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著書紹介

民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒

『民主主義汚染 東村山市議転落と日本の暗黒』(ユニコン企画発行、長崎出版発売、1200円+税)

現在の“東村山の闇”の原点である議席譲渡事件と女性市議転落死事故についてのルポルタージュ。今は絶版となっていて書店では買えないが、手元に在庫があるので、希望の方はこちらにメールしてください。書籍代+送料でお分けいたします。

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久米川駅東住宅管理費等請求事件
 最近では自己の議員辞職を求めた市民らを名誉毀損で提訴するなど、これまで多くの東村山市民を相次いで提訴してきた東村山市議(草の根市民クラブ)の矢野穂積が、今度は自分の住む久米川駅東住宅の管理組合から管理費等(計76万2000円)の支払いを求めて提訴されていることが明らかになった。

48カ月の間1度も支払いはなし

 久米川駅東住宅管理組合が管理費等の支払いを求めて提訴したのは矢野穂積と、同居する高野博子(認可保育園「りんごっこ保育園」設置者=矢野と高野は1つの部屋の所有権を50%ずつ保有)及び2名の区分所有者。組合によれば、矢野は管理組合が発足した平成15年10月以降平成19年9月までの48カ月間(訴訟での請求範囲)、月額7000円の管理費及び長期修繕積立金1万円の計1万7000円を1度も支払っていない。

 この管理費及び長期修繕積立金の額が議決された管理組合総会が開かれたのは平成15年9月21日。総会は適法に成立し、管理費等も出席者の圧倒的多数で決議されている。なお矢野は、この総会の招集自体が役員らによる一方的なものだとして総会の延期を申し立て、総会には出席しなかった。通常、総会で決議された以上、仮にその議案に賛成しなかったとしても決議に従うのが民主主義のルールであり、現実に336名の区分所有者のうち矢野と高野ら4名を除くすべての住人が滞りなく管理費等を納入している。

 矢野は11月13日開かれた口頭弁論においてこう主張した。

「管理組合は非民主的な運営が行われていて信用できない。管理費等の支払い意思がないわけではなく、管理組合の理事長が交代し、運営が改善されれば支払う意思はある。その証拠に平成15年10月以降、1万3000円を法務局に供託している」

 矢野(高野の分も代表)とともに出廷したもう1人の滞納者も供託しており、この住人は「理事長が交代すればすぐにでも支払う」とし、「このような裁判を起こされること自体、まったく時間と労力の無駄だ」などと主張した(1万7000円の管理費等に対してなぜ矢野が1万3000円しか供託していないのか、その根拠は不明だが)。

「供託」とは、支払いの意思を示しているにもかかわらず、相手方がこれを拒否したり、支払いの相手が不在である、誰に支払ってよいかわからないなどの場合に、一時的にその金を法務局に預かってもらう、という制度である。相手方は一定の手続きをすれば供託金をいつでも受領することができる。ということは、管理組合の側は矢野からの管理費の受領を拒否しているということなのだろうか。

 ところが管理組合の理事に確認すると、実情はそうではなかった。管理組合は管理を委託している公社に矢野らに対する督促を依頼するとともに、管理組合自身も内容証明を送付するなどして支払いを促したが平成15年10月以降現在まで、矢野からももう1人の住人からもただの1度も支払いの意思表示を受けたことはないというのである。事実とすれば、矢野の供託の根拠もあやしいものということになろう。

すでに最高裁が総会決議の適法性を認定

 矢野は管理費を法務局に供託する一方、組合の決議から約2年後の平成17年8月、「総会の成立および決議は無効」などとして管理組合を提訴していた(つまり、この提訴理由が管理費不払いの理由に共通するものとみられる)。矢野は総会の無効などを争ったその裁判で、組合側は総会の開催通知を団地外居住者に送付していないとか、委任状に不正があるとか、あるいは出席集計が捏造であるとか、また管理費および長期修繕積立金の額には根拠がなく、管理委託会社の選定にあたっても理事長と利害関係のある会社を選んだ上、勝手に高額の契約を結び、住民の管理費を浪費しているなどと主張していた。

 しかし東京地裁八王子支部は、総会の成立を認め、総会での決議事項についても適法に議決されたものと認定して矢野の主張をことごとく排斥している(東京高裁、最高裁もこの判断を追認)。したがって、提訴された矢野が管理費等の支払いをあくまで拒んだとしても矢野の主張が容認される可能性はきわめて低く、話し合いによる和解にせよ判決にせよ、最終的に矢野がこれまでの供託金と不足分を加えた正規の管理費等を納めさせられることになるのは時間の問題だろう。ただ、4年間にわたり管理費等を支払わず、総会の決議をめぐって自ら裁判を起こし、敗訴してもなお自ら支払おうとはせず、ついには裁判という最終手段によらなければ管理費等の回収ができないこと自体、きわめて異様というほかない。

管理組合相手に4年で9件の争訟

 矢野穂積はこれまで多くの東村山市民を提訴し、法廷に引きずり出してきた。その件数は50件を超えるが、ここ久米川駅東住宅も例外ではなかった。今回の取材の過程で、前述の管理費等の決議が無効として提訴した裁判を含め、矢野が東住宅に入居した平成15年以来平成19年にかけての4年間に、管理組合を相手に9件もの争訟を起こしていたことがわかった(うち民事調停が3件)。このうち6件の裁判ではすべて矢野の主張が退けられているが、その中には、有線テレビ(JCOM)の導入によって受信障害が発生したから原状回復せよなどと請求、ところが管理組合とともに訴えられた会社側が調査を申し入れたところ矢野はこれを拒否したという不可解な事件もあった。

冒頭荒れた管理組合総会

 平成15年の管理組合発足以来、4年間で9件もの争訟を起こしてきた矢野は、団地の維持・管理についてもまったく協力していない。たとえば排水管清掃は全戸が参加しなければ意味がないが、矢野だけは清掃をさせず、共用部であるベランダの防水工事もさせなかったと聞く。そんな矢野が、理事長が交代したからといって延滞している管理費等をすんなり払うのかどうか。

