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著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

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「東村山」の民主主義汚染を検証する 第1章 遺族の主張とメディアの報道  第7回
「犯罪性」がないとした理由

 検察官と本部検死官が明代の遺体を検死した結果、「犯罪性はない」と結論付けた理由は以下のとおりだった。



(検死結果)

①着衣に第三者と争ってできたような破れ、ほころび、ボタンが飛んでいるというようなことがない。

②遺体に、他人と争ってできるような変色、皮膚剥離等、防御創と認められる創傷がない。

③頸部に損傷、圧迫痕等がなく、溢血点もない。

④左右上腕、前腕、手指等に他人からつかまれたような変色痕はない。

⑤左右の手、爪にも損傷はない。

⑥着衣、身体に、手すりを無理やり越えさせたような擦過はない。

(以上の検死結果に基づく判断)

①嫌がる者をつかまえて、手すりを越えて転落させるには、着衣に損傷、汚れ、身体に変色表皮剥脱等ができるが、それがないことは、他人が突き落としたことが否定される。

②転落位置のフェンスや換気口の損傷状況と、遺体の創傷の間に矛盾がない。



 東村山署から「朝木先生が亡くなったかもしれない」との一報を受けて東村山署に来た矢野は、明代の遺体を確認する前から「殺されたんだ」とわめき、一方では明代の姉妹らしき女性が「あなたがついていてどうしたの」と矢野をなじっている声も聞こえたという。明代の身内から非難されたことも手伝ってか、矢野は身元確認後も刑事に向かって「これは他殺だ」と主張していた。しかし、検死の結果からは、明代が何者かに殺されたと判断できるような点は発見できなかったのである。

現場の鑑識状況

 転落現場の捜査は、95年9月2日午前7時ごろから警察犬を投入しての現場鑑識活動、現場付近の聞き込み等を開始、検索活動は同日夜にかけて継続的に実施された。

 転落現場の捜査結果は以下のとおりだった。



(転落現場の状況)

①明代が倒れていた場所の真上に位置するマンション5階の手すりに、手指のものとみられる跡が3カ所ついていた。

②その指先は階段方向(マンション側)に向いていた。

③手指跡のある手すりのマンション側には擦過痕などはついていない。

④その他の場所にも擦過痕は発見できなかった。

(上記の捜査結果に基づく判断)

①5階の手すりに手指の跡があり、1階から4階までの他の手すりには痕跡がないことは、5階の手すり上から転落したものと推定できる。

②他人から突き落とされたとすれば、助けを求めるなど騒ぐはずだが、そのような声や物音を聞いた者はいない。

③手指の跡が3カ所あることは、他人から抱き上げられたことが否定される。

④5階手すりの建物側に擦過痕等がないことは、他人と争った状況にはなかったことが推定される。

⑤明代は手指の跡のあった手すりのほぼ真下に落下したと推定され、他人が突き落としたとすれば、ビルから離れた場所に落下するはずである。



 転落現場の鑑識捜査の結果、明代の転落死に他人が介在した状況を確認することはできなかった。

聞き込みの状況

 周辺の聞き込み状況や事情聴取の結果は以下のとおりだった。



(聞き込みと事情聴取の結果)

①現場マンション5階居住者
「午後10時ごろ、部屋で洗濯をしている際、『キャー』という悲鳴に続いて『ドスン』という大きな物音が聞こえてきた。交通事故かと思ってあわてて外を見たが、外は特に変わった様子はなかった。しばらくして救急車が来たのでけが人が出ていることを知り、マンション5階をくまなく見たが、付近に遺留品等は何もなかった」

②転落現場付近の住人
「午後10時ごろ、駐車場方向から『ドスン』という音が聞こえてきたので、交通事故かと思い外を確認したが、そのような事実はなかった」

③倒れている明代を発見したモスバーガー店長
「午後8時ごろに仕事を終え、10時ごろまで同マンション3階にある事務所で伝票整理をしていた。この間、人の争うような声などは聞いていない」

「午後10時30分ごろ、段ボールを捨てにゴミ置き場に行くと、仰向けの状態で倒れている女性を発見した。『大丈夫ですか』と何度も声をかけたが、女性はそのつど『大丈夫です』とはっきりした声で答えた。『落ちたのですか』と尋ねたところ、女性は『違う』と答えた」

④アルバイト店員
「倒れている女性に対し、『救急者を呼びましょうか』と尋ねたところ、『いいです』と断られた。女性は話しかけられるのを嫌がっているように感じられた」



 マンション住人らに対する聞き込みの結果からは、明代の転落死に第三者は介在していないことが推定できた。

 モスバーガー店長や店員の証言からは、発見当初、明代はまだ意識がはっきりしていたことがうかがえる。仮に明代が何者かに突き落とされたのだとすればまず最初に被害を訴えるはずだが、明代から被害を訴える言葉はなく、救急車も断っていることからすれば、犯罪性はないと判断できた。

 なお、明代は靴を履いておらず、ストッキングの足の裏が破れていた。転落現場から靴が発見されなかったことから、明代はどこかから現場マンションまで歩いてきたものと推測できた。そこで、明代がどのような経路で現場マンションまで歩いてきたのか、捜査では警察犬に追跡させようと試みたが、最初に嗅がせた血の原臭が強すぎたためか、臭跡をたどることはできなかった。

通知されていた出頭期日

 上記の初動捜査と検死の結果をふまえて、千葉、検察官、検死官、本部、刑事課長を交えて討議した結果、東村山署は明代の転落死について「犯罪性は薄い」と判断していた。ただ、初動捜査を終えた時点で記者会見した東村山署は、千葉が口頭で「朝木明代がロックケープハイムビルから墜落し、9月2日午前1時、収容先の病院で死亡した」こと、「事件、事故の両面から捜査中である」と発表するに留めた。まだ初動の段階であり、司法解剖もまだだったからである。また、「今後は不明の靴やカギの発見、目撃者の発見等事実解明のため所要の捜査を行う」とした。

「犯罪性」が薄いということは自殺の可能性が高いということである。自殺とすれば動機は何なのか。やはり、万引き容疑で書類送検されたことと関係があるのだろうか。検死のあと、千葉は検察官から、明代にはすでに取り調べの出頭日時を通知していたこと、その期日が同年9月5日だったことを知らされた。

(つづく)
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