園=「本来なら開園しているはずの保育園」という役どころが固まったような印象を与える導入だった。

 では、「報道のTBS」がこのあとりんごっこ保育園問題をどう扱ったのか。本編をみよう。




保育園は誰のものか

――通しタイトル「保育園は誰のものか」――

(園内)
(ナレーション)
新築の保育園の壁に貼られた飾り。保母さんたちの手作りです。
(テロップ「にゅうえんおめでとう、の文字」)

(高野)
「1年間のお誕生日表です」(テロップ「にゅうえんおめでとう、の文字」)
「ええ、これは職員が4月から来てますので」(テロップ「にゅうえんおめでとう、の文字」)
「制作だけでもしましょうということで」(テロップ「制作だけでもしましょう、と」)
「まだ名前は全然入ってません」(テロップ「制作だけでもしましょう、と」)

(りんごっこ保育園周辺からりんごっこ保育園外観)
(ナレーション)
東京・東村山にこの春完成した「りんごっこ保育園」。(テロップ「りんごっこ保育園――東京・東村山市」)

(高野)
(ナレーション)
高野博子園長は25年間保育の仕事に携わってきました。(テロップ「高野博子園長(52)」)
高野園長は、この保育園が国の認可基準を満たしていることから(テロップ「りんごっこ保育園――国の認可基準を満たす」)、4月には開園できると見込んでいました。

(職員)
(ナレーション)
24人の保母もすでに採用済み。しかし、2カ月以上たった今も園児の姿はありません。

(高野)(日めくり)
「これが4月1日からずっと毎日めくられているんですけど」(テロップ「4月1日から毎日めくられている」)
「ついにこの日付になってしまいました(6月12日)」(テロップ「ついにこの日付になってしまいました」)

(職員)
「やっぱり寂しいですね」(テロップ「寂しいですね」)
「やっぱり子供たちがこれを見てどういう顔をしてくれるかとか、そういうのを考えて作っているので……」(テロップ「子供たちがどんな顔をしてくれるか考えて作っているので」)


(国会風景――2000年・小泉首相所信表明)
「待機児童ゼロ作戦を推進し、必要な地域すべてにおける放課後児童の受け入れ体制を整備します」


(子供)
(ナレーション)
保育園に入れない、いわゆる待機児童の数は全国に2万5000人(テロップ「待機児童2万5000人」)。
その解消のため、国は一昨年、社会福祉法人や自治体だけに限られていた認可保育園の運営を企業や個人にも開放しました。(テロップ「認可保育園の運営を企業や個人に」)


(高野)
(ナレーション)
高野園長も、個人で認可保育園を開園するため、土地と建物を借金で購入しました。(テロップ「高野園長――個人で土地建物を購入」)


(第5回へつづく)

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テーマ:社会 - ジャンル:政治・経済

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