 その新理事長の承認などを行う管理組合総会はさる11月25日に開かれ、矢野も今回は出席した。しかし総会は冒頭、荒れたものとなった。矢野がいきなり「質問がある」などとして議長の資格について異議を唱えたのである。1人の理事が「あなたに発言は許されていない」と一喝してその場は収まったが、今度はもう1人の滞納者が議長のマイクを奪い、理事の制止も聞かず裁判批判を始めたため、やむなく理事の1人が引きずり出し、ようやく自席にもどった。この間矢野は自席からしきりに野次を飛ばしていたというが、矢野に対してはこんな罵声も浴びせられた。

「文句があるなら管理費を払ってからにしろ」

 通常の総会ではめったに見られない光景だろう。その混乱の原因を作った側の1人が市会議員の矢野であることは明らかだった。しかし総会は、途中、矢野の長い質問があったものの、無事新理事長は承認され、昼前に終了した。

 裁判で矢野は「運営が民主的なものになれば支払う」などと主張しているが、管理組合に対して4年間に9件もの争訟を起こし、受信障害があるといいながら調査を拒み、まったく無関係の少年を警察に突き出すような人物の総会出席を拒まず、質問さえ許した管理組合の姿勢こそきわめて寛容かつ民主的というべきだろう。新理事長が選任されたことで矢野は滞納した管理費等をすんなり払うのだろうか。12月12日に予定されている弁論準備手続の行方が注目される。

(宇留嶋瑞郎)


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選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件 第1回
選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件                      宇留嶋瑞郎

(この記事は松沢呉一さんのブログ「マッツ・ザ・ワールド」に掲載したものを若干修正したものです)

親戚のよしみで請け負った印刷会社

 昨年末、東村山市議、矢野穂積(草の根市民クラブ)が自分の住む団地の管理費を4年間にわたって支払っていないことが明らかになったばかりだが、矢野が難癖をつけて支払いを踏み倒したのはこれが初めてではない。他人との信頼関係をいっさい築こうとせず、それどころか自分たちの意に沿わない者、批判する者に対してはどのような理不尽な言いがかりをつけることも辞さない矢野と朝木直子の本質を知る最もわかりやすい例の1つが、今から12年前に起こした「選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件」である。

 平成7年4月の東村山市議選で当選した直後、千葉県松戸市に偽装転居することで自ら当選を放棄、落選した矢野への議席譲渡を行い、一般人に戻った朝木直子は翌平成8年に予定されている東京都議選への立候補を考えていた。彼らが印刷代金を踏み倒した選挙ポスターとは、この東京都議選用の事前ポスターである(もちろん選挙当時は、堂々と掲示されているポスターをめぐり、そんなトラブルが起きていたとは知るよしもなかった)。

 このポスターの印刷を請け負ったのは東京・練馬区にあるS印刷。S印刷と「草の根」との付き合いが始まったのはその5年前、朝木直子の母親である朝木明代が東村山市議となって4年目の平成2年ごろである。それまで彼らは、彼らの政治宣伝ビラ『東村山市民新聞』の印刷を東村山市内の業者に依頼していたが、明代の実の姉の夫(つまり、明代にとっては義理の兄で、直子からみれば義理の伯父)がS印刷に務めていた関係からビラの印刷を委託することになった。あるいは、彼らのビラを印刷していた東村山市内の印刷所とトラブルを起こしたことがあり、代わりの印刷所を探していたのかもしれない。

 それはともかく、朝木明代はS印刷に勤める義理の兄を通じてこう依頼した。

「これまでの印刷会社では1枚3円でやってもらっているが、なんとか3円より安い値段でやってほしい」

 当時、印刷会社がB4(彼らが発行するビラのサイズ)裏表の印刷物を請け負って利益を出すには、1枚あたり6円かかるという。つまり3円でも利益は出ない。しかし、S印刷は社員の縁故者から儲けても仕方がないと、その社員の顔を立て、つまり社員の親戚のよしみで明代の依頼を引き受けることにした。その金額は1枚あたり2円90銭だった。

 こうして実際にS印刷が矢野のビラの印刷を本格的に行うようになったのは平成4年ごろ。その後、平成7年10月までは、毎月平均4万5000部の印刷代金12~13万円が滞りなく支払われていた。ちなみに、明代が万引きを苦に自殺した平成7年の取引総額は337万9027円。平成7年には市議選があったから、ビラだけでなくポスターの印刷代金など費用がかさんだようだ。

 とりわけ、明代が万引きを働いたこの年の6月、明代は16日に70万6675円(ポスター代金など)、万引き当日の6月19日に15万6078円(ビラ折り込み手数料)、30日には14万5969円(ビラの印刷代金)を振り込んでいる。明代はポスターとビラ関係の費用として6月だけで計100万8722円の支払いをしている計算になる。

 6月の明代の収入は、ボーナスにあたる期末手当92万5500円と通常の議員報酬39万6040円の計132万1540円。このうち明代は21万320円を「返上」しているから実質収入は111万1220円。仮に明代がこのすべてを自分の懐から支払ったとすれば、明代の手元には10万円余しか残らなかったという計算になる(矢野によれば、「東村山市民新聞の発行費用の多くは、代表である朝木明代が個人生計費などを充てていた」という)。明代が東村山市内の洋品店で万引きを働いたのは、銀行で新聞折り込み代金を振り込んだ2時間後である(明代はこの振込の様子が映った防犯カメラの映像を証拠として警察に提出したが、この写真を万引き被害者が確認し、万引き犯の服装と持ち物が一致していると証言。万引き犯が明代であることがあらためて確認された)。

 明代は6月30日に初めて東村山署の取調べを受け、7月12日に窃盗容疑で書類送検されるが、そんな騒ぎがあっても毎月発行されるビラの代金は滞りなく支払われていたのだった。明代にしても、親戚を通じて仕事を依頼したのだし、利益も出ないような値段でやってもらっているのだから、支払いが滞れば姉の顔もつぶすことになるという思いがあったのかもしれなかった。身内に対する自然な気持ちである。

 ところが、同年9月1日に明代が自殺を遂げて以後、矢野、直子とS印刷の関係がにわかにおかしくなる。


(第2回へつづく)


テーマ:裁判 - ジャンル:政治・経済

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選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件 第2回

「ヤクザじゃないから、踏み倒すようなことはしない」

 矢野、直子とS印刷との関係がおかしくなるのは、11月になってS印刷が「今年で『東村山市民新聞』の印刷を終わりにしたい」といってきて以後である。明代が亡くなって、もう利益の出ないような値段で付き合う理由もなくなったということだったのだろうか。あるいは利益とは関係なく、もう付き合わない方がいいと判断したのかは定かではないが、いずれにしても、通常の半額以下で印刷してもらっていた矢野にとっておもしろい話ではない。矢野を知る者からみればなおのこと、簡単に受け入れるような話ではないと思われた。

 ところが矢野はこのとき、意外にもものわかりがよく、S印刷の申し出に対してこう応えた。

「新聞のことはわかったから、ポスターをできるだけ安くやってほしい」

 ポスターとは、平成8年の東京都議選に出馬を予定していた直子の選挙運動用ポスターである。S印刷側は「できるだけ勉強しましょう」と応えた。こうして、矢野とS印刷との間で、平成7年11月発行分のビラ4万8000部(14万4869円=単価2円90銭)とポスター1万枚(68万1860円)の最後の契約が結ばれた。ポスター代金は、通常なら95万5900円になるところを3割近く値引きした値段だった。3割引いてもなお、S印刷は矢野との取引を終える方が得策と考えたのだろうし、矢野とのトラブル回避を優先するのなら、これはきわめて賢明な判断だったろう。

 こうしてS印刷は平成7年11月10日にビラを、同12月11日と18日にポスターを納品。11月21日にビラ代金、12月20日にポスター代金を請求している。ときあたかも、「東村山市民新聞」だけでなく週刊誌、テレビ、ラジオなど、矢野と直子の主張に乗せられたメディアの協力によって「創価学会疑惑」の嵐が吹き荒れていたさなかのことである。
 
 さて、S印刷としては、ポスターを3割近くも値引きし、なにより契約時に矢野も納得していたから、印刷代金を払ってもらえばそれですべての矢野との関係が終わるはずだった。ところが、それまで一度も滞ることのなかった支払いが、今度ばかりはいつまでたっても実行されなかったのである。

 S印刷は平成8年3月から5月にかけて直子に対して郵便で何度も支払いを催促するがなしのつぶてとなり、電話をかけてもいっこうにつながらないという状態になってしまう。平成7年末から平成8年にかけてといえば、確かに矢野と直子にとって明代の「万引きを苦にした自殺」という事実をいかに隠蔽し、すなわちいかに「疑惑報道」を継続させるかにおそらく最もエネルギーを集中させていた時期である。だから、督促がくるまでは「忘れた」という言い訳もできたのかもしれない。しかし、督促状を出したあとになっても何の連絡もないというのは、やはりただごとではなかろう。

 そこでS印刷は同年6月、やむなく明代の親戚の力を借りることにした。直子の義理の伯父と実の伯母が直子の自宅を訪ねて支払いを求めたのである。すると直子は伯父に対してこういったという。

「ポスターは1万枚の契約なのに、請求書では5000枚の金額になっている。あとでもう5000枚分の請求をされたのではたまらない。それに印刷代が高い」

 実は、S印刷は通常よりも3割、30万円近い値引きをしていたから、経理処理上、5000枚分として請求しただけで、それが全請求額の半分ということではなかったのである。その説明をしていなかったことが落ち度といわれればそうかもしれないが、請求書の記載内容に疑問があったというのなら、最初に請求書を受け取った時点で問いただせばそれですんだ話なのである。伯父がそう説明すると、直子はこういった。

「ヤクザじゃないから、踏み倒すようなことはしないですよ」

 確かに矢野も直子も「ヤクザ」ではなく、1人は東村山市議会議員、もう1人は東村山市議と東京都議の立候補者である。しかしその後も、「ヤクザ」ではないはずの矢野と直子から支払いは実行されず、その代わりにS印刷には平成8年8月29日、矢野と直子の連名による次のような内容の「通告書」が届いたのである。

〈昨年9月朝木明代議員が殺害された直後に、貴社は貴社内部の事情であるにもかかわらず、代替策の提示も一切ないまま、突然、一方的に昨年12月で当方との印刷契約を破棄し、東村山市民新聞の発行自体が不可能となる重大な損害を発生させる事態を招きました。
昨年11月末、この件に関し、ポスター印刷等をもって契約解約に伴う当方の損害補てんとする旨、貴殿との間で約定しております。

 貴社関係者Sなる人物から文書等が郵送されておりますが、当方としては、現在においても右補填は十分なものとは考えておりません。なお、貴社から何か補填策につき話し合うことがあるのであれば、これを拒むものではありませんが、右経過から、貴殿以外との話し合いは事態を混乱させるだけであるので、予め通告いたします。〉

 平成7年11月8日、S印刷と矢野、直子が最後の契約を結んだ席では「補填」などという話はいっさい出なかった。それだけでなく、S印刷側から出された取引停止の話に対して、矢野は「新聞のことはわかった」といい、その代わりにポスター代金を勉強するということで納得していたのである。そもそもS印刷はビラの印刷を止めるのに、ポスター代を値引きしなければならない理由はない。これまでの付き合いから、あくまで好意で割引することになったにすぎない。

 ところが矢野は、請求書を送付してから半年以上たって、「ポスター代金の値引き」は補填であり、しかもそれだけでは補填は不十分などと主張していたのである(伯父と伯母が直子の家を直接訪ねた際の直子の言い分ともかなり異なる)。矢野が「通告書」でいう「事態を混乱」とは矢野の一方的な言い分にすぎないようにみえるが、これを受け取ったS印刷の困惑は想像に難くない。

 この通告書の内容を矢野が当初から考えていたのなら、やはり直子同様、請求書が届いた時点でそれなりの意思表示をすべきだろう。それをせず、今頃になってこのような通告書を送りつけるとは、やはりどうみても、いいがかりをつけて印刷代金の踏み倒しにかかっているとしか思えなかった。


(第3回へつづく)

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選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件 第3回

実の伯母をヒステリー扱いした朝木直子

 ポスターを勉強するということでいったんはビラの印刷終了を了承した矢野が、現物を受け取ったまま代金を支払おうとせず、その上、矢野はビラの印刷を終了するにあたって代償をまだよこせという。そもそも、取引関係を解消するにあたり、解消を言い出した側がなんらかの弁済措置を講じなければならないなどという話は聞いたことがない。

 そもそもS印刷は4年間にわたって儲け抜きで(どこまで本当かわからないような内容の)ビラの印刷を引き受けてきたのである。これでは、S印刷は善意をアダで返されたというだけではすまない。明代の頼みを引き受けたかたちの伯父や、実の伯母にしても、まさか身内からこのような仕打ちをうけるとは思ってもみなかったにちがいない。しかし、伯父や伯母が実際に相手にしていたのは身内である明代でも直子でもなく矢野だった。そこにすべての災厄の元凶があった。

 平成8年9月20日にはやはり矢野と直子の連名で同じ内容の内容証明郵便が送付され、さらに同9月27日には同内容の「通告書2」なる文書が立て続けに送付された。矢野のビラ(すなわち矢野そのもの)は特別な存在だから、印刷会社は儲けが出なくても印刷すべきだし、矢野の意思に従わないのなら、相応の誠意を示さなければならないのは当然ということなのだろうか。かつて「このビラには人を誹謗中傷する内容が含まれている」として矢野のビラの折り込みを断った新聞販売店が4度にわたり報復的な訴えを起こされたことを思い出す。

 もはやどうみても、矢野と直子が印刷代金を踏み倒すつもりであることは明らかだった。まともな話し合いの通じる相手ではないと判断したS印刷は平成8年9月、紛争の解決を弁護士に依頼し、直子に対してビラ及びポスターの印刷代金の支払いを求めて武蔵野簡裁に提訴した。

 さて、裁判で直子は、

「東村山市民新聞及びポスターの注文者、受領者はいずれも東村山市民新聞社であり、その代表者は矢野穂積である。朝木直子は発注・契約に関与したことはない。したがって、朝木直子は当事者適格を欠き、請求は失当」

「契約解消の代償として、新聞とポスターの印刷を無償で行うことで合意していた」

 などと主張した。これに対して武蔵野簡裁は平成11年1月、ビラについては直子を責任者と認定せず請求を棄却したものの、ポスターについては直子の主張を認めず、ポスター代金の支払いを命じるとともに仮執行の宣言を行った(ビラに対する請求についてはS印刷側の主張に弱点があったことは否めないが、そのミスを指摘するよりも、裁判所が認定しなければよしとして、なんら省みることのない矢野の特異性にこそ目を向けるべきだろう)。

「東村山市民新聞」の代表者ではないとした点以外の部分について裁判官は直子の主張を退けたわけだが、裁判前に矢野がS印刷に送付した「通告書」同様に、直子の主張には嘘があった。S印刷が親戚の紹介のよしみで利益の出ないような値段でビラの印刷を引き受けた経緯について直子は、

「過去の印刷ミスの損害補填分を考慮して安くしてもらったにすぎない」

 と主張していた。実はこの「過去の印刷ミス」とは、『東村山市民新聞』平成4年3月号でタイトルが脱落したまま印刷したことを指していた。しかし、これはもともと矢野が持ち込んだ版下の段階でタイトルが脱落していたのであり、つまり彼ら自身のミスなのだった(いつも完全版下の状態で持ち込んでいた)。したがって、S印刷がこのことを理由に印刷代金を安くするということはあり得なかったのである。

 それにもまして、直子の身内である伯父夫婦の心労も察するに余りある。裁判では直子が、なにか他人に対する敬意や誠実さが根本的に欠落しているのではないかと思わせる陳述書を提出していた。伯母夫婦が直子の家を訪ねて支払いを促したときの模様について、直子はこう書いていたのである。

〈平成8年頃、Yさん夫婦が夜遅く突然訪れて、伯母さんの方が玄関先で封筒の紙切れを振り回しながら、何か、代金を払っていないなどと、大声で理解できないことを盛んに言い立てて帰りました。……激しやすく感情的になりやすいYさんの伯母さんが一緒だったので、……反論せずに帰しました。〉

 そもそも直子がすんなり支払っていれば、足に障害を持つ伯父がわざわざ夜遅く伯母と連れ立って直子の家を訪ねることもなかったのである。ところが、説得に訪れた実の伯母の姿は、直子の陳述書では「紙切れを振り回し」「大声で理解できないことを言い立て」、「激しやすく」、伯母がいるだけでまともな話し合いにならないような、異常なヒステリーでも起こしているかのように描かれている。礼儀を知らないどころか、どこまでも人をなめた実の姪の本性を知った伯母のショックははかりしれない。

 ポスター代金に対する判決については当然の結果と思うかもしれない。しかし普通の取引相手なら、何の問題もなく支払いが実行され、取引が完了しているところである。この裁判は、提訴から一審判決までに2年以上を要した。次から次へと虚偽の主張を繰り出す直子への反論だけでも、S印刷にとって十分大きな消耗だったというべきだろう。もちろん、相当の弁護士費用も発生するし、人的ロスも大きい。ビラとポスターの代金を取り返せたとしても90万円にも満たない額で、企業の論理からすればとうてい割に合わない裁判である。それでもS印刷は裁判に踏み切った。人情や誠意をここまで踏みにじった矢野と直子に対する怨嗟の情はそこまで大きかったのだろう。


(第4回へつづく)

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選挙ポスター印刷代金踏み倒し事件 第4回(最終回)
                             ★第1回から読みたい人はこちら


差し押さえられた朝木直子の議員報酬

 さて、直子が簡裁の支払命令に素直に従ったかといえば、もちろんそうはいかなかった。直子は東京地裁に控訴。平成11年7月26日、東京地裁は直子の控訴を棄却したが、それでも直子は素直にポスター代金を支払おうとはしなかった。二審で勝てなければ上告しても勝算はきわめて0に近い。しかし、それでも直子は上告したのである。

 S印刷の代理人からは、控訴審の判決が出た時点で支払いがなければ差し押さえに出る可能性もあると聞いていた。はたしてS印刷は上告審の判決を待たずに直子の議員報酬を差し押さえたのか。7月26日に控訴審判決があり、ただちに差し押さえ手続きに入ったとすれば、8月ないし9月分の議員報酬が差し押されられるはずである。そこで同年10月、私は直子に会う機会があったので単刀直入にこう聞いた。

「直子さん、9月の給料は受け取ったんですか?」

 すると、直子はなぜか私の質問にはいっさい答えようとせず、ただ語気も強く「近寄らないで!」とだけいったのである。もちろん直子は質問の意味を理解していたはずである。私の質問はあまりにもいわゆる個人情報、それも都合の悪い部分に踏み込み過ぎた、ぶしつけなものだったのかもしれない。

 しかし後日、すべての裁判資料を閲覧した私は、直子が私の質問に答えなかった意味を理解した。8月26日(8月分の給料日の翌日)、東村山市に対して東京地裁から1通の債権差押命令が届いていたのである。「請求債権目録」には、S印刷が直子にポスター代金を請求した件に関して81万4046万円を差し押さえる旨の記載があった。

 債権差押命令とは、第三債務者(この場合は東村山市)に対して、債務者(朝木直子)に債権(この場合は議員報酬)を支払ってはならないとする命令である。すると、直子の月額の議員報酬は債務額81万4046円には足りないから、9月分全部と10月分の大半の議員報酬が差し押さえられたことになる。直子が私の質問に答えられなかったわけである。

 ちなみに、平成12年2月1日付『東村山市民新聞』には、矢野と直子の平成11年9月から12月までの収支報告が掲載されている。それによると、矢野と直子の議員報酬にはだいぶ開きがあった(矢野の方が多かった)。なぜ矢野と直子には差があるのか。これも本人に聞くのが一番と、私は矢野に聞いた。

「同じ市会議員でも、やっぱり 能力が高いと給料も高いんですか?」

 すると矢野は一言こう答えた。

「そういうこともある」

 と。しかし、市役所に問い合わせると、議員報酬は正副議長を除いて一律であるという。すると、役人か矢野のどちらかが嘘をついていることになるが、それはどちらか。彼らのビラに掲載された金額を見ればその答えは歴然だった。矢野と直子の議員報酬の差額は81万4046円となっており、まさに差押命令にある金額と端数までぴったり一致していたのである。

 なお、直子の議員報酬が差し押さえられた事実については、上告理由書の中で直子自身が認めるところでもある。直子は上告理由書で「不当な請求を受けた末に平成11年8月26日付で差し押さえられた」とした上で、S印刷が差押申請をした理由について次のような珍妙な主張を展開していた。

〈差押は、……殺された朝木明代を継承する議員としての、朝木直子の政治的社会的信用を失墜させることを目的とした政治意図から出たもの〉

〈(朝木直子は)公職にある者であり、本件訴訟で争っているのは、金額の問題ではなく、不当な請求を受けているからであって、金員の支払い能力がないわけではない。〉

 などと。9月13日、東京高裁は直子の上告を棄却したが、なにも直子の社会的政治的信用は差し押さえられたから失墜したのではない。善意から儲けも出ないような値段で印刷を請け負った印刷会社を泣かせ、実の伯父や伯母の好意を平気で裏切った時点ですでに社会的政治的信用は失っている。

 ただし、矢野と直子に根本的に欠けているのはそんな次元の信用ではなく、もっと単純な「人間として誠実に生きようとする」意思であるというべきだろう(「誠意」という言葉に対して矢野と直子のせせら笑う顔が浮かぶが)。裁判を通して明らかになったのは、矢野と直子が難癖をつけて印刷代金を踏み倒したという現実である。直子が伯父にいった「ヤクザじゃないから踏み倒すようなことはしないですよ」というセリフは、そのまま彼らの実態を映すみごとな逆説にほかならない。

(了)


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久米川東住宅「電波障害」事件・前編
久米川東住宅「電波障害」事件                宇留嶋瑞郎

 いったい何が気に入らないというのか、東村山市議、矢野穂積(草の根市民クラブ)が、自分の住む久米川駅東住宅の管理費のみならず長期修繕積立金まで入居から4年間にわたって1度も納付しておらず、管理組合から支払いを求めて提訴されたことは昨年お伝えしたとおりである。平成19年11月13日に開かれた第1回口頭弁論で矢野は、「管理組合の運営が民主的でないから支払わない」とか「11月25日の総会で理事長が代われば支払う用意がある」などと主張していた。

 管理組合の総会は予定どおり11月25日に開かれ、新理事長が就任したが、矢野は理事長が代わっても支払いはしなかった。その後、弁論準備手続が同年12月12日と平成20年1月31日の2回開かれている。この手続きでは裁判長が実質的な話し合いによる解決を進めている(和解協議に近い)が、矢野は無条件の支払いを拒んでいる。

 管理組合側には矢野に対して譲歩する理由はなんらないと思えるが、ポスター印刷代金踏み倒し事件からもわかるように、客観的にはどう見ても合理性がないと思える理由でも、矢野の論理の中では正当化されているところが特異である。次の弁論準備手続は2月中旬に予定されているが、話し合いによる解決は難しい状況にある。

 話し合いによる解決が成立しなければ判決となるが、矢野が管理費等の決定に違法があるとして管理組合を提訴した裁判ですでに矢野の敗訴が確定している。したがって、判決になった場合には矢野に管理費等および延滞利息の支払いが命じられる公算が高いとみられる。

1軒だけの受信障害

 さて、矢野は平成14年1月10日、久米川駅東住宅に高野博子(認可保育園「りんごっこ保育園」施設長)と同居しはじめて4年の間に管理組合に対して9件の争訟を提起している。そのうち1件の民事調停を除いて、矢野が管理組合を相手に起こした裁判は総会決議を含めていずれも組合として決定した事項が法的に無効であるとするものである。

 管理費等をめぐる裁判を含め、これら9件の争訟で矢野の主張はすべて退けられているが、その中でとりわけ、矢野が最初の管理組合理事選挙で落選したのも無理からぬものと思わせる興味深い事件がある。団地が導入した有線テレビのケーブルによって矢野の部屋のテレビに受信障害が発生し、テレビだけでなく多摩レイクサイドFM(矢野が実質的に運営し、市民を誹謗中傷することで有名なビラを読ませ、それに矢野が我田引水のコメントを加えるなどする、いわば矢野思想翼賛の情報操作放送局)も受信できなくなったから原状回復せよなどとして、管理組合やジェイコム関東(JCOM)を提訴していた事件である。

 平成13年11月、東京都住宅供給公社はJCOMとの間で東住宅に有線テレビのケーブルを敷設することについて協定書を交わし、翌14年に入って自治会もこれに同意して同年敷設工事を実施した。また、平成15年の権利委譲にともなって設立された管理組合も、自治会の同意を承継する旨の合意書をJCOMとの間で交わした。

 この有線ケーブルの導入については住民にはいっさい金銭的負担はかからず、住民がそれまでアンテナで受信していた放送も無料で受信でき、有線テレビを希望する区分所有者についてはJCOMが提供する番組や光通信によるインターネット接続ができるようになるというものである。つまり、JCOMのケーブルを接続したからといって、団地の資産価値を高めることはあっても住人にはなんらマイナス要素はない。実際に、JCOM導入以後、矢野以外の住人からテレビの映りが悪くなったなどの苦情は1件もなかった。

 ところが不思議なことに矢野は、自分の部屋だけは受信障害が発生したという。平成16年10月19日に提出した訴状で矢野はこう主張していた。

〈被告ジェイコム関東は、故意または過失により、原告宅内へのアンテナ同軸線と接続させる上記「有線テレビ線引込み工事」を行ったことにより、原告には、先ず第1に、本来の周波数によるFM放送の聴取が不可能となり、総務大臣が免許を交付して東村山市ほか6市などを放送区域としてFM放送をする「多摩レイクサイドFM」(79MHz)は全く聴取ができない状態となった。さらに第2として、テレビの画像の右にゴーストが映る受信障害が生じるという損害が発生した。〉

 したがって矢野は、矢野宅に接続された有線テレビケーブルを取り外し、さらに矢野の住む棟の屋上に個別アンテナを設置し、矢野宅にケーブルを接続してFMおよびテレビの受信状態を原状回復せよなどと主張していた。

 ところで矢野は、「ケーブル敷設工事以降、再三、架電により原状回復を求め」、「平成16年以降、ファックスによって、原状回復するよう催告した」という。「架電により原状回復」を求めたのが具体的にいつのことなのか訴状では明らかでない上に、「ファックスによって」原状回復を求めたのが工事から2年後というのは奇妙である。

 また通常、この工事の実施主体が自治会であるにもかかわらず、矢野はなぜか自治会に対してはなんらの働きかけもしていない。自治会は工事実施までに工事の説明会を開催、さらにジェイコム関東が工事についての周知・お願い文書、室内のケーブル調査、端子取替え工事日程調査などを数度にわたって全戸配布したが、その間にも工事実施中も、工事完了後も、自治会に対しては不同意や抗議の意思を示した住人は矢野を含めて1件もなかったという。

 少なくとも自治会は住人が委任した組織であり、その決定と事業計画は一応、住民の同意に基づいたものである。その事業遂行に異議を唱え、またその事業遂行によって不利益を受けたというのならまず自治会に対して改善を求めるのが筋というものではなかろうか。それをせず、自治会の頭越しにJCOMに原状回復を求めたのは、自治会では相手にされなくてもJCOMなら対応する可能性があるとでも考えたのだろうか。

 奇妙な点はもう1つあった。有線ケーブル敷設工事を行ったのは平成14年だが、矢野が「聴取できなくなった」とする多摩レイクサイドFMの放送が始まったのは平成16年6月30日である。すると矢野は、JCOM以前には聴取できていたことをどうやって確認したというのか。JCOM以前には存在していない放送を聴けたかどうかを確認するのは不可能である。立証不可解であることが明らかな事実を前提としていること自体、この裁判の本質が通常の原状回復を求めるものではないことを示していたように思えてならない。


(後編へつづく)

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久米川東住宅「電波障害」事件・後編
                             ★前編から読みたい人はこちら


JCOMの立ち入り調査を拒否した矢野

 矢野の請求内容を端的にいえば、受信障害の現状が改善されればよいということに尽きよう。被告であるJCOMもまたそう考えたのは当然である。だからJCOMは、矢野の部屋の受信状況がどういう状態なのかを確認するために立ち入り調査をさせてほしいと申し入れた。その結果、実際に受信状況に異状が発生していることが確認できれば、ただちに無償で対処するという趣旨である。

 きわめて自然ななりゆきで、多摩レイクサイドFMの件は別として、矢野の受信状況が改善されれば(実際に受信障害があると仮定すれば)、その時点で事実上、この裁判は矢野が関与する裁判では珍しい平和的解決をみることになる。JCOMの応訴姿勢はこの上なく紳士的かつ誠実なものだったといえる。

 JCOMが立ち入り調査を申し出たということは、矢野からすれば、被告であるJCOMが矢野の立証活動を手伝ってくれるといっているに等しい。原状回復を求める原告にとって、相手方が立証の手助けを申し出るという裁判もそうあるものでもあるまい。通常なら、こんなありがたい話を断る理由は思いつかない。ところが矢野は、不思議なことにJCOMの申し入れを拒否したのである。

 目に見えない部分のデータ分析などの調査なら、改ざんの恐れがないとはいえない。しかし、テレビの受信障害は素人でも一目で確認できるから、JCOMが調査結果を改ざんする恐れもない。にもかかわらず、矢野はなぜJCOMの立ち入り調査を拒否したのだろう。普通人の常識ではとうてい理解できない話というほかなく、これではむしろ矢野自ら提訴の前提事実が最初から存在していないと自白したも同然と受け取られても仕方あるまい。虚偽の事実に基づいて裁判を起こすこと自体、濫訴という違法行為にほかならない。

 裁判で矢野は、JCOM導入に至る自治会の決定過程に対しても違法性があるなどと主張したが、東京地裁は提訴からわずか3カ月で口頭弁論を終結し、平成17年2月10日、矢野の請求を全面的に棄却する判決を言い渡した。東京地裁は判決で、JCOM導入に際しての自治会の手続きに違法性はなかったと認定した上で、矢野の主張する受信障害の事実について次のように述べた。

〈原告(矢野)の主張する受信障害等被害対策を求める部分については、その受信障害の存在やこれが本件接続工事に起因するものであることを認めるに足りる証拠がない〉

 受信障害と接続工事の因果関係を認定する証拠がないというのみならず、裁判所が「受信障害の存在」についてまでもその証拠がないと認定した事実は重い。裁判所はJCOMが立ち入り調査を申し入れて矢野がなぜか拒否したという経過を重視し、少なくとも裁判所は最初から受信障害の事実は存在しなかったのではないかとする疑念を抱いたということである。請求原因事実の存在そのものが疑われること自体、そうそうあることではあるまい。矢野はそれでも控訴したが、東京高裁もまた矢野の主張を全面的に退けた。
 
 かつて矢野は、故朝木明代の万引きを苦に自殺した事件では「他殺」や「拉致」を主張しながら事務所や自宅の調査を拒み、少年冤罪事件では被害を訴えたにもかかわらず「多忙」を理由になかなか事情聴取に応じようとせず、朝木直子はセクハラ被害を申し立てながら何カ月もヒアリングに応じようとしなかった。いずれのケースにも共通するのは、彼らの申し立ての前提自体が虚偽だったか、もしくはこじつけにすぎなかったということである。

「電波障害事件」もまた、矢野以外に受信障害の苦情は1件もないこと、JCOMの立ち入り調査を拒否した事実などからすれば、矢野の主張する受信障害など最初から存在しなかったとみるのが自然である。すなわちこの裁判はいいがかり、嫌がらせのたぐいと見られてもやむを得まい。その理由は何なのか。矢野が入居以来4年間に管理組合に対してこの裁判以外に8件もの争訟を起こしていること、さらにこの間、管理組合に対して1度も管理費等を支払っていないこととけっして無関係ではないように思えてならない。

 いずれにしても、管理組合や自治会は同じ団地の住人である1人の市会議員が起こした常識的にはあり得ない裁判のために、また通常ならなんの問題もなく納入される管理費等の請求のために物理的・精神的エネルギーだけでなく、多額の費用の支出を余儀なくされているのである。

(了)

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エフエム東村山・東村山市民新聞併合事件控訴審判決
矢野、朝木両市議に各20万円の支払い命令

 警視庁東村山警察署の元副署長、千葉英司氏がエフエムラジオでの発言やビラの記事によって名誉を毀損されたとして現職の東村山市議、矢野穂積氏と朝木直子氏(いずれも「草の根市民クラブ」)を提訴していた裁判の控訴審で平成20年2月7日、東京高裁(寺田逸郎裁判長)は矢野・朝木両氏にそれぞれ20万円の支払いを命じた一審判決を支持、矢野氏らの控訴を棄却する判決を言い渡した。

 朝木氏は編集人を務める彼らの政治宣伝ビラ「東村山市民新聞」第142号(発行人は矢野氏=平成17年10月31日付)において、

〈当時の東村山署の千葉副署長は「朝木明代議員の遺体の上腕内側部には変色痕はなかった」と法廷でもウソを言続けた〉

 などと記載。

 矢野氏は平成17年11月28日、自らが実質的に運営する「エフエム東村山」の、矢野氏が進行・「解説」役を務める番組「ニュースワイド多摩」でアシスタントの女性に上記ビラの記事をそのまま読ませた上、あたかも同変色痕が「他殺」の証拠であるかのような「解説」をつけ加えた。

 これらの記載および放送に対して千葉氏は、「私が変色痕の存在そのものを否定した事実はなく、ビラの記載および放送は私が法廷で偽証したとの虚偽の事実を提示するもの」などと主張していた。

「証言内容を認識していた」と認定

 これに対し矢野氏らは「記事及び放送内容には真実性・相当性がある」などと主張したが、東京高裁は、

〈本件記載及び本件記載朗読は、朝木市議の遺体の上腕内側部に変色痕が存在していたのに、被控訴人(千葉氏)が、別訴証人尋問において、変色痕がなかったとウソを言い続けたということを内容とするものであるところ、被控訴人の別訴証人尋問における供述内容は、基本的には朝木市議の遺体の上腕内側部に変色痕は存在していたが、これを第三者と争ったものではないと判断したというものであることも上記のとおりであるから、本件記載及び本件記載朗読の内容は真実ではない〉

〈控訴人朝木が、(雑誌「フォーラム21」において)被控訴人の別訴証人尋問における証言内容を、皮膚変色部があっても争った跡とは判断しないと証言したものと要約する発言をしていることが認められる〉

 などと認定、矢野氏らの控訴を全面的に斥けた。

公共の電波を利用した意図的な情報操作

 平成7年9月1日に発生した故朝木明代氏(当時東村山市議=草の根市民クラブ)の転落死事件については平成9年までに捜査機関が「自殺」とする結論を出し、「万引き冤罪」と「他殺」を主張して矢野氏と朝木氏が起こした裁判でもその主張はことごとく排斥されている。今回問題となった記事および放送もまた、元副署長が上腕内側部の変色痕の存在について偽証したと主張することによって朝木明代氏の死が「他殺」であるかのように印象づけようとするものである。

 しかし東京高裁が、矢野氏らが千葉氏が法廷で「ウソを言い続けた」事実がないことを認識していながら意図的に虚偽の記事を掲載し、放送したことを認定した事実は重い。矢野氏と朝木氏は、それが嘘であることを知りながら「他殺説」の根拠にしようとしたということにほかならない。

 このようなきわめて意図的かつ悪質な虚偽宣伝、情報操作が、個人的な政治宣伝ビラのみならず高度な中立性と公共性が求められるエフエム放送(公共の電波)においてなされたこと、またそのような放送局が認可されていること自体、社会的にもきわめて深刻な事態である。

千葉英司氏の話
「朝木明代氏の万引きを『冤罪』とし、自殺を『他殺』と宣伝することは、とりわけ被害者の正直な申告を虚偽と決めつけることで、断じて許すことはできない。今回の判決は、保身のためにはどれほど人を傷つけようと何の痛痒も感じない矢野氏と朝木氏の特異な本質をよく理解した上でのものと考えている。今後も彼らとは徹底して闘い続けるつもりだ」

(宇留嶋瑞郎)

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多摩レイクサイドFM裁判で矢野・朝木(東村山市議)の議員報酬を差し押さえ
 千葉英司元東村山警察署副署長が多摩レイクサイドFMの放送などによって名誉を毀損されたとして、同放送を実質的に運営している現職の東村山市議、矢野穂積と朝木直子(いずれも「草の根市民クラブ」)を提訴していた裁判で、平成20年2月7日、東京高裁は矢野らの控訴を棄却し、それぞれ20万円の支払いを命じていたが、さる2月26日、両名の議員報酬が差し押さえられたことがわかった(矢野21万2240円、朝木20万8190円)。高裁判決に対して矢野と朝木が2月21日上告したため、千葉が債権の差し押さえを申し立てていた。

 差押命令を受けて、東村山市は矢野・朝木両名の議員報酬から債務額を法務局に供託する手続きを行った。なお、差押命令は3月3日、矢野と朝木にも送達されている。これによって、矢野と朝木の3月分の議員報酬は差し押さえ分を差し引いた額となるもよう。私の知るかぎり、矢野は2度目、朝木は3度目の議員報酬差し押さえである。

名刺広告強要事件裁判では矢野・朝木が15万円を支払い、和解が成立

 また、私(宇留嶋)が矢野と朝木の政治宣伝ビラ「東村山市民新聞」やインターネット「東村山市民新聞」の記事をめぐり、「あたかも名刺広告強要事件に関与したかのような記事によって名誉を傷つけられた」などとして矢野と朝木を提訴していた裁判では、平成20年3月7日、矢野と朝木が連帯して私に対して15万円を支払い、和解が成立した。
 
 この和解協議では、矢野と朝木が「裁判の経過を公表しないでほしい」などと要求。私は「原告の言論活動を制限しようとするものでとうてい応じられない」と主張して調整は難航したが、東京地裁八王子支部は公表を認め(あたりまえ)、矢野と朝木も最終的に裁判所の指揮に従った。

 和解金額は同日裁判官がその場で提示、矢野と朝木はこれに同意し、ただちに15万円が支払われた(朝木が近くのコンビニに引き出しに行った)。

 なお、矢野と朝木が公表させまいと執拗に抵抗した裁判の経過等については、近く詳細に公表する予定である。

(宇留嶋瑞郎)
 

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沈黙を破った矢野穂積(東村山市議)の捏造放送と著作権侵害
「さ~さ、お耳を拝借~(^v^)/」「3羽の雀の日記」(いずれもブログ)でご存じの方も多いと思うが、薄井政美東村山市議から1000万円の損害賠償を求めて提訴された矢野穂積が4月21日、ついに沈黙を破り、市民に向けて反論らしきものを行った。

 矢野が反論の舞台に選んだのは多摩レイクサイドFM(ミニFM=矢野が実質的な運営者とみられる)の、矢野がパーソナリティを務める「ニュースワイド多摩」という番組。つまり、矢野が朝木とともに発行している政治宣伝ビラ「東村山市民新聞」同様、矢野がやりたいようにやれる矢野の番組を利用したということである。

 この「ニュースワイド多摩」という番組は、朝日、読売、毎日など全国紙多摩版などの記事をアシスタントに読ませ、矢野がいちいち「解説」を加えるという作りになっている。矢野が政治宣伝ビラを発行した時期には「東村山市民新聞からです」「東村山市民新聞提供のニュースです」などと、矢野と朝木の個人的なビラの内容が全国紙と同等の扱いで放送され、自分が作ったビラの内容に関しても矢野が「パーソナリティ」と称してあたかも第三者であるかのように「解説」までしてしまう(通常、こういうスタイルをマッチポンプあるいは「我田引水」と呼ぶ)。もちろん、「東村山市民新聞」が矢野のビラであることを聴取者に明らかにするはずはない。一言でいえば、そういう普通ではあり得ない番組である。

読売多摩版の記事を捏造

 矢野は自分の番組で薄井の提訴に対する反論を初めて行ったわけだが、その沈黙の破り方はおよそ常人の予測をはるかに超えるものだった。常軌を逸した、という言い方もできよう。

 矢野はいつものようにアシスタントに「読売多摩版」の記事を朗読させた。

〈東村山市の薄井政美市議は16日、虚偽の情報を流されるなどして名誉を傷つけられたとして、同僚の2市議らに慰謝料1000万円の支払いなどを求める訴訟を地裁八王子支部に起こしました。
 訴状などによると、同僚市議らは2007年4月以降、立候補前に風俗情報出版社に勤めていた薄井市議について、ホームページなどに「立候補する資格すらなく辞職すべき」「性風俗特殊営業の宣伝で、職業安定法などに違反した疑惑がある」などと掲載しました。コミュニティFMラジオでも、同様の発言をしたとしています。薄井市議は「犯罪への関与は事実無根」と主張しています。〉

 実際の読売多摩版の記事はここまでである。ところが矢野の番組では、「記事」はまだ続いた。アシスタントは一呼吸置くと次のように読み続けたのである。

〈薄井政美市議は、昨年4月の東村山市議選で当選しましたが、市議の任期が始まった後も、昨年2月から始めたインターネットのアダルト動画サイトで、本人の実名、顔まで出して、ソープランドやヘルスなど、特殊性風俗について紹介する発言を続けていました。「セクハラ情報」だとか「女性蔑視」「女性差別」などの厳しい批判に対して、薄井さんはこの間沈黙を守っていて、いっさい反論はしていませんが、知り合いの性風俗評論家、風俗ライター、そして風俗嬢と呼ばれる関係者らが、インターネット上にホームページなどを作って、「薄井市議を守れ」などという宣伝活動をしていました。〉

 実際の記事と、それに続く「記事」の間には何の断りもない。聴取者が聞けば、すべてが「読売の記事」と思うことは間違いない。つまり、「ニュースワイド多摩」において読売の記事が捏造されたということになる。しかも、捏造部分には薄井に対する新たな名誉毀損表現が含まれている。

注目される読売新聞社の対応

 この放送の悪質さはあらためていうまでもないが、これでは、実際の記事を知らない聴取者からすれば、読売新聞社が薄井に対する名誉毀損記事を掲載したと誤認することになろう。つまりこの放送は、記事の捏造=著作権侵害だけでなく読売新聞社に対する重大な信用毀損行為ということにもなるのではないか。

 読売新聞社は矢野の放送にどう対応するのだろうか。読売新聞社には早朝から矢野による記事捏造の情報が伝えられたと聞くし、東村山市民(ブログ「やまだKING」)からも読売の対応を聞く内容のメールが送られている。

 そこで私も4月21日午後5時過ぎ、読売新聞立川支局に電話をしてみた。すると支局長は外出中で、自分の会社に重大な問題が発生しているというのに、対応した記者は意外にもそのような放送があった事実を知らないという。そこで私はあらためて、捏造放送の事実を伝えた「さ~さ、お耳を拝借~」のアドレスを支局に送った。

 ちなみに私が送ったメールアドレスと「やまだKING」が送ったアドレスは同一である。その点も含め、自社の記事が捏造されるという重大事態を支局内の記者が夕方の段階で知らないというのは考えにくい。

 むしろ、私に対する記者の対応は、読売新聞社として事態を重大に受け止めている証拠ではないかという気がする。社名を利用されたあげく信用まで毀損された読売新聞社が、言論機関として今回の問題にどう対応するのか、注目したい。

(宇留嶋瑞郎)
 

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